韓国の李首相=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国の李洛淵(イ・ナクヨン)首相が今後予定されている国際会議などで、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と「ツートップ外交」を担う見通しだ。特に、10月に開かれる徳仁天皇の「即位礼正殿の儀」に祝賀使節団の代表として出席する可能性も取り沙汰されている。

 政府によると、下半期には国連総会(米ニューヨーク、9月24〜30日)、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(韓中日)首脳会議(タイ・バンコク、11月上旬)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(チリ・サンティアゴ、11月16〜17日)、韓・ASEAN特別首脳会議(韓国・釜山、11月25〜26日)などの日程が予定されている。

 文大統領は普段からツートップ外交の重要性を強調してきた。外交日程が詰まっていることを踏まえれば、李首相と分担して出席する可能性が提起されている。

 先月16日の閣議で、文大統領は「首脳外交の需要が急増し、大統領1人では手に負えなくなっている」とし、「大統領と首相が適切に役割分担して首脳級外交分野で一緒に動く必要がある」と述べた。

 このほか、韓日関係の悪化など外交的に敏感な時期であることから、戦略的にツートップ外交を活用する可能性があるとの観測も出ている。

 韓日関係では、外交的合意が十分にできていない状況で文大統領と安倍晋三首相が直接対面するのは無理だと判断された場合、李首相が対応することも考えられる。

 政府は文大統領の今後のスケジュールや外交戦略などを総合的に判断し、多国間外交計画を検討しているとされる。

 今年下半期の多国間外交はデリケートな外交事案が絡んでいるだけに、李首相が実際に役割を分担すればこれまでよりさらに重い権限と責任が与えられるとみられる。

 多国間外交の日程以外にも、政府の代表的な「知日派」とされる李首相が10月に開かれる徳仁天皇の「即位礼正殿の儀」に祝賀使節団の代表として出席する可能性も取り沙汰されている。

 日本の輸出規制などで韓日関係が悪化しているものの、高官級の関係者を派遣しなければ外交的欠礼ととられかねないため、政府が李首相を派遣するとの見方が出ている。

 政府関係者は「2カ月後の両国関係が今より悪くなろうが良くなろうが、誰かが即位式に行かなければならない」とし、礼節を重んじるという面からも李首相が出席する可能性があると述べた。

 これに先立ち、李首相は5月1日に自身のSNS(交流サイト)で「即位する徳仁天皇様は昨年3月、ブラジリア(で開催された)水フォーラムでお目にかかり、かなり深い話をさせていただき感謝する」と言及した。