7月23日、16万人の保守党員による投票で次期首相の座が確定して、選挙本部から現れたジョンソン氏

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オックスフォード大学卒のエリートも『タイムズ』紙記者時代はねつ造がバレてクビ

7月23日、16万人の保守党員による投票で次期首相の座が確定して、選挙本部から現れたジョンソン氏

「ボリスの人気? 気取っていなくて面白可笑(おか)しいからでは」(30代教師・女性)

「最近の政治家は、その道のプロというより、たとえ間違っていても自信満々と簡潔に言い切る人が好まれているからね。とはいえ、彼を支持したのはせいぜい保守党内の10万人弱で、何千万人もの民意が置き去りにされてしまっているんだが」(40代コンサルタント・男性)

 こんな英国国民の声を尻目に、7月24日、首相に就任したボリス・ジョンソン氏(55)。派手なパフォーマンスから「イギリスのトランプ」とも言われるが、彼は名門イートン校、オックスフォード大学卒のエリートだ。大学卒業後、『タイムズ』紙で働いたときには、中世英国王について書いた巻頭記事で歴史的事実を捏造(ねつぞう)してクビになっている。が、その後も、平然と政治ジャーナリストとして活動し、36歳で政界入りした。国際ジャーナリスト・山田敏弘氏が語る。

「ロンドン市長時代は移民賛成派だったのに、EU離脱運動のときには一転して反対した。主張がコロコロ変わるんです。’16年には訪英したオバマ前米大統領に対し『彼はケニア人の血が入っているから大英帝国を毛嫌いしてるんだ』と発言して物議を醸(かも)した。さんざん離脱の旗を振っておいて、いざ国民投票で賛成派が勝ったら自分は後継首相に立候補せず、メイ氏に困難な舵(かじ)取りを押しつけました」

 そのメイ前首相は、何度も離脱についての政府案を出すも議会で否決され、この7月についに退陣。そして保守党内の党首選挙に勝ち、満を持しての登場となったジョンソン氏だが、大多数の英国民は「EUとの合意にかかわらず10月末までに離脱する」と言うジョンソン氏の公約に懐疑的だ。彼らはどうしてそんな男に国の舵取りを任せたのか。ジャーナリスト・堀田佳男氏が語る。

「現在の世界的潮流として、各国で独自色を出すリーダーが人気を集めています。トランプは米国単独でパリ協定やTPPを抜けました。トランプやプーチンと五分に渡り合えそうなジョンソン氏にいったん任せて、ジレンマに陥っているEU離脱問題を解決してほしい、という心理が働いたのでしょう」

 トランプ米大統領は早くも新首相を歓迎ツイート。世界を股にかけた悲喜劇の幕が上がりそうだ。

幼少期。アレクサンダー・ボリス・デ・フェフェル・ジョンソンがフルネームで、男爵家の先祖を持つ

オックスフォード大学で。前列左から3人目がジョンソン氏、後列左から2人目がキャメロン元首相

ロンドン市長時代

7月4日、党首選挙期間中に食品会社でソーセージ作り

PHOTO:︎時事通信 i-Images/Polaris/amanaimages