舞洲に拠点を置く3つのプロチーム、大阪エヴェッサ、オリックス・バファローズ、セレッソ大阪のそれぞれとスポンサーシップ契約を結んでいる唯一の企業をご存知でしょうか?それが、株式会社カスタマーリレーションテレマーケティング(以下CRTM)です。

CRTMでは、社員がクラブチームとのスポンサーイベントに積極的に関わることで、様々な経験の場を創り出しています。「スポンサーシップが会社にとってプラスのインパクトを与えてくれていることは間違いありません」と話すのは、同社の創業者である小林祐樹さんです。

最前線で活躍している小林さん自身のスポーツへの思いや、スポンサーシップアクティベーションの意義についてお伺いしました。

 

TV局の仕事から芽生えたスポーツへの思い

−スポーツを「する」側としては、小林さん自身はこれまでスポーツとどのように関わってきたのでしょうか。

私はもともとバスケットボールをやっていました。兄がやっていましたし、当時はスラムダンクが流行っていて。見るのもやるのも好きでしたね。プレー自体は中学生くらいまでで、今は見る方が中心になっています。

 

−「する」側から、今は「支える」側としてスポーツに関わっておられます。舞洲の3チームとのスポンサーシップ契約以前に、ビジネスにおいてスポーツと関わることはあったのでしょうか。

私は、好きなことは趣味にすべきだとずっと思っていました。そのため事業としてスポーツで何かやろうとは正直思ったことはありませんでしたね。趣味感覚でやっていけるほど、スポーツ界は甘い世界ではないと思っています。

 

−それでも、スポーツに関わりたいという思いがあったと。

もともと、とある総合スポーツ報道番組のアシスタントディレクターをやっていました。そのこともありましたし、スポーツを見ることは自分にとってすごく楽しいことで。スポーツには、人を一体にするエネルギーがあって、素晴らしいな、と。どこかでこの世界に関わりたいという思いは強く持っていました。

 

−スポーツ番組とは言えども、アシスタントディレクターの仕事は、実際のスポーツ業界の仕事とは少し異なる部分がありますよね。その仕事を通じて、スポーツに関わりたいと思ったきっかけはどこにあったのでしょうか。

スポーツの世界に“支える”側として触れたのはその時が初めてでした。いちファンから、裏方で支える側に回るという感じでしたね。スポーツ選手と会えたのも、この時が初めてくらいで。今までは憧れで遠い存在だったのが、いざ会ってみると、本当に普通の人でした(笑)。ですが自分が見て楽しんできたスポーツの裏側を知ったことで、そこに関わりたいという思いがより一層芽生えました。

 

−そこから、どのようにして今の仕事に就いたのでしょうか。

当時、やりがいこそは感じていたものの、アシスタントディレクターという仕事に辛さを感じていたため、逃げるように会社をやめました。それでも、スポーツへの思いは諦められなくて、今度はライターとしてやっていきたいなと。

2004年のアテネオリンピックの時に、テレビ局で原稿を書くアルバイトの募集があって応募をしました。私はバスケットボールやメジャーリーグなど、アメリカでメジャーなスポーツに強かったこともあって、そのアルバイトに受かりました。英語を聞いて、翻訳して、ナレーション原稿を書くという仕事です。そんな仕事を2ヶ月くらいやったものの、それでずっと食べていくことはできないと。

そのため、ライターの仕事をしているときに掛け持ちでできる仕事を探していました。そこでたまたま見つけたのが、コールセンターのオペレーターのアルバイトでした。シフトが自由で、好きな時間に出社できるという。

いざやってみると、ライターよりもオペレーターの仕事の方が才能はあって(笑)。オペレーターという仕事に魅力も感じました。そこから独立を決意して、CRTMの起業に至りました。

大阪・舞洲の3つのプロチームのスポンサーへ

−スポーツチームのスポンサーになろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

 

ちょうどBリーグができて、注目が集まっていたタイミングで大阪エヴェッサからスポンサーについて声をかけていただきました。それがきっかけでしたね。

 

実は最初のうちは、スポンサーになろうなんて思ってもいませんでした。私たちの会社は、自分たちの商品を持って、それをPRしていくというビジネス構造ではありません。そこが自社プロダクトがある企業とは違います。スポンサーシップを利用しても自分たちの商品の価値を高めることはできないので、スポンサーになることにメリットがあるとは思っていませんでした。

 

−それでも、大阪エヴェッサら話をもらった後、スポンサーになろうと決意されました。何をスポンサーになるメリットとして捉えたのでしょうか。

 

今の私たちのビジネスで、一番ボトルネックとなっているのは採用です。プロスポーツはたくさんの人に注目されるので、スポンサーになることで会社の認知度を上げられるのではないかと。スポーツが持つ集客力を、採用に活かすことができるのではないかと考えました。

 

とはいえ最初はスポンサーの話をいただいて、純粋にやってみたいという思いが強かったので話を受けたというのはあります(笑)。

 

−大阪エヴェッサ以外からも、スポンサーのお話はもらってていたんですよね。スポンサードするクラブを決める基準として、何にこだわったのでしょうか。

 

徹底的に大阪にこだわりましたね。私たちのビジネスはコミュニケーションありきの商売です。大阪の人は、話すのが上手なんですよ。大阪で業績が上げられているのも、この土地のお陰だと感じています。だからこそ、何か大阪に恩返しができたら、という気持ちが強いです。

 

−大阪エヴェッサに続いて、オリックス・バファローズ、直近ではセレッソ大阪と、どのようにスポンサーシップを拡大していったのでしょうか。

 

大阪エヴェッサの後、まずオリックス・バファローズからお話をもらったんですよね。始まりは、お取引先の企業さんから始球式の話をもらったことでした。私からすると、始球式なんて有名人がやるものという感じで、最初は興味はなかったですけど(笑)。

 

これももしかしたら採用に効くのではないかと思って、始球式の話を引き受けました。会社の社長が始球式をやっていたら、目立つんじゃないかと。

 

これがなんと、私の予想以上に大反響でした。社員もスタッフも喜んでくれたし、採用にも非常に効果がありました。やっぱりプロスポーツ、特にプロ野球の影響力はすごいなと思いましたね。これをきっかけに、オリックス・バファローズともスポンサーシップ契約を結びました。

 

その後、セレッソ大阪からお話をいただきました。セレッソのスポンサーになる上で魅力的だったのは、私たちの会社と同じく女性へのプロモーションにも力を入れていたことです。私たちの会社は、女性活躍にも力をいれており、現場でバリバリ活躍している女性スタッフが多い会社なんです。セレッソはクラブカラーがピンクですし、女性ファンを「セレ女」という形でプロモーションしていて、私たちの会社にとってすごく魅力的でした。