ジョーンズさん(左)の指導で盆栽を作る外国人参加者(30日、さいたま市で)

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 さいたま市の大宮盆栽美術館は30日、外国人向けの盆栽のワークショップ(講座)を初めて開いた。「さいたま国際盆栽アカデミー」と銘打った体験講座で、シンガポールや英国出身の外国人3人が参加。館内に展示されている盆栽を見学した他、鑑賞方法や盆栽の歴史の学習、クロマツの苗木の剪定(せんてい)、植え替えに挑戦した。

 米国出身で、茨城県阿見町で外国人向けの盆栽講座や輸出を手掛ける「Tree House Bonsai」代表のアダム・ジョーンズさん(36)が講師を務めた。鉢に合わせた植え替えや枝振りの整え方のこつを教えた。

 シンガポールから来て東京都新宿区に長期滞在するケルビン・チュアイさん(47)は、盆栽に関心を持ち、サボテンなどを盆栽風に仕立てて楽しんでいる。講座を受講したチュアイさんは「美しく作る方法が分かった。盆栽が一層好きになり、勉強になった」と喜んだ。

 美術館は世界初の公設の盆栽美術館として、2010年に開館。講座は世界的な盆栽ブームで、外国人来館者が増えていることから企画した。美術館の五味貴成主任は「ワークショップを通じ、現地で盆栽の魅力を発信する他、日本文化の魅力をさらに感じてほしい」と期待する。