米フェイスブックは8月20日、外部のウェブサイトやアプリが収集したネット上の行動データを、広告に利用されないよう利用者が設定できる機能を導入すると発表した。

[JBpressの今日の記事(トップページ)へ]

他社サイトの行動を広告に反映させない

 「オフ・フェイスブック・アクティビティー」と呼ぶ新機能を、まずはアイルランド、スペイン、韓国の3カ国で提供し、今後数カ月で順次、他の国にも広げていく。

 フェイスブックによると、例えば、我々がアパレルサイトで商品を閲覧したものの購入せずに、立ち去ったとする。そうしたネットユーザーに対しフェイスブック上で追跡広告を出したいサイトは、同社に利用者の行動データ(閲覧履歴)を渡す。これによりフェイスブックで同様の商品の広告を表示することができる。

 新機能では、どのウェブサイトやアプリがフェイスブックにデータを送っているのかを利用者が確認できるようにする。その上で、それらのデータとアカウントの関連付けを解除できる。これにより自身をターゲティング広告の対象から外すことができる。

 ただ、ウェブサイトの説明によると、こうした操作を行ってもデータが消えるわけではない。個人とひも付けされない形で、広告効果を測定する目的で利用されるという。

 また、利用者がフェイスブックで見る広告の数が減るわけでもないという。他のウェブサイトやアプリでの行動とは関連しない広告がこれまでと同じ頻度で表示されると、説明している。新機能で行った設定は「Facebook」のほか、傘下の写真共有サービス「Instagram」と対話アプリの「Messenger」にも反映するという。

プライバシーの扱い方を問題視

 こうした措置は、同社のプライバシーの扱い方を問題視する声の高まりや、当局の監視体制の強化に応えたものだとロイター通信は報じている。

 2018年3月に発覚した最大8700万人分の個人情報流出問題で、米連邦取引委員会(FTC)は今年7月、同社に50億ドル(約5300億円)の制裁金を科した。

 和解の条件として厳格な管理体制も義務付けた。プライバシーに関する独立した委員会を設置し、新たに指名する複数のコンプライアンス責任者が四半期ごとにレポートを作成する。それをマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)や独立した審査員、FTCに提出する、というものだ。

フェイスブックの業績に及ぼす影響は

 フェイスブックが先ごろ発表した今年4〜6月期の決算は、売上高が168億8600万ドルだった。このうち98%を広告売上高が占めている。フェイスブックは今回の新機能に関し、同社の業績にある程度の影響が及ぶ可能性があると説明している。広告表示の精度低下により、収益が減少すると考えられるからだ。

 しかし、米CNBCの記事によると、米調査会社eマーケターのアナリストは、問題はどれだけの人が新機能を利用するかだと述べている。多くの利用者は時間を割いて設定画面を調整するようなことはしないとし、大多数が利用しない限り、業績に重大な影響を及ぼすことはないと指摘している。

 (参考・関連記事)「グーグルとFBの複占続くもライバルが牙城を切り崩す」

筆者:小久保 重信