今年のゲストはよかった。地元の小学校を出た俳優の佐々木蔵之介、宝塚出身の女優・黒木瞳、あの世(?)に詳しい養老孟司。午後8時の点火の前1時間の間にやる事前の準備が面白かった。最初に点火される『大』の字には樹齢50年の赤松が使われるので、その10,000本の赤松を探す。柳本家は五山のうち4つが自宅から見える恵まれた一家。京都府立医科大学病院に入院している小児がんの子供たちを楽しませる吉本芸人。750坪もある重要文化財の冷泉家の10の部屋とお盆の儀式。一番大きい『船形』は横幅200メートルで、79ケ所に点火するが、今年は18人の若者がそれを担った。

午後8時ちょうどに、『大』の字の75ヵ所の火床に火がともされた。近くで見ると薪棚がでかく、火の横には大勢の人たちが並んでいるのが見える。『大』の字の松明が点火された左下の画面の右上には大きな月が昇っている。まことに風情のある一服の絵である。

けたたましいお喋りが一切なく物静かでよろしい。『船形』は8時10分に点火されたが、お盆でこの世に帰ってきた先祖の霊が、無事にまた三途の川を渡ってあの世にお帰りになるための船だから、大きくて立派なのだそうだ。『鳥居』形保存会の人は他県の人たちだ。

20年以上前までは、筆者も毎年京都の大ホテルから見ていたが、近頃はテレビ桟敷である。送り火の準備段階の取材に触れると曰くがよくわかり、わが歴史に誇りがもてる素晴らしい内容であった。(放送2019年8月16日18時59分〜)

(黄蘭)