ストリーミング業界に新たな強者!「Disney+」のラインナップが発表された/[c]The Walt Disney Company/Image Group LA

写真拡大

8月23日、ロサンゼルス近郊のアナハイムコンベンションセンターで行われたディズニーのファン向けコンベンションD23の目玉は、11月12日(火)より米国・カナダ・オランダ、そして翌週にはオーストラリアとニュージーランドで配信を開始するサブスクリプションサービス、「Disney+」のラインナップ発表。日本では今年3月よりディズニーの公式動画サイト「Disney DELUXE」が始動しているが、日本でのサービス開始については現時点では発表されていない。

【写真を見る】新生「ハイスクール・ミュージカル」でド派手に始まったDisney+ラインナップ発表<写真13点>/[c]The Walt Disney Company/Image Group LA

すでに世界190か国で1億5千万の加入者を持つNetflixの成功モデルを踏襲し、Disney+もオリジナル作品を充実させる。アナリストによると、ディズニーを支えるコアファンはすでに映画やドラマは鑑賞済み、ソフトも購入済みなのでDisney+でしか観られないコンテンツは必要不可欠で、今後製作される劇場用映画やディズニーチャンネル用コンテンツとどうすみ分けていくかが鍵となる、とされている。11月12日の配信開始時には、「ハイスクール・ミュージカル」新作ドラマ、『101匹わんちゃん』(61)の実写化映画、「スター・ウォーズ」のスピンオフドラマシリーズ『The Mandalorian(原題)』、アナ・ケンドリック主演のホリデーシーズン映画『Noelle(原題)』、今年買収が成立した20世紀フォックスのコンテンツからは、「ザ・シンプソンズ」の30シーズン分を配信する。ドラマシリーズや新作は毎週配信開始で、NetflixやAmazon、Huluなどが採用する全話一挙配信制ではない。Pixarやマーベル・スタジオの作品も多数発表されたが、それらは来春以降の配信になる予定。

Disney+は単独で月額6.99ドル(約740円)、そしてディズニー傘下のナショナル・ジオグラフィック・チャンネル(自然、ドキュメンタリー)とESPN(スポーツ)とDisney+のセット価格が12.99ドル(約1380円)だ。Netflixの同様のプランであるプレミアムプランは、同時に4つのデバイスで4K画質視聴可能、15.99ドル(約1700円)となり、それよりも3ドル安い。この値段設定に関しては、ディズニーCEOのボブ・アイガーが、「開局当初はNetflixよりもライブラリー数が少ないため、金額をおさえるのは当然だ」といった発言をしており、今後ライブラリーの拡充と共に値上げされる可能性もある。だが、先日のD23の期間中の特別プロモーションとして、当日に3年間の加入予約を行なったメンバーに対し、年額69.99ドル(約7400円)から23ドル(約2400円)引き(3年間に換算すると約33%オフ)のプランを提供した。このプロモーションによって、月額4ドル(約420円)以下でDisney+を楽しめることになり、会場ではサインアップに長蛇の列ができていた。

Disney +以外のストリーミングサービスとしては、Appleが手がける動画ストリーミングApple TV+(ディズニーとアップル、どちらもプラスで紛らわしいが…)の開始を控えている。正式なアナウンスはまだだが、Disney+と同じ11月にサービス開始、月額9.99ドル(約1060円)と言われている。9月11日(水)に、サンフランシスコでiPhone発表イベントを行う際、なんらかのアナウンスがあるとみられている。ちなみにApple TV +はもちろんのこと、Netflix、Hulu、Amazon及びDisney+もApple TVから接続することができるので、11月にはストリーミング5強が画面に並ぶという画を見ることができるかもしれない。Apple TV +のコンテンツについては既報の通りだが、NetflixとDisney+の間をとり、若干ファミリー層向けといったラインナップだ。

来年になると、ワーナーとHBOのストリーミングサービスHBO Maxが始動する。Netflixユーザーが好んで観ているコンテンツの上位に来ると言われているドラマ「FRIENDS」全話はこちらにお引越し。HBOはドラマ制作に定評があり、「セックス・アンド・ザ・シティ」や「ゲーム・オブ・スローンズ」を世界的ヒットに導き、現在放映中の「チェルノブイリ」は批評家からも視聴者からも高い評価を得ている。また、NBCユニバーサルもストリーミングサービスを準備中で、Netflixで一番観られていると言われる「The Office」はこちらにお引越しすることになる。

では果たして、先発Netflixのとる手は?と言うと、コンテンツのさらなる拡充以外ない。D23の2日目、ディズニースタジオの今冬以降の映画ラインナップが発表され、「スターウォーズ」の話題などでツイッターが盛り上がる中、Netflixは「エル・カミノ:ア・ブレイキング・バッド・ムービー」の予告編とポスター画像、そして10月11日(金)全世界配信開始という驚愕の告知をぶっこんできた。その瞬間、ツイッターのアメリカのトレンドは「ブレイキング・バッド」一色になり、ディズニーのラインナップ発表のニュースがかき消されてしまった。マーケティング的に、このタイミングをねらっていたとしか思えない鮮やかな宣戦布告だった。果たして、アメリカのエンタメ業界を揺るがすストリーミング戦争の勝者となるのはどのサービスだろうか? 視聴者の視点から言うと、家にいながらしてこれだけたくさんの映画やドラマを観ることができるようになるなんて、なんといい時代になったことか…。(Movie Walker・取材・文/平井伊都子)