テニス史上最も高額な「罰金ベスト5」を発表!1位はもちろんあの選手!?

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何かとお騒がせなニック・キリオス(オーストラリア)が、「ATP1000 シンシナティ」での暴言等により、11万3000ドル(約1,190万円)とテニス史上最高額の罰金を科せられた。


テニスメディアのBaselineが、今回キリオスが塗り替えた「テニス罰金ランキング・ベスト5」を発表した。

第5位 ジェフ・タランゴ(アメリカ)、1995年度「ウィンブルドン」

きれいに決まったと思われたサービスエースのポイントに対し、リプレーを要求されたことに腹をたてたタランゴは、再度サービスを打つ準備中に、ヤジを飛ばした観客に向かって「黙れ!」と言い放ち、「卑猥な言葉」の警告を受ける。


「黙れ!」には何ら卑猥な言葉も含まれておらず、また観客のヤジは、明らかにタランゴがサービスを打つモーションに入っている段階でも、収まっていなかった。


タランゴは主審に対し「テニスにおいて、最も堕落した審判だ!」と反抗。その発言で「言葉による侮辱」のコードバイオレーションを受けるとタランゴは、「もうたくさんだ!」と言い捨てて退場した。


これにより、大会主催者であるオールイングランド・クラブはタランゴに4万3756ドル(約460万円)と当時の最高額を科した。彼が退場した後に、彼の妻が主審を平手打ちにしたことは、ドラマのような事実だが、タランゴは妻の行為には満足だったようだ。


第4位 ダビド・ナルバンディアン(アルゼンチン)、2012年度「ATP500 ロンドン」

ナルバンディアンの話はなかなか衝撃的だ。彼が試合中にいらだちを抑えられずに蹴り上げた木製のスポンサー看板が線審のすねに直撃。これにより、決勝戦は一瞬にして幕を閉じた。


もちろん故意に当てたわけではなかったものの、線審の足からは血が流れ、ナルバンディアンは即座に失格となった。その後科せられた罰金は、合計6万9910ドル(約735万円)に及んだ。


第3位 バーナード・トミック(オーストラリア)、2019年度「ウィンブルドン」

オールイングランド・クラブは、ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)との1回戦において、「プロテニス選手として求められる基準」を満たさず、いわゆる無気力プレーをしたとして、トミックに1回戦の賞金4万5000ポンド(約580万円)と同額の罰金を科した。


トミックはこの試合で38%のポイントをとっているが、1時間もかからずに敗戦した。無気力と思われるプレーは体調不良が原因であると、トミックは罰金への不服を訴えたが却下された。


第2位 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)、2009年度「全米オープン」

ウイリアムズは準決勝でのキム・クライシュテルス(ベルギー)との対戦で、セットカウント0-1での2セット目、5-6とリードを許した状況でのサービスゲームで、15-30とクライシュテルスに1ポイント先行された局面で打ったセカンドサーブに、フットフォールトの判定を受けた。


セレナは冷静さを失い「このボールをあなたの喉に押し込んでやるわ!」と線審に詰め寄った。これにより、ウイリアムズはペナルティとして1ポイントを失い、試合は終了した。彼女はすぐに謝罪をしたが、すでに当時の最高額である8万2500ドル(約868万円)の罰金が科されていた。


第1位 ニック・キリオス(オーストラリア)、2019年度「ATP1000 シンシナティ」

ATPは「ATP1000 シンシナティ」2回戦での、カレン・ハチャノフ(ロシア)戦においてキリオスの行った、違反行為が書かれた長いリストを公開。そこに書かれていた罰金の総合計は11万3000ドル(約1,190万円)にのぼった。


キリオスは、主審のファーガス・マーフィーを「役立たず!」と罵しるのみならず、許可なくコートを離れ、廊下でラケットを2本叩き折り、その折れたラケットを持ってコートへ戻っている。


賛否両論はあるものの、キリオスはいまだ大いに人気があり、出場する大会では常にファンの注目の的だ。このトーナメントの直前では、「ATP500 ワシントンD.C.」においてダニール・メドベージェフ(ロシア)との決勝戦を制し優勝しており、その実力には目を見張るものがある。


8月26日から始まる「全米オープン」では審判との戦いではなく、テニスの熱戦で観客を盛り上げてくれることを期待したい。キリオスは初戦、スティーブ・ジョンソン(アメリカ)との対戦を予定している。


テニスデイリー編集部)


※為替レート:2019年8月26日時点
※写真は2019年度「全豪オープン」でのキリオス
(Photo by Quinn Rooney/Getty Images)