Ayimpoka / Sara De Antonio Feu / Spain
 
 
「世界中の写真愛好家が、プロフェッショナルとアマチュアの枠を超えて交流できる場を提供し、写真文化の発展に貢献すること」を目的に、1969年より国際写真コンテスト「ニコン フォトコンテスト インターナショナル」を主催してきたニコン。

そのニコンフォトコンテスト2018-2019 受賞作品が、東京・渋谷で8月23日に発表され、グランプリに選ばれたのが、この作品。

題名「Ayimpoka」。描いたのはスペインの Sara De Antonio Feu さん。集合写真で中央の赤いワンピースの女性。

作品のストーリはこうだ。

「Ayimpokaはガーナの小さな町に家族と住んでいる。長年、アルビノ(先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患)の人々は差別と迫害を受けている。アルビノの子どもたちが、呪術を信仰する人々によって殺害される場合もある。しかし Ayimpoka の家では、誰もが彼女を愛し、守っている。地元の NGO は週に一度彼女の世話をしている。この撮影をした日、彼女はマラリアから回復し、一日中日光浴していたので、かなり日焼けしていた」

この Sara De Antonio Feu さんの作品「Ayimpoka」をグランプリに選出した理由について、審査員長のネヴィル・ブロディ氏はこう講評している。

「見る者すべての心に触れ、直に語りかけるこの写真は、極めて巧みかつ簡潔に人間を物語っていると感じます。この写真は苦悩という背景をくっきりと浮き彫りにしつつ、被写体には希望と慈愛が見て取れます。抱きかかえる側の子供が醸し出す前向きな力強さがリアルに描かれていて、自らの手をつい差し伸べたくなるほどです」

「背後には、たわわに実った農作物が遥か遠くまで広がり、青空が地平線を描いています。沈みゆく太陽の温かみと、画面全体を染める夕暮れの柔らかい雰囲気、これらすべての要素が写真に希望と明るさを添えています」

「また、構図にも思いやりが感じられます。上から構えるのではなく、子供たちの目の高さにレンズを合わせることでその無防備で無垢、純粋な姿を捉えています」

「日々繰り返されるこの迷信、差別や偏見には衝撃を受けますが、愛情と保護がもたらす大きな違いをこの写真から知ることができます」

「この写真は、人間性や明るい気持ちで他者と接し共感し合うことの大切さを思い起こさせてくれる一枚です。自己中心になりがちなこの時代だからこそ、グランプリ受賞に相応しい作品です」

―――そして Sara De Antonio Feu さんは8月23日、東京・渋谷の発表会場で、グランプリ受賞後にこうコメントしている。

「この受賞は、彼女の教育のために捧げたいと思います。肌のガンを患うなどで、自分たちの将来を思い描くことさえできない子どもたちもいる。わたしは彼女に、みんなといっしょの教育を受けられることを願っています」(Sara De Antonio Feu)

そのほかの受賞作品なども、公式HP(https://www.nikon-photocontest.com/jp/awards/2018/)に公開中。

また、大きくプリントした受賞作品とむきあえる展示会は、きょう8月24日から9月1日まで、渋谷キャストで開催(11:00〜19:00)。渋谷の街のなかにも歴代受賞作品たちが街頭展示されてるから、こちらもあわせてチェックしてみて。

https://www.nikon-photocontest.com/jp/exhibition/

tokyochips編集部