対北制裁解除が急務(文在寅韓国大統領と金正恩朝鮮労働党委員長=右)/(平壌写真共同取材団・共同)

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 輸出管理で優遇措置を適用する「ホワイト国」から韓国を除外する安倍政権の閣議決定を受け、文在寅大統領がヒートアップしている。5日には日本の措置を再度批判し、「南北経済協力で平和経済が実現すれば、一気に日本の優位に追いつくことができる」とブチ上げた。安倍官邸周辺はこうした強硬姿勢をあざ笑うが、“投資の神様”は朝鮮半島経済の爆発力に太鼓判を押している。戦後最悪の対立でバカを見るのはどちらなのか。

ミサイル発射よりゴルフ 安倍首相“北朝鮮脅威”のデタラメ

「韓国の人口は日本の半分以下」「韓国のGDPは日本の3分の1にも満たない」「川上の部品産業を押さえる日本次第で韓国経済の息の根は止まる」――。

 安倍首相のオトモダチはこう吹聴して回る。経済規模ではるかに劣る韓国が奮起なんて、ヘソで茶を沸かすというわけだ。しかし、果たしてそうなのか。

「世界3大投資家」に数えられ、2015年にCNNで「北朝鮮に全財産を投資したい」と発言して世界を仰天させたジム・ロジャーズ氏は、著書「お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する」でこう断言している。

〈朝鮮半島(韓国と北朝鮮)は、五年後に『アジアで一番幸せな国』になるだろう〉

 南北統一を前提に、北朝鮮は2ケタ成長すると予測。天然資源が豊富な未開の北朝鮮が門戸を開けば、近隣諸国から投資が舞い込み、世界から観光客が殺到するという。

 18年の人口(国連調査)は日本が1億2720万人。韓国5117万人、北朝鮮2555万人で、計7672万人だ。成長性を担保する合計特殊出生率(内閣府調査)は16年が日本1.44、韓国1.17(韓国統計庁調査)と沈み込んでいるが、北朝鮮は1.94と高水準をキープしている。

〈すでに人手不足に陥っている日本とは対照的に、朝鮮半島には安い労働力、若い女性という新しい人的資源がある〉

〈いまの北朝鮮には極端な話、椅子も電気も何もないので、韓国にあるものすべてが恩恵を受けることになるからだ〉

 統一が実現すれば、人口ボーナスによっても高成長率が期待できるというのである。もっとも、親北と揶揄される文在寅が南北協調に前のめりなのは、「克日」からとも言い切れない。

「韓国経済が持続的に成長するには、北との一体化は必然。こうした方向性に保革の違いはない」(韓国政府関係者)

「東京五輪ボイコット」で安倍首相のメンツ丸潰れ

 南北一体化が進むことで、1年後の東京五輪にも影響を及ぼしかねない。女子カーリングでは韓国主催の日中韓親善大会で日本チームの招待が取り消され、男子バスケットボールでも韓国チームが日本開催の親善試合への参加をキャンセルするなど、交流を断つ動きが広がる。

 安倍首相ご執心の1年後の東京五輪ボイコットも浮上。大統領府に不参加を求める2度目の国民請願が出された。30日以内に賛同者が20万人を超えると、大統領府が対応する必要がある。対韓報復に踏み出した安倍政権を海外メディアは「トランプ米大統領と中国が好む報復の戦略と似ている」と報道。国際社会から白眼視される中、安倍首相を毛嫌いする北朝鮮と韓国が足並みをそろえて五輪をボイコットしたら、日本はますます国際社会から孤立する。安倍首相のメンツは丸潰れだ。

 ちなみに、ロジャーズ氏は〈アベノミクスが成功することはない〉〈「安倍首相が日本をダメにした」と振り返る日が来るだろう〉とも警鐘を鳴らしている。