三谷幸喜監督の新作『記憶にございません!』で主演を務める中井貴一

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 俳優の中井貴一が19日、三谷幸喜監督とタッグを組んだ主演映画『記憶にございません!』完成披露試写会に登壇し、公開を間近に控えた話題の映画を挙げながら「『おっさんずラブ』も楽しめる」と本作をアピールした。イベントには、ディーン・フジオカ、石田ゆり子、草刈正雄、佐藤浩市、斉藤由貴、木村佳乃、吉田羊、三谷幸喜監督も来場した。

 本作は、国民から全く支持されていない総理大臣・黒田啓介(中井)が記憶喪失になったことから起こる騒動を描いた政界コメディー。三谷監督は、「ディーンさんが取材で5分に1回笑えますと言ってくださっていたけど、少ないんじゃないか? ということで、1分に1回にさせていただきました」と訂正すると、「(上映時間は)127分ですけど、最後の3分はエンドロールなので笑いどころはないと思います。だから124回くらい(笑えます)」と自信満々で本作をアピールした。

 さらに、「役者が好きで、この方たちが一番輝く映画を作ろうと思った」と自身が映画に携わる理由も吐露。そんな三谷監督の熱い思いもあり、中井も「コメディーをやらないことが第一条件。三谷幸喜の台本は役者がコメディーをやらなくても面白いようにできている」という思いを胸に、一切妥協せずに役に取り組んだことを報告。一方、これまで『THE有頂天ホテル』(2006)、『ザ・マジックアワー』(2008)など度々三谷作品に出演してきた、謎のフリーライター・古郡祐役の佐藤も、三谷作品では「ワンシーン、ワンカット、長回し」の撮影が多いことを嘆きながらもウキウキ感があることを伝え、三谷監督との再タッグを喜んだ。

 佐藤は、同世代の中井と一緒に芝居ができることについても、「うれしさがあるし、信頼や信用だけでなく不思議な感覚の中で中井氏もやってくれたと思うし、僕もそうだった。言葉のキャッチボール一つ一つが楽しくて、そのシーンは面白かった」と回顧。すると、三谷監督は、「日本映画史に残るシーンです。いいおっさん二人がイチャついている感じが楽しいんです!」と興奮を隠せない様子で、黒田と古郡がバーで初めて会うシーンを紹介。中井も「ある意味『おっさんずラブ』。その映画もこの中で楽しめる」と呼び掛け、会場の笑いを誘っていた。(取材:錦怜那)

映画『記憶にございません!』は9月13日より全国公開