湘南ベルマーレDF坂圭祐

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[8.17 J1第23節 湘南2-3鳥栖 BMWス]

 後半アディショナルタイムの失点で勝ち越され、悔しい敗戦を喫した湘南ベルマーレ。それでもDF坂圭祐は「簡単に失点しすぎだし、前半をもうちょい何とかしないと」と課題を指摘。湘南らしくない対応が目立った前半2失点のほうに敗因を求めていた。

 鳥栖は前半25分と41分、いずれも右サイドを駆け上がったDF原輝綺のクロスからFWイサック・クエンカのワンタッチシュートで2点を奪取。湘南にとってはクロッサーへのプレスが及ばず、ゴール前の身体を張るべきエリアでも遅れを取るという、悔いが残るやられ方となってしまった。

「そこを何とかしないとなというのはやっていても感じていた。プレスの時に噛み合わせが悪くて、相手の分析の影響もあったとは思うけど、後半くらいがっちりしていれば良さも出せていたと思う」。一つ一つのポイントでズレを作られたことに関し、最終ラインの中央を任されている背番号4はそのように課題を見つめる。

 もっとも、こうした異変の原因をチョウ・キジェ監督の不在に直接関連づけるのは安直だろう。選手たちは一様に「普段と変わりない」と口を揃え、坂も「チョウさんが作戦板を使って言ってくれる時もあるけど、そんなには言ってこなかった」と説明。大枠のゲームプランに変更は全くない以上、ピッチ上の選手が修正すべきだったという考えだ。

「後ろが5バックになる場面が多かったし、ウイングバックをもっとサイドバックにぶつける場面を増やせば良かった。それはタイミングの問題もあると思うけど。あとは相手のCBはビルドアップがうまいタイプじゃないし、後半はそれを考えて持たせることができた。ただそういうところに早く気付ける選手がもっと出てこないといけない」。

 そうした反省を踏まえ、後半は「修正というより、もうちょい俺らの中でエネルギー出していこうよという話になった」と選手主導で意識を共有。その結果、内容面も大幅に向上した。それだけに「ゲーム中に修正するという部分では、若い選手が多く出ているし、周囲から『経験がないからだ』と言われてもしょうがない」と力不足を感じたようだ。

 その考え方は3失点目に関しても同じだ。その場面を振り返った坂は「自分がクロスを上げられるところにもう一個寄せなきゃというのはあるし、ノーステップ気味で上げられるのは分析でもあったので、中の選手も修正しないといけない。最後の金井選手にもついていかないといけない。そういう小さいミスが重なって失点につながったので練習から直していくしかない」と結論づけた。

 すなわち、現状を少しでも良いものにしていくためには真摯にトレーニングを続けていくだけだ。「ピッチ外の状況はどんどん変わっていくけど、僕たちがやるのは同じサッカーなので。サッカーに集中してやれればいいし、スタッフだって次の試合に向けた練習メニューを作ってくれると思う。外の環境のことを気にせず、サッカーに打ち込むことが大事」。リーダーの風格が出てきた24歳は、やるべきことをしっかりと見据えている。

(取材・文 竹内達也)