独島を訪れたホ・ジョンさんの一家(ホさん提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫

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【ソウル聯合ニュース】近ごろ韓国で、夏休みの旅行先として最東端の独島が注目を浴びている。背景には、日本政府が「ホワイト国(輸出管理の優遇対象国)」から韓国を除外する経済報復を決定したことに対し、韓国で反発が高まっていることが挙げられる。独島は慶尚北道の行政区域だが、日本はたびたび領有権を主張している。

 家族や友人と一緒に独島旅行に出かけた人たちが、「独島旅行」とハッシュタグをつけた記念写真を交流サイト(SNS)に次々と投稿している。

 自営業の40代の男性、ホ・ジョンさんは先月31日から今月3日まで家族で独島旅行をした。ホさんは7日、「家族で独島に行くことが人生のバケットリスト(したいことリスト)の一つだった。休みの計画を立てていたところ、日本による経済報復などが起こり、『今年は何があっても絶対に独島に行かなければ』と心が決まった」と語った。日本による植民地支配は忘れてはならない心痛む過去としながら、「胸に納めて静かに力をつけていくこと」が、小学校1年生と3年生の2人の娘の未来にとって賢明との考えを示した。

 独島とその近くの鬱陵島では、観光スポットを回るほかにシュノーケリングやスキューバダイビングなどのレジャーを楽しめると紹介。「空港が完成して、若い感性が加われば、韓国最高の旅行地になりそうだ」と期待を示した。

 観光学を専攻する大学生パク・ジュヨンさんは先ごろ、2泊3日の日程で大学の同級生4人と独島を訪れた。専攻もあって普段から同級生と旅行によく出かけるというが、「子どものころから『独島はわが領土』と学ぶものの、実際に行った人は多くなく、今回思い切って旅行先に選んだ」と説明した。

 独島の地を踏んだ時には胸にこみあげてくるものがあった。パクさんたちは太極旗(韓国国旗)を掲げて写した写真をSNS上にアップ。パクさんは「日本の経済措置以降、日本への旅行を控える傾向があり、こういう時に独島旅行に行けば一層意味があるのではないかとも思った」と語った。

 家族旅行で独島と鬱陵島に出かけた10代の女性ソ・ウンビさんは、「独島を守るためにどのような活動が行われているか知ろうと、両親と旅行した。感動的で印象深い時間だった」と振り返った。日ごろから日本による植民地時代と独立運動に関心を持っていたソさんは「日本製品の不買運動で日本旅行を取りやめる人も多いと聞いたが、独島旅行者の増加に影響を及ぼすのではないだろうか」と話した。

 外国語高校に在学する女子生徒イ・ダウンさんは、学校が独島の「文化研究校」に指定されたことで独島探訪の機会を得た。強風のため残念ながら独島に接岸できなかったが、友人と五つの言語で作成した「己亥年独島宣言文」を独島行きの船の前で読み上げたという。イさんは「わが国の歴史と文化を正しく伝えるコンテンツを製作したい」と意欲を示した。