積極的なドリブルは好印象。成功率も低くなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[キリンチャレンジカップ]日本2-0パラグアイ/9月5日/県立カシマサッカースタジアム
 
 日本の若きクラッキから感じられたのは、得点への強い意欲だった。

 パラグアイ戦で後半のはじめから途中出場した久保建英は、右サイドハーフに入ると、果敢に仕掛けてゴールに迫った。惜しくも無得点に終わったものの、その一挙手一投足でスタジアムを沸かせ、小さくないインパクトを残した。
 
 際立っていたのが、巧みなドリブル技術だ。切れ味鋭いカットインで敵陣を切り裂き、しなやかなボールキープで攻撃のリズムを作った。

 特にDFふたりを鮮やかにかわした62分のドリブルは圧巻。対峙したパラグアイのDFはもはやファウルで止めるのが精一杯だった。

 そのアグレッシブな姿勢は、「状況が状況というか、シーソーゲームになりかけていたし、当然自分だけじゃなくて、相手にもチャンスが回ってきていたので、チャンスを逃すわけにはいかない。どんどん積極的にいこうかなと思っていました」という本人のコメントからも分かるだろう。
 
 また以下はこの日の久保のプレーデータだが、このドリブル回数からも積極的な姿勢と、その精度がうかがえる。
 
【久保建英|パラグアイ戦プレーデータ】
 
出場時間:45分(途中出場)
プレー回数:35回
 
シュート本数:5本(うちFK2本)
枠内率:20.0%(枠内1本/5本)
 
パス本数:21本(うちCK1本)
パス成功率:57.1%(12本/21本)
 
ドリブル回数:7回
ドリブル成功率:71.4%(5回/7回)※ファウルで止められた回数も含む
 
 ただし一方で、このデータから読み取れるのは、フィニッシュ精度の低さだ。5本のシュートのうち枠に飛ばしたのはわずか1本。それもFKによるものである。58分に原口元気からのクロスをダイレクトで合わせたが、これはDFがブロック。69分にDFの背後を突いて素早いターンから左足を振り抜いたものの、クロスバーを直撃。73分にはDFのタイミングを外して放ったが枠を捉えず。流れのなかで打った3本のシュートはいずれも枠を捉えられなかった。
 
「打ったからには全部決めないといけない。入っていないことがすべてなので」と久保自身が悔やんでいるように、課題は決定率にあると言える。
 
 さらに、75分過ぎから急激にトーンダウンしたのも気掛かりだ。それまではシュート5本、ドリブル6回というデータにもゴールに向かう強気なスタンスが表われていた。しかも65分にはDFを欺く鮮やかなヒールパスを冨安健洋へとつなぐなど、ちょっとした遊び心まで見せていた。
 
 ところが、以下の75分で区切ったデータを見ると分かるように、明らかに終盤にかけてペースが落ちている。
 
【46分〜75分まで → 76分以降】
シュート本数:5本(うちFK2本) → 0本
枠内率:20.0%(枠内1本/5本) → 0%
 
パス本数:12本(うちCK1本) → 9本
成功率:58.3%(7本/12本) → 55.6%(5本/9本)
 
ドリブル回数:6回 → 1回
成功率:83.3%(5回/6回) → 0%(0回/1回)
 
 チームメイトの疲労の蓄積やメンバーの変更など、原因はひとつではないだろう。随所で上質なテクニックを垣間見せた久保も、意外にもこうしたペース配分が今後のテーマに挙げられるかもしれない。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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