メンバーを発表した森保一監督

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 日本代表の森保一監督が30日、都内で記者会見を行い、9月5日のキリンチャレンジカップ・パラグアイ戦(カシマ)と同10日のカタールW杯アジア2次予選・ミャンマー戦(ヤンゴン)に臨む日本代表メンバーを発表した。

以下、森保一監督、関塚隆技術委員長の会見要旨

●関塚隆技術委員長

「森保体制になって1年、アジアカップ、6月のコパ・アメリカ、キリンチャレンジカップを含めて、いろいろな世代での活動を終えて今日を迎えた。今までの育成からサムライブルーまで各世代で強化してきたものをしっかりと束ねて、いよいよW杯に向けた予選が始まる。予選はそう簡単な戦いではないと思う。しっかりと1試合1試合を、チームを成長させながら、目標に向かって戦っていきたいと思う。9月のシリーズもキリンさんの協力を頂いてキリンチャレンジでパラグアイ戦、しっかりと良い準備をしながらアウェーのミャンマー戦に向かっていきたい。W杯予選で良いスタートを切りたいと思うし、そのためにもJFAとしても森保体制をしっかりと支えていきたいと思うので、ご協力、ご支援のほどよろしくお願い致します」

●森保一監督

「9月に行われるカタールW杯アジア2次予選・ミャンマー戦に向けて、キリンチャレンジ杯ではパラグアイという強豪を迎えて、われわれはカシマで良い準備をして、それからアウェーの地ミャンマーに行って、カタールW杯予選にスタートを切っていきたい。ミャンマー戦ではもちろん勝利を目指して戦うということ、チームで意思統一して臨みたい。その前に行われるパラグアイ戦では勝ちにこだわって戦うということ、これまでチームとしてやってきたことを意思統一しつつ、ミャンマー戦に向かってチームとして良い準備をして戦えればと思っている」

――以前、若い選手の比率を増やしたいと言っていたが、手堅い従来のメンバーになったと考えている。顔ぶれの意図は。また就任して1年間のチーム作りの進捗の手応えは。

森保「まずキリンチャレンジ杯とアジア予選を戦うメンバー選考だが、これまで私がA代表の監督をしてきた中でベストのメンバーということで選考させていただいた。以前、メディアの皆さんと話をしていた時、若手が多くなると申し上げたが、選手のコンディション等々のことや現在のクラブの立ち位置を考慮し、メンバー選考をしていく中、いろんな想定で若手が多くなるかもしれないと言った。何パターンあるかわからないが、それらのパターンのうち多くなることも考えていた。9月はA代表と東京五輪代表チームの活動が重なるので、それら2つの代表をA代表のラージグループとしてみた中で、どうやってより多くの日本代表として戦える選手を強化していくかという中で、スタッフと考えながらチーム編成をしてきた。

 進捗状況がどれくらいの速度かは説明しづらいが、確実にチームのレベルアップはできていると思うし、チームの戦い方やコンセプトという部分で戦術の浸透はしてきている。お互いのイメージ、心がつながり合うという部分でも、意思統一は確実に上がってきていている。あとはメディアの皆さんに評価していただければと思っている」

――この夏、多くの選手がヨーロッパに渡ったが、どうやって海外でプレーする選手をチェックいるのか。また現地で試合に絡めていない選手のチームでの立ち位置、日々の活動内容はどのように情報を得ているか。

森保「まずは国内ではなく、海外でヨーロッパを中心とするサッカー大国でプレーしている日本人選手の人数が本当に増えている。質問とは少し違うが、まずはサッカーの世界のマーケットにより多くの日本人が評価されて、その土地でプレーするということ、チャレンジするということは選手たちの努力の賜物だと思う。選手たちのチャレンジを頼もしく思っている。それと同時に選手だけではなく、これは日本の指導者の成果だとも思っている。選手の努力はもちろんあってのことだが、選手を育てている日本の普及、育成、そしてグラスルーツから選手に関わってきた指導者の皆さんが選手たちを世界のサッカーマーケットにのぼるような選手に育てていること。それは日本の育成、そして所属チームの指導者の方々の成果だと思っている。私も日本の指導者の一人として活動しているが、世界で戦える選手を育てていると自信を持って、日本人の指導者の皆さんと世界で戦える選手を育てていければと思っている。

 海外にいる選手のスカウティングでは、8月に5人の代表コーチを現地に派遣して視察をさせてもらった。5人と言っても2人は藤田、坂路の2人は国際委員としてヨーロッパで拠点を持って選手たちの日常を見てもらっている。3人の日本からの指導者、コーチングスタッフに視察ということでヨーロッパに行ってもらった。普段の選手たちのプレーの確認は、2人の国際委員が手分けして現地で試合を見ること、選手とコミュニケーションをとることをやってもらっていて、あとは全ての選手の映像を手に入れることはできないので、毎節選手がプレーする試合をチェックしている。それはランダムなだけでなく、選手をグループ分けして、担当のコーチを決めて、1人が何試合かずつ見ていくことをやっている。国内に関してはJリーグ中心に毎節、各会場をスタッフで手分けして見に行くこと、映像を確認してスカウティングするということをやっている」

――コパ・アメリカに続いて久保選手がメンバー入りしたが、彼に期待する部分は何か。また移籍をしたばかりだが、どういったコンディションだという報告を受けているか。

森保「選考の理由としては6月のキリンチャレンジ杯やコパ・アメリカというレベルの高い大会の中で彼がプレーして、彼自身のプレーのクオリティが代表選手としても戦力になるということで招集した。現在のコンディションは試合だけで見ると十分ではないかもしれないが、レアル・マドリーでプレシーズンマッチに出ている様子はチェックしているし、現在もトレーニングは積めている。少し前の段階では90分のプレーも経験して、コンディションは問題ない。あとはメンタルも充実しているということを考慮して招集した。期待するのはまずは日本のために自分が持っているものを全て出し切ることと、彼自身がもっともっと成長するためにギラギラしたものをチームの活動の中に見せてもらえればと思っている」

――久保選手も堂安選手も、移籍したばかりであえて呼ぶのはチームの立ち位置に影響を及ぼす可能性はあると思うが、その中であえて呼んだ理由は。

森保「まずはコンディションの部分でしっかりチェックをしないといけないし、プレーできる状態なのかどうなのか、パフォーマンスをしっかり発揮できるのかを確認しないといけない。直近の試合は堂安に関しては(試合に出ていない)理由はメディアにもいろいろ上がっているが、その理由は別として、試合をしていないところがあると思うが、オランダリーグが開幕してそこからはフルに戦っているのは確認できており、本人のコンディションも落ちていないことをチェックしながら招集している。本人の立ち位置ということもありますが、詳しくは皆さんにお伝えできない部分はあるが、フィジカル的なことではなくメンタル的な部分の情報も取りながら、できる手段で直接であったり違う手段を含めて彼と面談をしたりしつつ、そういったところも確認して招集している。今回の招集も含めて招集の後にパフォーマンスがいいか悪いかというところで、毎回招集が約束されている選手は一人もいないので、全ての選手が良いパフォーマンスを見せてくれて、次への招集、日本代表への生き残りをかけて、選手たちが考えてやってくれると思う。私はそういう選手のパフォーマンスをしっかり見ていきたいと思います。これまで私が代表の監督になって、招集させてもらった選手全てがこれからの戦いの選考の対象であり、まだまだ招集しきれていない多数の選手がいると思っている。これまでA代表の監督になって招集してきていないが、日本代表として戦えるだけの可能性を見せてくれる選手はまだまだいるので、今回の活動はこのメンバーになったが、次回の活動になった場合で選手が変わっていくこともありうると思っている」

――ヨーロッパでプレーする選手が日本に集まることで、コンディション調整は難しいが、ロシアW杯のときとは違う調整の仕方や工夫は?

関塚「長い距離の移動で選手たちの負担はあると思う。広いアジアの中で予選を戦い、勝ち抜いていかないといけない。我々も今までの経験を踏まえて、次に何が一番適しているか、予選を戦っていく上でしっかりと現場と調整しながら、それに応えられるようにしたい。今までも努力してなかったわけではなく、いろいろなものがあって、今このような形で来ている。ただ、ここ数年、海外でプレーする選手は増えてきている。それに対する準備、日常のコンディションから所属クラブへの対応も描きながらやってきて、昨年のW杯のあとからも、このままではということで、藤田くんにも手伝ってもらい、今回も坂路くんに、少し若手世代のお手伝いということで契約をしながら、これだけ増えたということで、上の方もぜひ力を貸してほしいということもやっている。今度は選手が良いコンディションでできるように、何が協会としてふさわしいかということは進めているし、ここでこうする、というのが言えない段階だが、そこは今後考えてしっかりとコンディション、日本の力が発揮できるような体制を作っていきたいと思っている」

森保「アジア予選を戦う上で、今回の場合は海外から一度日本に戻ってきてくれて、そこからミャンマーに行くことはコンディション的にもタフな調整を強いられる。選手たちは今回に限らず、毎回長距離の移動、時差があり、気候も違う中で、クラブでの立ち位置を失うかもしれないリスクを背負って日本代表で戦うために集まってきてくれている。そのことを、皆さんに改めてお伝えできればと思っている。アジアの予選を戦う上で海外組だけでなく、日本からも長距離移動して、難しいコンディショニングをしなければいけないというところ、すべての選手にとって試合以前のコンディション調整、ベストパフォーマンスを発揮する準備が大変だと思うし、我々ができることは、少しでも選手たちの疲労の部分、メンタル的なストレスを軽減してベストなパフォーマンスを発揮できるようにサポートしていきたい。具体的なところはメディカルグループもいろいろ考えてくれているが、今ここで皆さんにお伝えするというのは、私からの説明はさせて頂くことではないと理解して頂きたい。ただ、チームでのコンディション調整と、選手個々のコンディションをしっかりと見て、チーム全体のパフォーマンスが少しでもいいものになるように持っていけたらなと思う。

――2次予選中の中で新戦力の発掘、連係、システムの熟成などをしないといけないと思うが、優先順位や、こういう形でチーム作りを進めたいという考えは?

「今、仰られたとおり、やりたいことはいっぱいある。しかしながら、私が考えているのは、これまでやってきたことのベースをチームとして常に確認しながら、ベースの土台を大きく、厚く、高くすることをやっていければと思うし、あとは日本代表として招集させてもらっている選手たちは皆良い選手だし、力のある選手なので、アジアの大会を経験しながらさらに成長していくというチャレンジをしてもらえれば、必ず良い結果が出ると思っている。システムは6月でも試したところがあるし、練習する機会は限られていると思うが、試合の中でもチャレンジできるところはチャレンジしたいと思うし、アジアの戦いであれ、世界の強豪チームとの戦いであれ、常に相手のことをリスペクトしながら、自分たちがその戦いの中でどうやって成長していけるのかというところを考えながら、良い準備をしてアジアの予選を戦っていきたい」

(取材・文 竹内達也)