マジシャン志村祥瑚が提言「フォーカス」で変わるアスリートのパフォーマンス

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医師でマジシャンの志村祥瑚が、8月31日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20〜)にゲスト出演。選手のパフォーマンスを上げるための“ミスディレクション”と“フォーカス(焦点)”について解説した。

2017年、志村は新体操女子日本代表フェアリージャパンのメンタルスタッフとしてチームをサポート。すると同年に開催された世界選手権で42年ぶりとなる個人・団体ともに銅メダルを獲得。さらに今年のワールドカップでは強豪国を破り優勝するなど、チームの躍進を支えている。

フェアリージャパンでトレーニングを行う際、重要視しているのが「フォーカス(焦点)」。「“失敗してはいけない”という思い込みを変えるだけで失敗を恐れずにチャレンジできるようになる」と言い、ミスディレクション(人々の注意をそらすことで、本来見るべきものを隠すことができるテクニック)を、マジックを用いて視覚的にわかりやすく説明することで、自分のフォーカスをコントロールできるようにトレーニングしているという。

また、志村は「例えば、レギュラーから外されたら終わりと考えていると、練習していても常に緊張することになる」と助言。緊張は、損失に目を向けることで起きるとわかっており、これを損失回避の法則というのだとか。「金メダルを獲りたい」という気持ちは大事だが、その思いが強すぎると、同時に「獲れなかったらどうしよう」という方に目が向いてしまう。サッカーのPKなら「もし外してしまったら」「右か? 左か?」などと考えるのは、「蹴ること」以外に自身をミスディレクションしている状態で、その瞬間に合わせた正しい内容にフォーカスすることが成功に繋がっていくという。

しかし、本当にそれだけで良い結果に結びつくのか? 今回、ブレインスカウター・サトミキこと佐藤美希が、志村のフォーカス理論を実証するべく調査。「現場では緊張して空回りしがち」というサトミキだが、志村は「今日紹介するメンタルトレーニングを使えば日常生活でも平常心で取り組むことが出来るようになる」と自信を見せる。

この日の実験は、サッカー経験の浅いサトミキが、シチュエーションを変えてフットサルサイズのゴールに向かってボールを蹴るという一見すると簡単なもの。最初は難なくボールをゴール中央に蹴り込んでいたサトミキだが、そこにカラーコーンを設置しただけで緊張を示し、ゴールから大きく外してしまう。これはフォーカスが「外したらどうしよう」という方に傾いたためだという。

しかし、フォーカスを変えることで、この緊張を感じることなく本来のパフォーマンスを発揮できるようになる。フェアリージャパンのトレーニングでは、バトンなどを空中に投げた際、5カウントすることでキャッチミスを大幅に減少させた。この場合は演技ではなく数を数えることにフォーカスを向けることで緊張の緩和に繋げているのだとか。サトミキも5カウントしながら再チャレンジすると、ゴールへ向かって真っ直ぐボールを蹴ることに成功していた。

そしてスタジオで「絶対に決められる場面で失敗してしまうのはどうして?」と質問が飛ぶと、志村は「過去の失敗や未来の不安にフォーカスが向いており、自身を間違った方向にミスディレクションしている。その瞬間にフォーカスを向けるように戻さなくてはならない」と解説。思い込みを理解してフォーカスを変えることで良い結果に繋がる可能性を高められると説いた。

志村の話を聞いた番組アナリストの都並敏史は、「サッカーの世界にもどんどん取り入れていくべき分野。まだまだ先に進んでいるスポーツがあるのですね」と感心していた。