【北京=釘丸晶】犯罪容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改定問題を発端とする抗議活動が続く香港で5日、大規模なストライキが行われ、7地区で一斉に抗議集会が開かれました。ストは一般企業から政府機関の職員など、あらゆる業界に参加が呼びかけられ、金融、IT、交通、自営業など幅広い業種が賛同。公務員を含め多くの人がストと集会に参加しました。

 抗議行動の広がりにより、全土の交通機関が一時まひ状態となり、香港国際空港では、200便以上が欠航となりました。

 香港島・金鐘(アドミラルティ)の集会で「香港衆志(デモシスト)」の周庭さんが7地区集会の声明を読み上げ、「香港の『反送中(中国への移送反対)』運動は100万人、200万人デモなど多くの歴史をつくった。政権の脅しに屈せず、香港人がストを行ったことは民主と自由を勝ち取る決心の表れだ」と述べました。

警察の権力乱用

 参加者は、一連の抗議活動でデモ参加者に対する警察の強硬な対応に批判の声を上げました。初めて集会に参加したという男子学生がステージで発言し、警察が権力を乱用してデモ参加者を逮捕する状況を批判しました。

 金鐘の集会後、参加者は政府本部周辺の道路を占拠。警察は再び催涙弾を使いデモ隊を排除し始めました。

 法曹関係者は、香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官が改定案の撤回もデモ隊への警察の対応について調査する独立調査委員会の設置についても言及していないことを指摘し、「警察の権力乱用の問題から目を背けている」と批判しました。

行政が要求に背

 林鄭長官は同日午前会見を開き、デモ隊の一部による暴力行為を批判。中国の国章を汚し、国旗を海に投げ捨てるなどの行為は「国家主権に挑戦し、一国二制度を損ない、香港の安定・繁栄を壊すものだ」と非難しました。

 一方で、改定案の審議は延期・停止していると述べ、市民が求める「完全撤回」などの5大要求には背を向けました。

 林鄭氏の会見の中継を見ていた男性は香港メディアに、「6月以降、政府が逃げ回り、市民の要求に応えようとしないから事態がエスカレートする」と批判。女子学生は「会見には失望です。未来のために引き続き頑張りたい」と語りました。