前日会見に出席した森保一監督

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 日本代表の森保一監督は9日、カタールW杯アジア2次予選・ミャンマー戦(10日、ヤンゴン)の前日会見に出席した。「選手時代にもW杯予選を戦わせて頂いたが、だいぶ過去のことなので記憶も薄れている部分はあるが…」。そんな冗談も交えつつ、アウェーの地で迎える初戦に向け、意気込みを語った。

 森保監督にとっては26年ぶりのW杯アジア予選だ。選手として最後に出場したのはアメリカW杯出場を目指していた1993年10月28日のイラク戦。『ドーハの悲劇』として知られる一戦である。あの試合に敗れたことで、選手としてのW杯出場は叶わなかったが、ロシアW杯にコーチとして帯同。今度は指揮官として世界への挑戦をスタートさせる。

「監督としてカタールW杯のアジア予選に臨むことになるが、これまで代表として活動してきた日々の積み上げがあって明日の試合に臨むことになる。夢の大舞台であり、大きな目標となる大会への予選であるが、一戦一戦勝利を目指して戦うこと、選手個人とチームがそこで成長して強くなることを積み上げてやっていければと考えている」。

 始まりの地は東南アジアのミャンマー。7日の合宿初日から連日スコールが襲い、田んぼのようなピッチでの練習も強いられるなど、サッカーのクオリティー以外でも気苦労が絶えない舞台設定だ。しかし、これまで「臨機応変に」「柔軟に」というコンセプトを説いてきた指揮官は、この環境を前向きに乗り越えていく姿勢を示す。

 会見の場で語ったのは「理想と現実を使い分けていかないといけない」という言葉だ。ピッチ状況次第ではこれまで貫いてきた自陣からのビルドアップや、アタッキングゾーンでの中央突破はなかなか見せられないかもしれない。その中で「どういうプレーをするか」が大事になってくる。

「想定外のことが起きることもしっかり考えていかなければいけないと思うし、選手たちには現実の中で柔軟に、臨機応変に適応してやってもらいたい。現実は変えられないので、自分たちの力をしっかり発揮できるように環境を受け止めながらプレーしてほしい」。翌日に控える初陣を見据える指揮官は、時に理想的な試合運びではない展開も受け入れる構えを見せた。

 また、そうした苦しい戦いを勝ち抜いてこそ、選手たちの成長につながるという考えだ。今回の招集メンバーは23人中11人がW杯予選未経験。「試合に出る選手、出られない選手もいると思うが、全てが経験につながる」とした上で「経験のある選手たちがどういう振る舞いをしているか学びながら成長してほしい」と期待を寄せる。

 前回大会のW杯予選初戦は格下のシンガポールに引き分け。その悔恨を繰り返すつもりはない。「このW杯予選では起きないように、選手たちが以前の経験を活かし、より油断のないスキのない戦いをイメージしてくれていると思っている」。森保ジャパン発足から約1年、これまで主軸を担ってきたメンバーを信じて初陣のミャンマー戦に臨む。

(取材・文 竹内達也)