自身の顔が刻まれたプレートを眺める岡田氏。短い時間ながらも粋なコメントで会場を沸かせた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 9月10日、JFAハウスで第16回日本サッカー殿堂の掲額式典が行なわれた。

 今回選出されたのは、西野朗氏、岡田武史氏、佐々木則夫氏のレジェンド指揮官トリオ。その式典で壇上に上がり、自身のキャリアを振り返りながら会場を大いに沸かせたのが岡田氏だ。

 つい最近、岡田氏は指導者S級ライセンスを“返納”したという。その事実を司会の山本浩氏に問われた岡田氏は、苦笑まじりにこう説明した。

「講習を受けないでいたら(更新に必要な)リフレッシュポイントが足らなくなっちゃった。それでも(登録料として)お金だけ引き落とされるというので、退会届を出したんです(笑)。もう(FC今治の)経営のほうが忙しくて、楽しくて、なかなか現場がイメージできなくなった。ならそれでいいかなと」

 さらに、「いつからサッカー選手になりたいと思ったのですか?」と訊かれると、意外な回答が返ってきた。
 
「僕の夢はプロ野球選手だった。南海ホークスの子ども会に入っていたので。だから僕はサッカーがあんまり巧くないんです(笑)。古河電工(ジェフ千葉の前身)に入った頃は古河の社長になりたいと思っていました。現役の最後は、後がつかえているから引退してくれと言われ、業務をやろうと思っていたら、コーチになれと。人事部付きで。当時はまだプロができるかどうか、はっきり分かっていなかった時代で、そのうち会社に戻ろうと思っていました」

 現在の日本人選手について印象を訊かれると、そのメンタリティーの違いを強調した。

「全然違う。いまだったら僕ぐらいの選手だと、日本代表には入れなかったでしょうし、レベルも違うし、メンタルのスタートラインも全然違う。当時はヨーロッパでやってるなんて夢の世界だったけど、いまの彼らは世界の中で勝つという夢になってきていますね。そこらへんは全然違うと思います」

 現在はFC今治でオーナーを務めている。最後は「今治ではサッカーでいろんな試みを行なっています。もともとサッカーのことががあって始めたのですが、いまでは地域と一緒に発展していきましょうと、地域貢献活動なんかもやっています」と話し、笑みを浮かべた。

 63歳にして殿堂入りを果たした“岡ちゃん”。これからもまだまだ、日本サッカーの発展に欠かせない重要人物だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部