独西部ケルンで開催されたゲーム見本市「ゲームズコム」のドイツ軍のブース(2019年8月21日撮影)。(c)Ina FASSBENDER / AFP

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【AFP=時事】ドイツ西部ケルン(Cologne)で開催されたゲームの見本市で、来場者の注目をひときわ集めたのは軍服に身を包んだ兵士らが配置されたドイツ軍のブースだった。

 ドイツ軍にとってゲーム見本市「ゲームズコム(Gamescom)」は、コンピューターに詳しい若者を勧誘する場だ。自動車メーカーやソフトウエア開発企業、工科大学などのブースが無数に並ぶ中、ドイツ軍ブースはヘリコプターのシミュレーターや超高速ゲームなどを展示していた。

 ドイツ国旗の色をしたキーボード風のロゴがあしらわれた「サイバー作戦センター」の看板の下では、「ドイツ軍サイバー部隊」の勧誘が行われていた。

「われわれはITに強い人を求めているが、まさにコンピューター好きがやって来ている」と、通信担当将校のニルス・フェルトホフ(Nils Feldhoff)氏がAFPに話した。

 ゲームズコムのドイツ軍ブースには若いゲーマーがたくさん訪れては、軍のフライト・シミュレーターや対戦型ゲームに挑戦していた。だが、軍の担当者は、現実の軍の中の世界と暴力的な軍事ゲームとの違いを詳しく説明することに気を配っていた。

「われわれには明確な教育上の目的がある。興味を持つ若者たちに、現実はゲームではないと説明し、バーチャルなゲームと現実とを厳格に区別しようとしている」。ゲーマーが「武器に興味があるから兵士になりたいというのでは、理由としては不十分だ」とフェルトホフ氏は話した。

 ドイツでは2011年に徴兵制度が廃止され、軍は積極的に新兵を勧誘しなければならなくなった。だが、将来起こり得るサイバー戦争に求められるIT分野に詳しい人材をなかなか発掘できずにいる。

■警戒するゲーマーも

 軍のブースにはひっきりなしに人が訪れていたが、ブースに近寄ろうとせず、勧誘に否定的な見方をする人もいた。

「正直言って、この国のハッカーの中には情報機関のすぐ横で、軍の人間と一緒に座って自分のスキルを見せびらかすようなばかはいないと思う」と、ある男性来場者(20)は話した。男性の目は、近くにあるドイツ情報機関のブースに向いていたが、そのブースもあの手この手でITマニアを引き付けようとしていた。

 弁護士で時々ゲームを楽しむという男性(34)は、自分たちの世代はインターネットの自由を支持していると話す。「情報機関を目にすると、管理されると考えてしまう」「近寄らない方が無難だ」

【翻訳編集】AFPBB News