舞台『おそ松さん３』6つ子インタビュー／第2回：柏木佑介（カラ松役）

赤塚不二夫原作の『おそ松くん』が大人になった姿を描いたTVアニメ『おそ松さん』。その作品を舞台化した『おそ松さん on STAGE〜SIX MEN'S SHOW TIME〜』は、チケットが即完売するほどの人気シリーズとなっている。

昨年、F6は東京・千葉・沖縄・大阪の4都市を巡るライブツアーを開催し、6つ子は喜劇『おそ松さん』で、シリーズ初の長編舞台に挑戦した。11月に上演となる最新作では、パワーアップした12人の姿に期待が高まる。

ライブドアニュース編集部は今からおよそ2ヶ月前、都内スタジオにてビジュアル撮影中の6つ子を突撃取材していた。第2回は、ニートで童貞。常に自分の世界に浸りカッコつけている（……が、あまり相手にはされない）次男・カラ松を演じる柏木佑介のインタビュー。

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撮影／すずき大すけ　取材・文／野口理香子

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観客を「笑わせなきゃいけない」プレッシャーがあった

本日はビジュアル撮影でしたが、ひさしぶりにカラ松の衣装を着てみた感想は？
第1弾の頃はなかなか慣れなかったんですけど、今は「帰ってきたな」と安心しますね（笑）。「ただいま！」って感じです。
最初の頃は違和感があったでしょうね（笑）。
なかなかないですからね、ウィッグ被ったらダサくなるって（笑）。
『おそ松さん on STAGE〜SIX MEN'S SHOW TIME 3〜』（以下、舞台『おそ松さん３』）の上演が決定しましたが、今のお気持ちは？
楽しみです。ホントにずっと楽しみにしていました。僕はあの兄弟たちが大好きなので、みんなで一緒に、真面目にふざけられるのが楽しみで仕方ないです。
今回はF6も一緒ですね。
そうですね。向こうもライブをやってパワーアップしたと思うので、掛け算になればいいなと思っています。
喜劇『おそ松さん』を振り返っていただきたいのですが、柏木さんにとってどんな舞台でしたか？
なかなか怖いチャレンジでした。演出の小野（真一）さんに、「喜劇は“コメディ”じゃない、喜劇というジャンルだから」と言われ、僕は勉強のために吉本新喜劇を観に行ったんですよ。
コメディと喜劇の違いというのは……？
たぶんですけど、コメディって必ずしも笑わせなくていいものだと思うんですよね。でも喜劇は「笑ってください！」と謳ってるわけで、お客さんを必ず笑わせなきゃいけない。だから、そこに対するプレッシャーはすごくありましたね。

1日に3公演やった日に、演出の小野（真一）さんに僕だけこっそり呼び出されて、劇場に入ったんです。みんなは休憩してる中、僕だけが劇場に入って、何を言われるのかと思えば「この襖（ふすま）、どうやったら外れるんだ？」「役者たちには内緒にしておいてほしいんだけど、本番のここのシーンで外してくれない？」と。
襖が外れたシーン、アドリブかハプニングかどっちなんだろうと思っていましたが。
あれは演出だったんです。役者たちのリアルな反応が観たいから、ほかのキャストには内緒だぞ、と。実際、舞台上でどんなアクシデントが起こっても、（チョロ松役の）植田圭輔がなんとかしてくれるだろうという安心感があったので（笑）。
襖を外したとき、みなさんどんな反応でしたか？
めちゃめちゃ笑っていましたよ。

小野さんが3公演あった日にわざわざその演出をしたのにも理由があって。3公演目って、めっちゃしんどいんです、体力的に。でもそういうイレギュラーなことが起こると、役者たちって燃えるんですよね。「この場をなんとかしなきゃいけない！」って。それで提案してくださったんだと思います。
なるほど……！
小野さんは、僕らでうまく遊んでくれているなって。それは信頼関係が構築されているからこそだと思いますし、喜劇『おそ松さん』でみんなの絆がさらに深まりましたね。

植ちゃん家に集まって、喜劇のDVDを6つ子で鑑賞

カラ松にもたくさん笑わせてもらいましたが、その身体性が素晴らしいですよね。ダメージジーンズのシーン、体の柔らかさに吹き出しました。
ははは、でも僕、体硬いほうなんですよ。

ダメージジーンズのシーンは、僕もやっていて楽しかったです。（おそ松役・高崎）翔太や植ちゃんがイジってくれるので。
トト子（演／出口亜梨沙）のパートナーに選ばれ、ふたりでキャッキャしてるシーンも可愛かったです。
ははは、浮かれているヤツですね。あれも急に、トト子が舞台上でビターって寝るようになってビックリしたんですよ。急にペタッとなったから僕もペタッとなって、とりあえず泳ぐという（笑）。

終わったあとで、「今までやっていた動きと急に変えてきたのはどうして？」と聞いたら、「演出家の小野さんと話して、こうやってみてって言われて。でも柏木くんには言わなくていい、たぶん合わせてくれるから」と。
またしても小野さんが仕掛け人だった！
僕らは常に試されているってことなんですよ。何かが起こったらそれに対応していかないといけないというプレッシャーと戦ってました。でもね、その緊張感が何より楽しいんです。
喜劇が終わったあと、キャスト同士で振り返ったりしましたか？
6つ子の誰かの誕生会だったと思うんですけど、植ちゃんの家に集まったことがあって、そのときにBGM感覚でDVDを流したんですよ。そしたらみんなつい観ちゃう。「ここのシーンさぁ」って話し出したり、爆笑したり。
第1弾からの経験を経て、自信がついた部分や成長したと感じる部分はありますか？
自分の成長って、自分じゃあんまりわかんないんですよね。でもひとつ、もしかしたら、成長したのかなと思うのは、恥ずかしさがなくなったこと。

第1弾だったらキラキラのタンクトップ、第2弾だったらじょし松さん、喜劇だったらダメージジーンズ、というか、ほぼお尻を見せたりしたんですけど。おかげさまで、人前で「これは恥ずかしいから照れちゃう」と思うことがなくなりましたね。吹っ切れることを学びました。
舞台『おそ松さん３』、チケットがすでに完売。千秋楽にライブビューイングが決定しています。高崎さんいわく、ライブビューイングの見どころは「カラ松の表情」だそうです。
何でだろう？（笑）
どんなに大きな舞台でも、カラ松は表情の細かいところまで手を抜かないから、と。
はははは。嬉しいですね、頑張ります。

第1弾のときに僕がひたすら決めゼリフを言う回があって。そのとき僕は何も意識していなかったんですけど、偶然にも全部カメラ目線だったんです。スゴくないですか？
奇跡ですね（笑）。
「コイツ、カメラ見えてんの!?」って、翔太も驚いていたみたいで。僕はただ前を向いてしゃべっていただけなんですけど、全部カメラ目線だったという。自分でも奇跡だったと思います（笑）。

6つ子の取り扱い説明書

柏木佑介（かしわぎ・ゆうすけ）
1989年10月17日生まれ。神奈川県出身。B型。主な出演作品は、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ（不知火匡役）、舞台『BROTHERS CONFLICT』シリーズ（朝日奈侑介役）、舞台『黒薔薇アリス』（玲二役）、『誰ガ為のアルケミスト 舞台版「聖石の追憶」〜闇ヲ見つめる者〜』（クウザ役）など。

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作品情報

『おそ松さん on STAGE〜SIX MEN'S SHOW TIME 3〜』
https://osomatsusan-stage.com/

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