スタメンが予想される南野。果たして、南米の強豪を相手にどのようなプレーを見せるだろうか。写真:徳原隆元

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 DF吉田麻也(サウサンプトン)は若手とのオフ・ザ・ピッチでのやりとりの一端をこう明かした。
「今回は海外に行ったばかりの選手が多い。代表とクラブの往復による時差、気候の変化、移動の疲れ…そういうことを聞かれますね」

 今夏、新たに海を渡ったのはMF久保建英(マジョルカ)、DF安西幸輝(ポルティモネンセ)、GKシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)の3人。一方、海外での新天地を求めたのはMF堂安律(PSV)やDF冨安健洋(ボローニャ)ら5人もいる。多くの選手が初めてのワールドカップ・アジア予選を迎えるなか、彼らはピッチ外でも細心の注意を払わないといけない。だからこそ、MF南野拓実(ザルツブルク)に懸かる期待は大きい。
 
「個人的なコンディションは悪くありません。チームも良いし、フィットしています」
 
 戦いの地をオーストリアに移して5シーズン目。19〜20年シーズン開幕のオーストリア杯・パルンドルフ戦でチームの今季1号となる先制点を挙げると、リーグ戦でも好調をキープした。開幕ラピド・ウィーン戦から公式戦3戦連発を成し遂げ、公式戦6試合で4得点・4アシスト。日本代表合宿直前のチロル戦は出場しなかったが、レギュラーとしてチームの公式戦7連勝スタートの原動力となった。
 
 相手に身体をぶつけられてもキープできる力強さや前への推進力。自身のプレーの仕方やチームでの役割に迷いはなく、ザルツブルク在籍歴では最高に近いスタートダッシュを切った。新しい刺激を入れて成長を促すのも一手だが、1クラブに留まりながら磨きを掛けていくのも方策のひとつ。「欧州CLに出られるのは魅力的でした」というように、自身初となる欧州最高峰の舞台で戦えることは“ステップアップ”とも言える。そんな確立されたルーティンは、代表合流へ向けたコンディション調整や時差調整などの面においてもアドバンテージになるはずだ。
 
「個人的には大歓迎。チームの底上げになりますから。どこのポジションも競争は激しい。その中で貢献していきたい」
 
 森保ジャパンにおいて、南野の主戦場はトップ下。東京五輪組が多かった南米選手権を除けば、森保ジャパン発足後は16試合を行なっており、うち15試合に出場してきた。そして今回、自分と同じポジションには18歳の新鋭・久保がいる。だが下からの突き上げは成長の糧。南野は自信を見せる。
 
「パラグアイ戦はミャンマー戦につながる試合になる。隙を作らず、隙を突く。ずるがしこさとはそういうとこであって、レベルの高いチームは突いてくる」
 
 ちょうど1年前。森保ジャパン初陣のコスタリカ戦で“実質的な”チーム1号を決めたのは南野だった(実際は16分のオウンゴール)。世代交代を加速させた。今回はカタール・ワールドカップ・アジア予選に臨むチームに勢いをもたらせるか。クラブと同じように、背番号9には目に見える数字が求められる。
 
取材・文●飯間 健