ロイター通信や米CNBCの報道によると、トランプ米大統領は8月18日、米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)と会い、中国からの輸入品に対する関税について話し合ったことを明らかにした。

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トランプ大統領「説得力のある意見」

 アップルの競合である韓国サムスン電子が自社製品の多くを韓国で製造し、米国の対中関税の対象にならないという状況で、アップルは打撃を受けるとクックCEOは説明した。

 これについてトランプ大統領は18日、記者団に対し「クックCEOの意見はとても説得力があった。考慮していく」と述べた。

 米政府は、ほぼすべての中国製品に制裁関税を広げる「対中関税第4弾」を今年9月1日に発動する。ただ、米通商代表部(USTR)は8月13日、スマートフォンやノートパソコン、一部の衣類・靴、玩具など約550品目については発動を今年12月15日まで延期すると発表した。

 これらには日用品が多く含まれるため、米国の年末商戦に大きな影響が及ぶ。それを避けるための措置だとトランプ大統領は述べていた。

iPhoneの2019年モデルはひとまず安心

 上述した特定品目への課税が12月に発動されることになり、2019年秋の発売を予定する「iPhone」の新モデルは大きな打撃を免れる。

 12月までに十分な台数を中国から輸入し、年末商戦に臨むことができるからだ。また、タブレット端末の「iPad」やノートパソコン「MacBook」の関税も12月に延期された。

回復の起爆剤「2020年モデル」に打撃か

 しかし、スマートウオッチ「Apple Watch」やAIスピーカー「HomePod」、デスクトップパソコン「iMac」、イヤホン「AirPods」などは9月から関税がかかる。アップルはコスト増に伴い利益が圧縮される、あるいは値上げに伴う売り上げの減少に直面する可能性がある。

 (参考・関連記事)「トランプ大統領、アップルの関税免除要求に「ノー」」

 一方で、今年12月からのスマートフォンに対する課税は、アップルの2021年以降の業績に影響を及ぼす可能性があると、米ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。

  昨今のスマートフォン市場の減速により、iPhoneの売上高は2019年と2020年に前年実績を下回るとアナリストらは予想している。それが回復するのは2021年だという。アップルは5G対応のiPhoneを2020年秋に発売するとみられている。これが起爆剤となり、その翌年に業績がプラスに転じるとアナリストらはみている。

 今回のクックCEOとの話し合いに関し、トランプ大統領が言った「考慮」が具体的に何を意味するのかは今のところ分からない。しかし、これがアナリスト予想を的中させるための必要条件になるのかもしれない。

筆者:小久保 重信