堀田遼人さん

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 働き方改革の一環により、テレワークやリモートワークに取り組む企業が増えてきている。また、総務省や東京都などは、2020年東京オリンピックの開催期間中の交通混雑を緩和するために、テレワーク推進を目的にした「テレワーク・デイズ」を設定している。

 そんな中、7月24日に「テレワークを本気で浸透させるためには?」と題するイベントがEDITORY神保町にて開催された。パーソルプロセス&テクノロジー株式会社の久保慶子氏、パーソルキャリア株式会社の亀田郷平氏、モデレーターには株式会社スペースマーケットの堀田遼人氏が登壇し、日頃テレワークを実践している立場からの意見を語った。

◆そもそもテレワークとは?

 まず、モデレーターの堀田氏がテレワークの概念について改めて説明した。

「テレワークとは、ICTを活用して時間や場所の制約を受けずに柔軟な働き方を実践すること。テレワーク=在宅で仕事すると思われがちだが、サテライトオフィスで働いたり、外出先の空き時間を利用しカフェなどで仕事したりすることもテレワークに含まれる」

 Wi-Fiとパソコンがあれば、どこでも仕事できる時代。オフィスに出社しなくても遠隔勤務ができるので、移動時間にかけるコストを削減し業務に向き合える時間が増えるというわけだ。

 ライフスタイルが多様化するにつれ、働き方自体も柔軟にしていく必要がある。自宅から移動時間をかけて出退社したり、営業先からわざわざオフィスに戻ったりと、ひと昔前はこのような働き方が一般的だった。

 今後テレワークが普及すれば、本来かけるべき業務へ時間を充てることができ、生産性が上がることも期待されるだろう。

◆テレワークをやる意義を考えないと形骸化してしまう

 久保氏はテレワーク導入を推進、また自身も5年ほど実践している立場から、近年働き方改革という言葉自体が一人歩きしてしまっていることに言及した。

「ただテレワークを導入するだけではあまり意味がない。実際に何をしていけば経営効率を上げられて、持続可能な企業にしていけるのか。そのためにテレワークをどう活用していくのかを考えるべき。そうしないと、いざ導入はしたものの形骸化してしまう。テレワークは目的ではなく、経営力を強化するための手段でしかない」

 形骸化しないためにも、働き方改革をどういう指針を持って取り組むかが大事かということだ。

 単に働き方改革といっても3つのステージがあり、1つずつ段階を経て推進していくのが良いという。

 まず、長時間労働を改善するために時短を取り入れたり、定時に上がるよう推奨したりすることで、長時間労働を是正すること。次に多様で柔軟な働き方を認め、オフィスに出社しなくても働ける環境作りを行い、非効率な時間の削減や業務の無駄を省いて効率化していくこと。

 そして、働き方改革によって新たな価値やイノベーションを生み出すのが3つ目のステージだ。DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れからITを駆使し業務自動化を図る。多様な人材や働き方、テクノロジーを組み合わせることでイノベーションを起こす。

「働き方改革が進むにつれて自律型の働き方にシフトしていく。行動ベースに場所や働く時間を選び効率化して働くABW(Activity Based Working)という概念が広まるだろう。会社にコミットするのではなく、ビジョンやミッションにコミットして、個人がどう行動して成果を出すのかという働き方になる」

 ABWとはオランダから広まったワークスタイルで、仕事の内容やプロジェクトごとに働く環境や時間を自らが選択し仕事をすることだという。トップダウンで指示をもらって業務をするのではなく、働く個人個人がセルフマネジメントしながら業務を遂行していく。このような働き方が、今後さらに普及していくのではないだろうか。