慌てない。「冷静な人」になる方法

困ったときやピンチのとき、ほかの人が焦るようなことがあったときでも、冷静な人は淡々と対処して問題を解決に導いてくれたりします。
こういう頼れる冷静な人は、どんな考え方をしているのでしょう? そしてどうすれば自分も冷静に判断できる人になることができるのでしょうか?
みんなに安心と信頼を与える冷静な人になる方法を見ていきましょう。
■冷静な人の特徴や心理とは?
ピンチにも動じない、冷静な人には冷静でいられるためのいくつかの特徴があります。
普通の人が焦るような状態であっても、焦らずにいられるような「何か」があるのです。
その焦らない、動じない、そしてクールに対応できる「何か」をチェックしてみましょう。
◇(1)ピンチについてすでに想定済みである
みんなが焦っているような状態でも、冷静でいられる人はピンチの状態について「想定済み」のことが多いです。
すでにこういう事態が起きることを自分の脳内でシミュレーションしていて、その際にどのように対処すべきかが頭の中に入っているので、ほかの人とちがって焦らずに行動できます。
自分の中で準備が終わっているため、焦らないという状態を作り出せているのです。
◇(2)修羅場に慣れている
これまでの人生でいろいろな修羅場を乗り越えている人も、冷静な人が多いです。
ほかの人が焦っている状態であっても、冷静な人から見ると「あれに比べれば、これくらいはそれほど大変な状態じゃない」と判断でき冷静に対応できる、というわけです。
たとえば、さまざまな会社でいろいろなプロジェクトに参加してきた人などは、小さな問題があったとしても「まあこれくらいなら、あのときみたいに対応すれば解決できるな」というように、今までの経験を生かせます。
修羅場慣れしていることで、ほかの人から見れば焦るような状態でも、冷静な人からするとただのちょっとした問題のひとつとして捉えられるのです。
◇(3)開き直っている
大きなミスを引き起こしたときでも「起きてしまったことは仕方ない。いまできるだけのことをして、次同じミスをしないように気をつけよう!」というように開き直って対処する人も冷静であることが多いです。
いろんな問題が起こったときに「やれるだけのことをしたら、あとはくよくよしない」というように気持ちを切り替えることで楽になるので、あえて開き直っている人も多いです。
◇(4)客観的な視点を持っている
常に客観的にいろいろな問題や出来事を捉えている人も冷静になりやすいです。
自分から見たら大変な状態であっても、客観的に見たら「なんとか対処できること」「自分以外の人を味方につければ乗り越えられる」「上司に協力を求めればいい」などという判断もできます。
客観的に見られる人は、自分だけの判断ではなくあらゆる対応策がとれるので、焦らずに冷静に行動することができます。
◇(5)話す前や行動する前に考える癖がついている
焦って話したり、焦って行動したりすると、より混乱してしまうことがあります。
一度混乱すると、混乱がおさまるまで焦った状態となり、まわりに迷惑をかけてしまうもの。
冷静な人は話す前や行動を起こす前に少し立ち止まって、「これを話したらどうなるかな」「この行動をとっても大丈夫かな」というように考えます。
そして考えながら冷静さを取り戻していくので、適切な対処をすることができます。
◇(6)まわりに味方がたくさんいる
困ったことがあったときに自分ひとりですべてを対処しなければならないとなると、何をどうすればよいのかわからなくなってパニックになってしまうことがあります。
しかし、問題に対応できる専門家が近くにいたり、詳しい人に相談ができる環境にいたりすると、自ずと対処法も見えてきます。
まわりに味方になってくれる人、相談に乗ってくれる人、一緒に活動してくれる人などが幅広くいると、解決するのが難しい問題が減るので冷静でいられるようになります。
◇(7)普段から感情的にならない
普段から感情的にならないように、笑うのはともかく、怒ったり悲しんだりする瞬間は人に見せないようにしている人も冷静に行動するのが得意な人が多いです。
怒りや悲しみを自分自身でコントロールできるようになっていると、焦りなども自分自身でコントロールできるので、人に焦った姿を見せずに冷静に対処できるようになります。
■仕事のできる、冷静沈着な人になる方法
問題が起きたとき、すぐに焦ってどうしようと不安になっているばかりでは、問題は解決しません。
焦らず、冷静に対処することが求められますよね。
適切な判断ができる冷静な人になるにはどうすればいいのでしょうか?
冷静沈着な人になる方法について見ていきましょう。
◇(1)事前に自分の担当以外のことまで考えておく
何か仕事をするときには自分がやる仕事の周辺のことまで理解するように進めておき、自分がその中のどの立ち位置にいるのかをしっかりと理解しておくと、冷静になりやすいです。
いざ問題が起きたときでも、「誰に」「何を」頼ればうまく切り抜けられるのかがある程度わかるからです。
冷静でない状態というのは「どうしていいのかわからない状態」ですので、どうしたらよいかわかる状態を事前に作っておくとよいのです。
◇(2)話す前、行動する前に考える癖をつける
問題が起きたとき、ピンチのときに話しまくったり、動きまわったりする人は冷静になるまでに時間がかかるものです。
普段から話す前、動く前に「これってやったほうがいいことなのかな」と考えて行動するようになると、焦ったときでも対処法を考えてから人に相談したり、行動をしたりするようになります。
対処法を考える癖がついていると、「問題にどう向かっていけばいいのか」がわかり、冷静でいることができます。
◇(3)仕事に関係するさまざまな知識を身につけておく
自分がやっている仕事についてはある程度理解しているかもしれませんが、それに関わる法律の細かいところ、会計処理、取引先との利害関係、一緒に仕事する人の考え方、現在使っているシステムの特徴や問題点、関係している部署にいる人のタイプ……そういった細かいところは案外気にせず仕事をしていることって多いもの。
しかし、こういった周辺情報をしっかり押さえておくと仕事の全体像が見えるようになってきて、問題が起きたときでもさまざまな視点から対応策を考えることができるようになります。
いろんな視点からの考えを取り入れることで問題の解決策がたくさん思いつきますし、解決策が見えれば冷静さを取り戻すことができます。
自分のやっている仕事の周辺情報はどんどん入手するようにしておきましょう。
◇(4)論理的な思考を身につけておく
ロジカルシンキングなどの物事を論理的に考える方法を身につけ、普段から活用するようにしておくと、問題が起きたときでもロジカルに考えることができるようになり、焦らずに済みます。
ロジカルに考えることができるようになると「問題点を整理する」スキルが身につき、何に対処すればよいのかも明確になります。
そうやってロジカルに対応していくと問題も解決する方向に向かうので、焦る要素も消えていく、というわけです。
◇(5)答えを複数考えるようにする
焦って行動する人というのは、ちょっとでも解決の糸口が見つかったらそれにすがりつく傾向があります。
しかし、世の中、困ったときであっても解決する方法は複数あります。
解決策が複数見つかると「あれがダメでもこれをやればいい」と考えられるようになり、心に余裕が出てきます。
困ったときほど「いろんな解決策、複数の答え」を用意しておくと冷静でいられるようになりますよ。
◇(6)常に最悪の事態を想定。その対応策も考える
冷静でいられるようになるには「焦らない状態」を作るのが一番です。
焦らない状態、というのは問題が起きても対処法が見えていたり、淡々と問題に対応できたりする環境が整っている状態です。
つまり、焦る状態になるのは問題が想定されておらず、対処法も見えづらい環境のとき。
焦らないためにはいろいろなことに対して対処法を考えておくのがよいのです。
しかし、いろいろなことへの対策を考えはじめると、考える時間が無限に発生してしまいます。
そこで「最悪の事態を想定して、いくつか対処法を考えておく」ようにするとよいでしょう。
たいていの場合は最悪よりもマシな問題しか発生しません。
最悪よりマシな状態であれば、さまざまな対応をすることで、焦ることも減っていきます。
◇(7)自分が落ち着くための方法を持つ
焦ったときには「自分の脈を測って落ち着くまで深呼吸を続ける」とか「とりあえずトイレに行って個室にこもる」とか「ジュースを買ってきて10分以上時間をかけて飲む」といった、自分なりの“落ち着く方法”を事前に用意しておくといいでしょう。
普段からちょっと焦っただけのときでも“落ち着く方法”を実践しておけば、いざというときも自分で落ち着きを取り戻すことができます。
焦って考えてもいいことはあまり起きません。
とにかくその場で慌てないように、普段から落ち着くための方法を準備しておきましょう。
■普段から焦らないようにすることが冷静でいるためのコツ
冷静な人というのはピンチのときにすでに準備が整っているので焦っていないだけ、ということが多いです。
普段から冷静でいられるようにさまざまなことを心がけておけば、誰でも冷静な人になれますので、よく焦って失敗しやすい人はぜひ前述の方法を取り入れて、慌てず冷静に行動できるよう準備してみてください。
(織田隼人)
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