真夏の小倉シリーズを代表する一戦、GIII小倉記念(小倉・芝2000m)が8月4日に行なわれる。夏のローカル重賞、それもハンデ戦となれば、多くのファンがイメージするとおり、波乱傾向が強いレースと言っても過言ではないだろう。

 過去10年の結果を振り返ってみても、8番人気以上の伏兵馬が馬券圏内(3着以内)にしばしば突っ込んできており、2009年には16番人気のダンスアジョイが大金星を挙げている。その年は、2着に1番人気のホッコーパドゥシャが入ったものの、3着にも9番人気の伏兵クラウンプリンセスが入線を果たし、3連単は97万8500円という高配当となった。

 また、2011年も”大荒れ”となった。勝ったのは4番人気のイタリアンレッドだったが、2着に15番人気のキタサンアミーゴ、3着に8番人気のリクエストソングが入って、3連単の配当は87万370円という高値をつけた。さらに、2016年にも11番人気のクランモンタナが勝利を飾って、3連単は30万超えの高配当となった。

 これら以外の年も、3連単はすべて万馬券。となれば、今年も波乱の決着を期待したい。そこで、過去10年の結果を参考にして、今回のレースで激走しそうな穴馬候補を探し出してみたい。

 まず注目したいのは、クラスにかかわらず、2戦連続で好走している”上がり馬”または”好調馬”。それでいて、人気の上がらない馬である。

 典型的な例となるのが、2010年のレースを制したニホンピロレガーロだ。2走前にオープン特別を勝って、続く前走のGIII新潟大賞典(新潟・芝2000m)でも3着と好走していたが、当日は9番人気の低評価だった。

 2014年に2着と健闘したマーティンボロも同様だ。3勝クラス(旧1600万下)、GIII中日新聞杯(中京・芝2000m)と連勝して挑んだが、6番人気の伏兵扱いにとどまっていた。

 その他、2010年に4番人気で2着となったバトルバニヤン、2018年に5番人気で3着に入ったマウントゴールドも、このパターンに近いタイプ。前者は、2走前にオープン特別を勝って、前走のGIII七夕賞(福島・芝2000m)で3着と奮闘していた。後者は、2走前に3勝クラスで4着と善戦し、前走で3勝クラスを勝ってオープン入り。上り調子にあった。

 こうした例から、今年は2頭の馬に目がいく。アイスストーム(牡4歳)とカデナ(牡5歳)だ。

 アイスストームは、2勝クラス(旧1000万下)、3勝クラスの特別戦を連勝中。勢いのある上がり馬だ。

 その戦績から、今回もある程度の人気が予想されるが、下馬評では条件戦から4連勝を飾って、ここ2戦はGIIIを連勝しているメールドグラース(牡4歳)が断然の存在。加えて、前走のGII目黒記念(5月26日/東京・芝2500m)で2着となったアイスバブル(牡4歳)の評判も高い。おそらくアイスストームは3、4番人気にとどまりそうで、本命馬たちの逆転候補として、オススメしたい1頭だ。

 一方のカデナは、オープン特別の福島民報杯(4月14日/福島・芝2000m)、巴賞(6月30日/函館・芝1800m)と、連続で3着と好走している。しかしながら、2戦とも「手薄なメンバー構成だった」というのが一般的な評価。その分、ここでも伏兵の一角にすぎないが、過去の例からして、再び大駆けがあっても不思議ではない。

 次に着目したいのは、ジョッキー。というのも、この舞台との相性がいいジョッキーが2人いるからだ。

 それは、武豊騎手と和田竜二騎手である。過去10年において、ともに2勝、2着1回、3着2回と、5度も馬券に絡んでいる。つまり、2人が騎乗した馬が3着以内に来る確率は5割もあるということ。とすれば、今年も2人が手綱を取る馬は外せない。

 そして、武豊騎手が鞍上を務めるのは、先述のアイスストーム。過去データのふたつの視点からピックアップされることを鑑みれば、より強気に狙っていきたい1頭と言える。



小倉記念との相性がいい和田騎手が騎乗するクリノヤマトノオー

 片や、和田騎手が今回騎乗するのは、クリノヤマトノオー(牡5歳)。ここ2戦は新潟大賞典(4月29日)で6着、七夕賞(7月7日)で7着と振るわないが、昨年末にオープン入りし、今年に入ってオープン特別や重賞で揉(も)まれてきたことは、確実に同馬の成長をうながしているはずだ。

 あらためて過去の穴馬を見てみれば、冒頭で触れたダンスアジョイやリクエストソングなども、前年の秋以降にオープン入りし、その後の重賞やオープン特別で奮闘を重ねて、小倉記念で結果を残している。同様に、クリノヤマトノオーが今年の小倉記念で台頭してもおかしくない。

 しかも、和田騎手は、人気薄馬で結果を残していることが多い。前出のリクエストソングやクランモンタナ、バトルバニヤンらも同騎手が手綱を取っていた。それを踏まえると、クリノヤマトノオーの一発の可能性がますます膨らむ。 梅雨明けとともに、一気に酷暑を迎えた日本列島。小倉記念では、そんなうだるような暑さを吹き飛ばしてくれる、ビッグな配当を手にしたい。その夢を叶えてくれる馬が、ここに挙げた3頭の中にいるかもしれない。