世界最高の量と質、頼もしい新戦力…“優勝候補最右翼”マンCが悲願の欧州制覇へ
問われるのは“ここ一番”での勝負強さ
グループステージで対戦するシャフタール、D・ザグレブ、アタランタはいずれも各国の好チームではあるものの、今のシティの実力を考えれば彼らを脅かす存在では決してなく、首位通過は固いと見ていい。シティにとってCLの“本番”は、ビッグクラブとホーム&アウェイの一発勝負で戦う決勝ラウンドに入ってからになる。昨季は、ベスト8でトッテナムと同国対決を戦い、4−4のアウェイゴール差で敗れた。特に第2戦の熾烈な撃ち合い(4−3)が印象深いが、第1戦(0−1)で鋭さを欠き、ゴールを奪えなかったことが痛かった。
それ以前はペップが来る前になるが、2008年夏の“アラブ革命”で財力を手に入れ、2011−12シーズンにCL初出場を果たして以降、最高成績は2015−16シーズンの準決勝進出(レアル・マドリードに2試合トータル0−1で敗北)で、決勝の舞台にさえ届いていない。
チーム力は折り紙つき。あとは、“ここ一番”での勝負強さと、ビッグクラブとの接戦を勝ち切るしたたかさが必要になってくる。ペップ政権4年目を迎えたチームは、その命題を克服し、下馬評通りに欧州王座へとたどり着けるか。クラブが目論む真の黄金時代突入に向け、ビッグイヤーは絶対に必要なタイトル。今季こそ、彼らは欧州の頂点でトロフィーを掲げられるだろうか。
文=寺沢薫