再生可能エネルギー、「太陽光発電」は縮小予測、今後は「風力」が拡大へ

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 再生可能エネルギーのうち、太陽光関連市場は今後は市場縮小が予想されている。その一方で、太陽光以外の関連市場は拡大傾向にあるようだ。

 株式会社富士経済は7月29日、「再生可能エネルギー発電システムの国内市場調査」の結果を発表した。調査は参入企業および関連企業・団体などを対象に、2018年11月から2019年4月にかけて実施された。

 2018年度の太陽光発電システム市場は、再生可能エネルギー発電システム市場(太陽光発電・風力発電・水力発電・バイオマス発電・地熱発電)全体の約8割を占めている。2018年度は未稼働案件の導入が進んだことから、前年度比4.1%増の1兆7,195億円に拡大すると見込まれている。

 しかし、2019年度以降はFIT(固定価格買取制度)買取価格の引き下げや入札制度の範囲拡大を背景に、自家消費型などFIT以外の案件が中心の市場に移行すると予想され、2030年度の同市場規模は4,678億円で、2018年度の3割程度まで縮小すると予想されている。

 その一方で市場拡大が見込まれているのが風力発電・水力発電・バイオマス発電・地熱発電など太陽光以外の発電システム市場で、同市場規模は2018年度の3,296億円から、2030年度には5,843億円まで拡大すると見込まれている。

 中でも大きく拡大すると予想されているのが風力発電システム市場で、2017年度は前年度にFIT施行後の認定案件の運転開始が集中した反動により縮小したものの、2018年度は陸上大型発電システム、小型発電システムともに好調。市場は1,000億円に迫っている。注目されている洋上風力発電システムは、本格的に普及するのが2025年度から2030年度と予想され、2030年度にかけて大きく拡大すると予想されている。

 水力発電システム市場は、水力発電機メーカーの供給が追い付かず市場が縮小したものの、2020年度に予定されている発送電分離に伴い、積極的な水力発電のリパワリングやフルリニューアルを進める計画もあり、同市場拡大をけん引すると予想されている。

 地熱発電システム市場は一定規模の市場が形成され、政府の地熱発電開発導入促進策によりメガワット級の大型案件が2年に3〜4件程度のペースで運転開始するとみられ、市場拡大が期待されている。バイオマス発電システム市場は2020年度前半まで市場拡大が見込まれているものの、その後は市場が縮小すると予想されている。

 一方、東京商工リサーチが7月23日に発表した「2019年上半期(1月〜6月)の太陽光関連事業者の倒産状況調査」の結果によると、2019年上半期に発生した太陽光関連事業者の倒産件数は前年同期比25.6%減の32件で、上半期としては2年連続で減少した。負債総額は同55.2%減の68億6,400万円で、前年同期から半減となった。倒産の原因別では、「販売不振」が22件(構成比68.7%)で全体の7割を占め、「赤字累積」が3件(同9.3%)で続いた。

 太陽光関連市場は、2012年7月に導入されたFITにより新規参入が相次いだものの、その後は淘汰が進み、2017年(1月〜12月)には太陽光関連事業者の倒産が過去最高の87件に達した。しかし、2018年の倒産件数は84件に減少し、2019年上半期も倒産件数が減少傾向にある。このままのペースで推移すれば、2019年の倒産件数も前年を下回る可能性が高そうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

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