U-22メキシコ代表戦でフル出場し、存在感を見せた齊藤。写真:林 遼平

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 ピッチを縦横無尽に走り回り、相手のボールを掻っさらっては前にボールを運ぶ。3月の東京五輪1次予選を兼ねたU-23アジア選手権予選以来、U-22日本代表で2度目の招集を受けた齊藤未月は、6日に行なわれたU-22メキシコ代表戦で自身の特徴を遺憾なく発揮した。
 
「今回は“初めての遠征”というイメージでやっていこうと思っている」
 
 6か月前。U-22日本代表に初めて招集された齊藤の評価は間違いなく高かった。それは初戦となったマカオ戦でさっそく先発起用されたことにも現われている。さまざまなタイプが集まるボランチにおいて運動量とボール奪取力に特徴を持つ男が、東京五輪世代の中でも輝けるかはひとつの見どころだった。
 
 だが、初実戦となったマカオ戦でまさかの負傷。前半45分で交代を余儀なくされると、そのまま代表活動からの離脱が決まってしまった。
 
 悔しさの残る初招集から時が過ぎ、5月には主将としてU-20ワールドカップを経験。湘南ではボランチの一角としてレギュラーを担い、今回再び東京五輪世代に戻ってきた。もう一度、この舞台に帰ってきたからこそ、来年に迫る東京五輪に向けたアピールが必要であることは誰よりも分かっている。
 
「ここからメンバーに残って本大会で選ばれるためには、オレの良さを最大限出して、チームに必要なぐらいに突出した存在にならないと選ばれることはないと思っている。そこは今回の遠征でもやっぱり意識してやっていきたい」
 
 迎えたメキシコ戦。14年の国体以来、久々のコンビを組んだ田中碧と共に齊藤はピッチで存在感を発揮した。
 
「やっぱりオレは真ん中にずっといる選手じゃない。動き回ってボールを奪い、前に出て行くのがオレの良さ」と言うように、球際で競り勝ってボールを回収すれば、ルーズボールを拾ったところから前に出てチャンスメイク。ゴールに直結するプレーはできなかったが、標高の高いメキシコで90分間ハードワークを続けた。この働きには横内昭展監督代行も「彼の良さを出してくれた。攻守にタフネスさは健在だなと感じさせてくれた」と賞賛の言葉を送っており、この代表での初のフル出場に確かな手応えを得たのは間違いない。
 
 今回の北中米遠征ではもう1試合、親善試合が残されている。相手はU-22アメリカ代表。力のあるチームとの対戦に向けて、齊藤は臆することなくぶつかっていく覚悟を口にした。
 
「オレとしては相手がより強い相手の方がやりやすいタイプ。相手があんまり強くないと、正直オレの良さは全然出ない。そういう意味では今日のメキシコやアメリカは自分にとってすごくいい相手。次の試合ではもっと動き回って、欲を言えばゴールに直結するようなプレーもそうだし、最後に身体を張るようなプレーを出せればと思う」
 
 東京五輪まで残すところ1年を切った。一つひとつの遠征でいかに結果を残せるか。それこそがサバイバルを勝ち抜くための重要なファクターとなる。どんな時でも強気な姿勢を崩さない齊藤は、チームを勝利に導くパフォーマンスを続けることで誰からも必要とされる存在となっていく。
 
取材・文●林 遼平(フリーライター)