北朝鮮の久保建英?ユーヴェ加入のハン・グァンソン、なぜイタリアへ来たのか

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イタリア・セリエAのユヴェントスは、2日に北朝鮮代表FWハン・グァンソンを獲得したことを発表した。

ハン・グァンソンは1998年生まれの20歳。今月11日には21歳の誕生日を迎える。

2014年にはAFC U-16選手権のメンバーとして大会に臨み、決勝トーナメントではイラン、オーストラリア、そして韓国を破って優勝を果たしているアタッカーだ。

18歳で北朝鮮からイタリアへと渡り、トライアル経由で入団したカリアリの下部組織で育成された。2016-17シーズンには早くもセリエAデビューを果たし、いきなり初ゴールも達成している。

そして2017-18シーズンに貸し出されたセリエBのペルージャではいきなりハットトリックを決めるなど大活躍を見せた。

その後は一度カリアリに戻っていたが、昨季は再びペルージャでセリエBを戦い、膝の怪我に苦しみつつも19試合で4ゴールを決めている。

ユヴェントスは2018年1月からハン・グァンソンの獲得に臨んでいたと伝えられており、それから18ヶ月もの時間が経ってからようやくの契約締結となった。

カリアリ、ユヴェントスの両クラブから条件は公表されていないが、メディアによれば移籍金は500万ユーロ(およそ5.8億円)程度になったという。

まず彼はリザーブチームにあたるU-23のカテゴリでプレーすることになるということで、まさに久保建英(彼は結局マジョルカに貸し出されたが…)のような立場である。

ハン・グァンソンがイタリアに来たきっかけは、2016年に設立されたISMアカデミー。ペルージャに拠点を置くこの育成機関は北朝鮮サッカー協会と独占的な関係を持っている。

ISMアカデミーは毎年スカウトがピョンヤンへと向かって選手を探しており、同国唯一の海外へのパイプとなっている。

多くの同胞とともに入学したハン・グァンソンは、マンチェスター・シティやフィオレンティーナからも関心を受けていたものの、最終的にはカリアリを選択した。

入団した際には「両足ともに優れており、ドリブルと視野にも高い能力を持つ。ほぼパーフェクトな選手だ」と評価されていた。

身長は178cmとそれほど大柄ではないものの、アタッカーとして必要とされている能力を数多く備えている。

自らスペースへと運んでいくドリブル、一対一での仕掛け、両足からも頭からもシュートが打てるセンス。さらに豊かなスピードと運動量まで特徴である。

今夏のマーケットではスイスのFCシオン、スペインのバレンシアCFからも獲得のオファーがあったと言われており、一説には後者が提示したのは1000万ユーロ(およそ11.6億円)であったとか。

なお、同じハン・グァンソンとともにISMアカデミーから輩出された選手として知られるのはチェ・ソンヒョク。彼はイタリアで大きな問題に直面した。

彼はフィオレンティーナに加入したものの給与が大半北朝鮮に流れているのではないかという疑惑を持たれ、最終的には退団を余儀なくされている。

そう、北朝鮮の選手にとって問題となるのはむしろ給与の行き先なのだ。

もし選手の銀行口座が実質的に政府によって管理され、お金が北朝鮮へと渡っているとすれば、これは国際的制裁の違反となる不正送金である。

ハン・グァンソンの才能には疑いがない。技術とスピードと得点能力を兼ね備えたアタッカーであり、イタリアで結果を残しているという実績も持つ。あとは政治的なものに巻き込まれることがなければ…。