梅雨も明け、いよいよ本格的な夏が到来。夜は蒸し暑くて眠れない、眠りが浅いという悩みをもつ方も多いのではないでしょうか? エアコンや寝具の使い方など、正しいと思っていたことがじつは間違っているのかもしれません。

そこで、眠りのプロである東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生と西川東京オフィスのスリープマスターの杉原桃菜さんに、熱帯夜でもよく眠れる快眠のコツを教えていただきました。


暑くて眠れないとき、どうすればいい?

寝苦しい熱帯夜。快適に眠るためのエアコンの使い方



●湿度は、50〜60%をキープし、ドライモードや除湿器を活用しても

暑すぎて眠れないっ!「暑くて寝苦しいのは、温度だけでなく湿度もポイント。湿度をコントロールすることで、眠りに入りやすくなるだけでなく、睡眠の質も大きく向上します。快眠には、室内の湿度を50〜60%にすることが理想です。エアコンのドライモードで調節したり、除湿器を使って最適な室内湿度をキープしましょう」(杉原さん)

●熱を逃して汗を蒸発させる接触冷感の寝具を使ってみましょう!


「素早く熱を逃がす接触冷感素材を使った寝具を活用するのも手です。冷たいだけでなく、体から出る熱を逃して汗を蒸発させ、体との接触面の温度上昇を抑えてくれる機能のものがおすすめ。敷きパッド、かけ布団、枕カバーなどがあり、手もちの寝具にプラスすれば、エアコンに頼りすぎることなく、快眠できますよ」(杉原さん)

●エアコンはきらずに朝まで適温でつけっぱなしにするのが正解


「蒸し暑いと寝汗をかきますが、寝汗は、脳が体温調節を睡眠中にもがんばっている証拠。睡眠の質はかなり悪化します。脳の疲れをとるには、適度な温度と湿度を保って快適な環境で眠ることが必須です。なので、寝苦しい夏は、エアコンはひと晩じゅう、つけっぱなしでいいんです。冷房モードで設定温度を25〜27℃にするか、除湿モードで朝まで快適に!」(梶本先生)

●エアコンをつけていれば、かけ布団は年じゅう同じでOK!腕は布団から出して

「夏はタオルケットを使っている人が多いと思いますが、じつは、一年じゅう同じかけ布団にするのがおすすめです。かけ布団は、タオルケットより吸湿性が高く、布団の中の環境がよくなって睡眠の質がアップ。エアコンで適度な温度と湿度をキープし、体の熱を逃す腕を布団から出せば、夏もぐっすり」(梶本先生)

<イラスト/田中麻里子 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【梶本修身先生】

東京疲労・睡眠クリニック院長。疲れと眠りに悩む患者の治療とともに、テレビの睡眠特集などでも活躍。著書に『スッキリした朝に変わる睡眠の本』
(PHP研究所刊)など

【杉原桃菜さん】
西川東京オフィススリープマスター。寝具メーカーの西川で、睡眠科学や快眠環境などの専門講習を受けた眠りのプロ。日々、眠りについての知識にみがきをかけ、快適な眠りの環境の整え方や寝具選びを提案している