パラグアイ戦は中島の中に入る動きが効いていた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 パラグアイ戦は2-0で勝利し、ワールドカップ・2次予選に向けて、弾みのつくゲームになった。

 目立ったのは、大迫勇也、南野拓実、堂安律、中島翔哉の連携の良さ、ゴールに至るまでのプロセスだ。
 
 森保一監督のチーム発足時から、レギュラーとしてプレーしてきた4人の連係は、欧州での経験値にプラスして、個人技と個人戦術が上がってきたなかで、さらに洗練され、鋭さを増している。
 
 今回のゴールシーンも中央で中島、堂安がシンプルにつないで左サイドの長友に展開し、ミスキックでコースが変わった難しいボールを大迫が決めた。南野の得点もまた然り。中央で中島らがタメを作り、絶妙のタイミングで上がってきた酒井宏樹が素晴らしいクロスを入れた時点で、南野のゴールは決まったようなものだった。
 
 中央に相手の意識と守備を集中させて、スペースが空いたサイドに展開し、決定機を作って決める。理想的な展開が出来たのは中島の動きが効いていたからだろう。中島が中に入ってくるプレーを続けていたことで相手の意識が彼に集中し、サイドががら空きになった。自分をおとりにしてサイドに展開する。中島の視野の広さと戦術眼は相当に質が高い。これから始まる2次予選の相手は守備のブロックを敷いてくるので、中島を軸に内から外、外から内へと揺さぶりをかけてコンビネーションで崩していくのは、非常に有効だ。
 
 守備の意識も非常に高くなっており、橋本拳人がスペースを埋め、また中島や堂安が自陣まで猛ダッシュで戻るなど、個々の守備の意識が格段に上がっていた。
 
 前半は、緊張感もあり、内容的にも良かったが、後半はパラグアイの選手も日本の選手も疲れが見えはじめ、動きが落ちた。そういうなかで、久保建英らフレッシュな選手が違いを見せてゴールを決める、あるいはセットプレーからしっかり決めるなど、追加点を取ってゲームを終わらせてほしかった。
 
 ミャンマーとは54年ぶりに敵地で対戦することになるが、決して簡単なゲームにはならないだろう。ミャンマーは今、雨期で気温は30度前後だが、湿度が非常に高く、グラウンドは、県立カシマサッカースタジアムほど整ってはいない。東南アジア特有の草のピッチで、雨が降れば重馬場になる可能性が高い。そのようなピッチで、この日見せたような華麗なパスワークで打開していくのは難しいだろう。
 
 しかも、初戦である。前回、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が指揮を執っていた際、2次予選の初戦はホームでシンガポールを迎えた。岡崎慎司、香川真司、本田圭佑らを擁した日本は相手の必死な守りに苦戦し、結局スコアレスドローに終わった。この時、ワールドカップ・予選のスタートで格下相手に無得点に封じられ、このメンバーでもホームで勝てないのかという落胆した空気が漂い、同時に激しいブーイングが起きた。
 
 今回も絶対に勝たなければならないというプレッシャーがあるなかで、ミャンマーを相手に失点をゼロに抑え、勝点3を取らなければならない。だが、相手も日本相手にジャイアントキリングを起こそうと死にも狂いで戦うだろうし、ピッチコンディションなどの環境も影響して、苦戦を強いられる可能性は十分にある。ただ、そういった状況をはねのけて、勝っていかないと、カタール・ワールドカップでベスト8という目標はもちろん、最終予選で力のある相手がひしめく中、予選を突破することも難しくなる。
 
 日本は早い時間帯に先制点を奪うことができれば、落ち着いたゲーム運びができる。だが、チャンスを作れても点を奪えず、前半をスコアレスで折り返すことになると相手に勢いを与えることになる。
 
 また、格下相手に「いつかは点が取れる」と思っていると、その「いつか」に流され、結局は点が取れないままゲームが終わってしまうことがよくある。シンガポール戦が、まさにそうだったが、その空気に流されないことだ。
 
 親善試合とアジア予選はまったくの別モノ。
 
 前回のシンガポール戦を経験している吉田麻也や柴崎岳が、アジア予選を知らない中島、堂安、南野らにその難しさを伝え、同じ緊張感のなかで戦えるか。しっかりとネジを巻いてミャンマー戦に備え、勝点3を獲得して好スタートを切ってほしいと願う。
 
取材・文●佐藤俊(スポーツライター)

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