キャスト全員、お互いのことが大好き。志尊 淳が現場で感じた『おっさんずラブ』愛

淡く切ない恋に揺れる“おっさん”たちの姿に、胸がギュッとさせられる――。

2018年に放送され、同年の新語・流行語大賞にもノミネートされたドラマ『おっさんずラブ』。Twitterでは「#おっさんずラブ」というワードが世界トレンド1位を獲得し、公式Twitterのフォロワー数は27万人、Instagramのフォロワー数は38万人(7月時点)と、社会現象を巻き起こした。

田中 圭演じる“はるたん”こと主人公の春田創一、部長の黒澤武蔵(演/吉田鋼太郎)、同僚の牧 凌太(演/林 遣都)という3人の恋模様にドキドキ、ハラハラ、キュンキュンさせられることも多かったはずだ。

そして、待望の映画化となる『劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』が8月23日に公開される。

新キャストである志尊 淳が撮影中に感じたのは、田中の座長としての気遣い、そしてキャスト陣の作品に対する愛。そこはまさしく「ラブが、とまらない。」現場だった。

撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/馬場英美 制作/iD inc.
スタイリング/手塚陽介 ヘアメイク/仲田須加

「どんなことも受け止める」田中 圭の言葉に救われた

ドラマ『おっさんずラブ』は、社会現象を巻き起こすほどの大ヒットとなりました。志尊さんは映画からの参加になりますが、ドラマの反響は耳に届いていましたか?
もちろんです。SNSなどでものすごい反響があるドラマということで見始めたら、あまりにも面白くて1日で全話見てしまいました。
ドラマ版を一気見して、個人的に面白いと思ったポイントは?
それぞれの思いがまっすぐで、心に刺さるんですよね。どのキャラクターにも感情移入できるし、本当に無垢で純粋なラブストーリーだと思いました。

あと、このドラマにおける会話のテンポや空気感が、どのようにして生まれているのかに興味がありました。みなさんのやりとりが全部脚本に書かれているのか、それともアドリブなのか。

だからオファーをいただいたときは、それを間近で見られるんだという嬉しさと同時に、プレッシャーも感じました。
すでにできあがっているチームに、後から参加する怖さみたいなものも?
はい。すごく人気のある作品なので、受け入れてもらえるのかなという不安もありました。
実際はいかがでしたか?
初日は距離感をどう掴めばいいのかわからなくて、自分自身、現場を探っているところがあったと思います。というのも、僕が演じた山田正義(ジャスティス)は自分で役を作っていくというよりも、田中 圭さん演じる春田さんたちとの会話を通して作られていくものだと思い、周りの反応をうかがいながらやっているところがあったんですよね。
ジャスティスは春田が所属する天空不動産・東京第二営業所に派遣された、陽気な新入社員ですね。
春田さんとの絡みがいちばん多いんですけど、初日に瑠東 東一郎監督から「もうちょっとこうしてほしい」と言われたときに、僕はその意味をくみ取れなくて。

監督はとても優しい方で、オブラートに包んで伝えてくださったんです。でも僕はその意図していることをくみ取ることができず悩んでしまって。それを横で見ていた圭さんが「きょう、このあと食事でも行くか」と誘ってくださって、監督も交えて3人で食事に行き、いろんな話をさせていただきました。
どんなお話をされたのでしょうか?
これまでの『おっさんずラブ』についての話をしたり、僕が台本で疑問に思っているところを聞いていただいたり。そういう話をしている中で、圭さんが「どんなことをしても受け止めるから、何も悩まずに好きなように来い」と言ってくださって。
さすがは座長。頼もしい発言ですね。
その次の日から、本当に自分の好きなようにやらせていただいたんです。そうしたら、次に食事に行ったとき、圭さんが「志尊はあの後から変わった」と言ってくださって。僕も同じ感覚があったので、圭さんが初日にああいう機会を作ってくださったことは、本当に救いでした。

何が起こるかわからない芝居が、この作品の醍醐味

“ジャスティス”というキラキラネームを見たときは、驚きませんでしたか?
いい名前だなと思いました。僕はそんなにキラキラネームだとは思ってなくて、現場でみなさんが“ジャス”と呼んでくださっていたので、その気軽さもいいなと思いました。
アメリカ帰りの青年で、セリフも英語交じりの日本語ですね。
リアリティとディテールにはこだわりました。ただ英語を話すというだけでなく、思っていることがつい英語で出てしまうのか、コミュニケーションの一環としてあえて英語を話すのか。そこは監督と相談しながら、バランスを整えていきました。
ジャスティスはどういう青年だと思いますか?
天真爛漫なキャラクターではあるんですが、そういう性格になった理由は僕が深堀りしていかないといけないなと。あと、ドラマにはいなかったキャラクターなので、ジャスティスという人間にどれだけ深みを出せるのかが重要だと思いました。
彼を演じていて楽しかったことを教えてください。
アドリブの部分ですね。毎回、絡む相手によって違った反応があって楽しかったですし、そこから生まれるものを大切にしていました。

セリフを一字一句覚えるというより、段取りを覚えるぐらいの気持ちで現場に行くようにしていたんです。そうするとその場で感じたものから広がっていくような何が起こるのかわからない面白さがあって、すごく楽しいなと思いました。
この作品の脚本は極端にト書きが少ないと聞きましたが、本当でしょうか?
本当です。あっても、みなさん違う動きをしてしまうと思います(笑)。

ドラマのときもそうだったみたいですが、シーンの大きな枠組みだけ決められていて、それぞれが好きに動いてお芝居をするんです。そうすると全然違う物語になっていくんですけど、それがこの作品の醍醐味で。本番で突飛なことをやったり、やられたりというのは日常茶飯事でした(笑)。
アドリブで驚いたことはありましたか?
春田さんと部長とジャスティス、牧さんと今回から登場する狸穴(迅)さん(演/沢村一樹)がサウナで一堂に会するシーンがあるんですけど、僕は最初にサウナから出て行って、最後に戻ってくるので、そのあいだに中で何が行われているのかはわからなくて。

ジャスティスが抜けた後、サウナのセットがぶっ壊れるんじゃないかと思うほど激しく揺れていて、何が起こっているんだとちょっとビックリしました(笑)。

食事をしているときも、話の9割は『おっさんずラブ』

ここまでのお話からとてもいい現場だったことが伝わってきますが、志尊さん自身はどう感じていましたか?
団結力がものすごいなと思いました。現場にグルーヴ感があるというか、それぞれが表現したいものがみんな同じ方向を向いているんですよね。信頼関係があるからこそできるディベートも、この現場ならではだと思いました。
改めて、今回共演された方々の印象を教えてください。まずは先ほどからお名前が出ている田中 圭さんから。
圭さんとは3、4年前に共演したことがあったんですけど、がっつりお芝居をさせていただいたのは今回が初めてでした。

僕が発信したものを肯定しながら、ものすごく引き出してくださる方で、プライベートでもみんなをつなぐ架け橋になってくださっていた。人としても役者さんとしてもステキな方だなと改めて思いました。
黒澤武蔵役の吉田鋼太郎さんはいかがでしょうか?
みんなが鋼太郎さんのことを「(役者として)バケモノだ」とおっしゃっていて、本当にそうだなって。しかも大人の魅力にあふれている方だと思います。
吉田さんと田中さんと志尊さんの3人でかけ合いをするシーンもあったとか。
クランクアップの2、3日前に3人でのシーンがあったんです。それまで僕はほとんど圭さんとの絡みしかなくて、鋼太郎さんとの絡みはあまりなかったんですね。

だけど、いざテストが始まると、鋼太郎さんがこれまでずっと一緒にやってきたような距離感でお芝居をしてくださって、台本からはまったく想像のできないシーンに仕上がったのが嬉しかったです。
その撮影で、とくに印象に残っているエピソードはありますか?
鋼太郎さんが仕掛けてくるものに対して僕が本気で反応していたのが、傍から見るとめちゃくちゃ笑えるシーンになっていて。圭さんが本番で噴き出すことはほとんどないんですけど、このシーンでは我慢できなかったらしく、ずっと笑ってらっしゃいました(笑)。

その後で圭さんが「鋼太郎さんは相手を認めてないと、ああやって仕掛けてくることはないから」と言ってくださって、すごく嬉しかったです。
春田のパートナーである牧を演じられた林 遣都さんの印象は?
遣都くんとは直接的に絡むシーンはあまりなかったんですが、単発ドラマがあった後に、連続ドラマシリーズから『おっさんずラブ』に参加したという意味では、(劇場版から参加した)僕と重なるところがあって、すごくシンパシーを感じてくださっていたようでした。優しく見守ってくださるステキな先輩です。
本社で立ち上げられたプロジェクトチームのリーダー・狸穴 迅役の沢村一樹さんはいかがでしょうか?
想像していた通りの、ものすごくユーモアのある方でした。沢村さんも鋼太郎さんも大人の色気があり、経験値も懐の大きさもあって、今回共演させていただけたことがとても嬉しかったです。
撮影中はみなさんでよくお食事に行かれていたそうですね。
何度も行かせていただきました。みんながみんなのことを大好きで、『おっさんずラブ』にはウソがないなと思いました。

食事をしていても会話の9割が『おっさんずラブ』の話題で、圭さんと遣都くん、鋼太郎さんが家族ゲンカみたいになっているときもありました。何だろうと思ってよく聞いてみると「俺、あんたのことが好きなんだよぉ」って言い合っていたりして、本当にお互いのことが大好きなんだなと思いました(笑)。

自分にとって「ラブが、とまらない。」ものは“家族”

個性的なキャラクターがたくさん登場しますが、志尊さんがいちばんカッコいいと思うキャラクターは?
やっぱり春田さんですね。僕がずっと春田さんの横にいたというのもありますが、すごく正直で魅力的な人だなと思いました。

春田さんはダメなところもあるけれど、まっすぐ気持ちを伝えようとするし、思っていることが顔に出てしまうところもかわいらしいなと思います。
「ラブが、とまらない。」という映画のキャッチコピーがありますが、志尊さんにとって“ラブがとまらない”ものは?
この年齢になって、年々思いの比重が増えていくのは家族ですね。最初に考えるのは家族のことなので。
時間があるときは家族に会いに行ったり?
してますね。あと、電話は親にも兄と姉にもよくします。
『おっさんずラブ』に出演が決まったことも報告されたのでしょうか?
兄は僕の仕事にまったく興味がなくテレビも見ないので、「テレビに出たことあるの?」くらいの感覚で、僕がどんな作品に出演しているのかも知らないと思います。姉も海外に住んでいるので、僕が何をやっているのか知らないんじゃないかな。

でも、母と祖母は「次は何に出るの?」といつも気にかけてくれるので、『おっさんずラブ』に出ることも報告しました。ふたりは僕の仕事を生きがいのように感じてくれています。たまに「SNSを更新しなさい!」と怒られることもありますけれど(笑)。
志尊 淳(しそん・じゅん)
1995年3月5日生まれ。東京都出身。A型。2011年に俳優デビュー。『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日系)で注目を集める。主な出演ドラマは、『きみはペット』(フジテレビ系)、『女子的生活』(NHK総合)、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』など。映画では『帝一の國』、『探偵はBARにいる3』、『走れ!T校バスケット部』、『フォルトゥナの瞳』など。7月9日からドラマ『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』(TBS系)、7月12日から『潤一』(関西テレビ)が放送中。10月4日からは、映画『HiGH&LOW THE WORST』が公開。10月より上演する舞台『Q:A Night At The Kabuki』にも出演する。

映画情報

『劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』
8月23日(金)ロードショー
https://ossanslove-the-movie.com/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、志尊 淳さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2019年8月22日(木)12:00〜8月28日(水)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/8月29日(木)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月29日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき9月1日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
  • 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
  • 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
  • 個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
ライブドアニュースのインタビュー特集では、役者・アーティスト・声優・YouTuberなど、さまざまなジャンルで活躍されている方々を取り上げています。
記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。