長野県飯田市にある1947年(昭和22年)創業の別所製菓は先日、新商品「夜の最中(さいちゅう)焼肉モナカ」を開発した。

ほのかなマトン風味の「焼肉モナカ」

「焼肉モナカ」は、人口1万人あたりの焼肉店舗数が全国の市の中で最も多い日本一の焼肉の町・飯田市の焼き肉文化と半生菓子のもなかを掛け合わせた商品。

もなかの皮に、辛みそをベースにマトンのエキスを練り混ぜた、ほのかなマトン風味のあんを自分で挟んで食べる。

もなかの皮は羊の形2種類(通常の色と竹炭を練りこんだ黒色)と、文字が印字された長方形3種類(南信州、マトン、焼肉の文字)の計5種類。価格は1個250円、5個入1000円(共に税抜)だ。

出典元:別所製菓

8年後のリニア開通を見据えて開発

“もなか”と“焼肉”という、一見かけ離れた食べ物を組み合わせた商品はどのように生まれたのか?

別所製菓の別所貴良専務取締役に話を聞いた。

--焼肉モナカが誕生した経緯を教えてください。

地元の経営者で組織した異業種団体・地場産マネージメント倶楽部の30周年記念事業で開発した最中(もなか)の試作品をもとに商品化しました。

8年後に開通するリニア中央新幹線開業を見据え、地域資源を使った新たな名物を作ろうと、菓子とは縁のない異業種会員の自由な発想から、飯田が誇る「焼肉文化」と「半生菓子」が融合した商品として焼肉モナカを完成させました。

半生菓子とは、もなか・大福・どらやき・寒天ゼリーなど、水分量5%〜30%の日持ちのするお菓子。飯田・下伊那地域は半生菓子の製造が盛んで、全国シェアの4割を生産。近年では海外への輸出も増えているという。

--様々な肉がある中で、なぜマトン(羊肉)を選んだのですか?

飯田の焼肉は牛肉や豚肉のほか、モツなどの内臓を食べる文化も発達しており、他の地域に比べ種類も多彩です。

中でも飯田地域の焼肉といえば昔からマトン(羊肉)を食べることが多く、「飯田焼肉」の象徴だったことからマトンを選びました。

--開発にあたって、こだわった点は?

半生菓子など、最中に馴染みがなかった人たちや若年層にもアピールでき、思わず手にとってみたくなる商品づくりをテーマに開発しました。

餡は地元の歴史ある味噌製造会社・マルマンの飯田辛みそ(焼肉を食べる際に使う味噌)を白あんに練り込み、ほのかにマトンの風味を加えたことで焼肉をイメージしたピリ辛餡。

最中の皮は、羊型で焦がし色とサフォーク種を意識した黒色の羊の2種類に加え、詰め合わせには焼肉や地元をPRする文字入り特製最中皮を使用しており、飯田焼肉の要素を盛り込んだ内容になっています。

パッケージは七輪からかわいい羊が顔を覗かせ、焼肉モナカのネーミングに引き寄せられた人が手にとってみたくなるよう工夫したデザインになっています。

提供:別所製菓

イベントで完売御礼、飯田の新名物に

同市で7月20日に開催された「焼來肉(やきにく)ロックフェス」で焼肉モナカを販売したという。

--同イベントでの反響は?

2019年の焼肉ロックフェスの来場者数は2200人。県外からの来場者が7割に上る為、
飯田の新名物をPRする機会として出店しました。

パッケージを模した顔出しインスタ映えボードや焼肉大使のニッチローさんの協力もあり、完売御礼の大盛況でした。

提供:別所製菓

--焼肉モナカはどこで購入できますか?

駒ヶ岳SA(上り)、エスバード売店(飯田市の産業振興と人材育成の拠点として昨年完成した新しい施設)と、セブンイレブン3店舗(豊丘神稲店、上川路店、川路駅前店)です。

今後に向けて、販路の拡大とネット販売を準備中です。

--焼肉モナカに込める思いを教えてください。

飯田市は2027年にリニア中央新幹線が開通し、駅が開設されます。

地域の魅力を詰め込んだ焼肉モナカが飯田のお土産の一つとして広く認知され、焼肉と菓子の街飯田をPRする新たな名物にしたいと思います。