AI搭載のお尻連動エクソスーツが歩行・ランニングを楽に。ハーバード大らが開発
動力付きのロボット外骨格、エクソスーツ(Exosuit)は姿勢や体力的にきつい仕事をこなさなければならない労働者向けに利用されているケースがいくつかありますが、この技術のもうひとつの大きな需要は、リハビリテーションの場にあります。とはいえ、まだまだ研究例は少なく、これまでは単純な動作にしか利用できるものがありませんでした。

ハーバード大学ウィス研究所、ハーバード大学ジョン・A・ポールソン工科大学、ネブラスカ大学オマハ校の研究者らは、お尻の筋肉の動きに応じてAIが動作をアシストし、ウォーキングとランニングの両方で着用者を支援する腰装着タイプのポータブルエクソスーツを開発したとScience誌に発表しました。このロボットエクソスーツはDARPAがかつて支援していたWarrior Web プログラムをルーツに持っており、それらを含めるとすでに開発は長きにわたっています。スーツは腰と大腿部に装着され着用者の臀筋、つまりおしりの筋肉に連動して股関節の動きをアシストします。

エクソスーツの重さは約9.4kgほどありますが、その90%以上が身体の重心近くに装着されるため、着用者への負担や動きへの制限は最小限に抑えられます。特に手足が前後に大きく動かせることはランニングにとって重要な要素です。研究チームはこのスーツのために「身体に取り付けられたセンサーで個人の重心の加速度を監視し、一歩一歩の重心移動を確実に検出できる歩行分類アルゴリズムを開発した」と述べ「歩行が検出されると、エクソスーツはその作動プロファイルに応じたタイミングを自動調整して歩行をアシストする」と説明します。

実際の実験では、屋内でトレッドミルを使用してアシストなしとありのときの代謝酸素消費量を計算、結果として、アシストありのときはなしのときよりもウォーキングで9.3%、ランニングで4%代謝酸素消費量が低下、つまり楽に歩行やランニングができたことがわかりました。また、この装置を装着した被験者は上り坂や異なるランニング速度、屋外に出ての試験でも効果が得られ、エクソスーツは優れた汎用性を示したとチームは説明しています。

「ハーバード大学ウィス研究所の研究から得られたこの画期的な研究は、ウェアラブルロボットデバイスが健康な人の生活を改善するとともに、怪我やリハビリが必要な人に役立つ未来を垣間見せてくれます」とウィス研究所の創設所長Donald Ingber氏は述べています。