「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今日の漢字は「帽」。「脱帽」の「帽(ぼう)」と読む漢字です。8月10日は「ハット(8・10)」の語呂あわせから「帽子の日」。立秋を過ぎても日差しが強く、厳しい暑さが続く頃。帽子のおしゃれを楽しみましょう。

(TOKYO FM「感じて、漢字の世界」2019年8月3日(土)放送より)



「帽」という字は、は「はばへん(巾)」を書き、その横に「冒険」の「冒(ボウ)」と書きます。

この「冒」は、「日差し」の「日」の下に「目」と書きますが、ここでの「日」は、「日差し」を意味するのではなく、目の上に「覆い」をかぶせた様子を表したもの。

そこに、布や織物を表す部首、はばへん(巾)を添えて、頭にかぶせる布、「帽子」を意味するようになりました。

「帽子」の「帽」という漢字のなりたちのもとは、布の「かぶりもの」。

その歴史は、太古の時代から始まっています。

宗教的な意味合いで祭祀の際にかぶったり、地位や身分を象徴するためにかぶったり。

暑さ寒さ、雨風から頭を守るのはもちろん、戦へ出て闘う際の防具としてもかぶられてきました。

見栄えをよくするための装いとしての帽子の始まりは、明治維新の頃。

西欧の紳士・淑女たちがスマートにかぶる姿を目にして以降のことです。

かつての武士たちもザンギリ頭になり、それを隠すために帽子をかぶりました。

また、軍部の制服としての帽子や、エリート学生たちがかぶった角帽に憧れた庶民たちによって、その後、帽子が広く普及していったようです。

今日の漢字は「帽」。布地を表す「はばへん(巾)」のとなりに、「日」の下に「目」を書く「冒険」の「冒」と書きます。この「冒」の部分は目の上を覆う様子を表し、頭にかぶせる布製品としての帽子を意味する漢字になりました。

「帽子」の「帽」という字に使われている「冒険」の「冒」という字。

この部分は覆いを目深にかぶった様子を表すことから、目の前の視界が開けていなくても、危険や障害をおかして前へ進む、という意味があります。

言われてみれば、ふだんなじみのない人が帽子をかぶるのは、ちょっとした冒険のようなものかもしれません。

おしゃれにかぶる自信がないという方も多いようですが、紫外線から身を守るため、という名目を掲げて、いざ冒険へ。

お気に入りの帽子をかぶって、残暑の街を颯爽と歩いてみましょうか。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。

その想いを受けとって、感じてみたら……。

ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献 

『常用字解(第二版)』(白川静/平凡社)

『新選漢和辞典 第八版』(小林信明 編/小学館)

東京帽子協会公式サイト「東京の帽子百二十年史」より

https://www.boushi.or.jp/book.html https://www.boushi.or.jp/book.html

8月10日(土)の放送では「話」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。



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聴取期限 2019年8月11日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:感じて、漢字の世界

放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット

放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜8:20〜8:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)

パーソナリティ:山根基世

番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/