「神戸にすべてを懸けるつもりで来た」と語る酒井高徳。今週末のJリーグ23節での出場はあるか?

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 今夏も風物詩と言える大型補強を敢行したJ1のヴィッセル神戸が、ドイツ2部ハンブルクに所属していた元日本代表DF酒井高徳の獲得にも成功した。

 13日早朝に帰国し、14日に正式発表。16日には練習拠点となっている神戸市西区のいぶきの森球技場で加入後初めて取材対応し、「ドイツで経験してきたことをチームに還元して少しでも役に立てればと思っている。チームはあまりいい状態ではないが、自分の加入が刺激になって(チームム状態が)上がっていけば」と第一声を発した。

 神戸は昨冬にも酒井の獲得に乗り出していたが、交渉は流れていた。だが、その後も酒井の動向を追い続け、今夏再び獲得オファーを提示した。「6月くらいにはお話を頂いた」と明かした酒井だったが、決断に至るまでには約2か月間という時間を要した。

 欧州でのプレー続行の意思も強く、当初は「自分なりに海外での未来を模索する時間を頂いた。海外での選択肢を考えた上でお答えしたい」と返答を保留していたという。

 ただ、神戸との対話を重ねる中で「(神戸が)掲げている今後のビジョンにすごく賛同できる自分がいたし、世界のトップクラスで戦ってきた選手がプレーしていることに刺激を受け、自分も何か成長できる部分が大きいのではないかと思った」と、心が神戸へと傾いていった経緯を語った。

 ハンブルガーSVからの慰留もあったという。「(ヘキング)監督は『残って欲しかった』と言っててくれたし、(日本への)帰り際にみんなから『出て行くとは思っていなかった』と言われた」。だが、酒井の置かれた状況は簡単なものではなかった。

 15年夏に加入し、4シーズンを過ごした。16年途中からは主将も務めたが、17ー18シーズンに2部へ降格すると、1年での1部復帰を目指した18ー19シーズンも4位に終わり、昇格を逃した。そのスケープゴートにされたのが酒井だった。最終節デュイスブルク戦では、サポーターから聞くに堪えない激しいブーイングが浴びせられた。

 今季から就任したヘキング監督は酒井の心中を理解した上で「(移籍期間の8月)31日まで考えることは尊重する。その上で『残りたい』という時には、扉はいつでも開いているし、すぐにメンバーとして迎えたい」と言葉を掛けてくれたという。

「決して向こうが僕を見捨てた訳ではなく、追い出されるような形で出て行った訳でもないというのは、この場を借りて言いたい」。酒井はハンブルガーSVへの愛着もにじませつつ、決然とした言葉で移籍劇を振り返った。

 気持ちはすでに切り替わっている。「神戸にすべてを懸けるというふうに思って来たので、それをしっかり貫きたい」と決意を示した。フィンク監督は「(18人の)メンバーには入る」と酒井のベンチ入りを明言した。

 今週末Jリーグのピッチに立てば、アルビレックス新潟に所属していた11年12月3日の最終節・名古屋戦以来、2814日ぶりとなる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部