【第1回】あーるどらの大脱走

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学生時代の絵がうまかった人を思い浮かべてみてください。
影がある
そう思いませんか?

理由は簡単。絵がうまい人は人知れず一人で黙々とすごい時間練習しているんです。
クラスの中心の明るさ満点友達無限増殖体育の授業指折り数え少年に、そんな時間あるわけないんです。
そんな時間があるのは、クラスの外側の休み時間逆に嫌い体育座り一番落ち着く少年だけなんです。

一人の時間を潰すために漫画にはまり、模写にはまり、大学受験を浪人しながら週刊少年ジャンプを半分くらい丸写しした結果、多少の画力とひきかえにもう一年浪人した男
どうもあーるどらです。

こうして僕は明るさと引き換えに画力を手に入れたと思っているんですが、
たまにおるんですわ!
自分より明るく自分より絵がうまい人が!
どういうことやねん!こっちは悪魔の契約を交わしたつもりで失ったぶん得たはずやのに
向こうは友を得て恋人を得て画力を得て。全部得んな!進研ゼミかよ!俺もやってたわ!コラショ見ずに描けるようになって終わったわ!

お願いだから誰にも負けないくらいうまい絵を描けるようになりたい。
でももう!!!頑張りたくない!!!しんどい!!!どうすれば・・。

脳を振り絞って考えた結果、一つの答えにたどり着いた。
そうだ・・・・

お好み焼きの生地を絵の具代わりにお好み焼きを描いてオーブンで少し炙ったら完璧なお好み焼きの絵が描けるのではないか!

そうだよ!
お好み焼きの生地を絵の具代わりにお好み焼きを描いてオーブンで少し炙ったら完璧なお好み焼きの絵が描けるんだー!!

わかりますか?
お好み焼きのあのトロトロの生地、あれをそのまま絵の具にしてしまえば、本物のようなお好み焼きの色が再現できるはずです!だって本物使ってるんだから!
絵なんて所詮は偽物。こちらは紙の上で本物のお好み焼きを作るようなもの。勝てる!
今、絵が上手いアイツを超える音がしたぁぁああ!!!

さっそく具材を用意しましょう。

いいですね。
筆とパレットと豚肉
この時代、この写真だけでだいぶ炎上ギリギリのラインな気がしますね。
チリチリと火花と煙の匂いがします。
しかし芸術は社会に背を向けたときに初めてその真価を見出すのだ!!

あえて言うなら!!この物語はフィクションです!!

具材ができました。
ここから鉄板に引くことでお好み焼きになります。
紙に描くことで、この世で一番リアルな絵になります。
まさに紙一重ですね。
では、描いていきましょう。

筆を投入して

パレットに移します。
こうしてみるとやはり絵の具に見えてきますね。豚肉がなければ。

さあついに描いていきます。
どう描いてもお好み焼きになるので、失敗しようがないのですが緊張感はあります。

ペタッ・・・
あれ・・・?

すげえ弾く・・・!
筆にも紙にも馴染みません。トロトロしているのに・・・
まぁいい。何度も塗ればなんとかなるはずだ。何度も何度も塗り直して白い部分をなくしていきます。

何度も弾かれながら、なんとかここまで持っていきました。
このままだとちょっとただの吐瀉物にしかみえないですね。
これをオーブンに入れます。

チーーーン
できました。中を開けてみましょう。

おおっ・・・!!!
思ったよりうまい絵ができている・・・!!
すごくリアルな絵ができてきました。僕はここまでリアルな絵を見たことはないです。うまそう。

では、上からソースを使ってソースの絵を描いていきましょう。

少したれた感じを再現して、本物のソースに見えるようにしたりしましょう。
こうして完璧に本物と同じ作り方で描いたお好み焼きの絵がついに完成しました!!

タイトルも付けたらどうですか!
リアルな絵だ!これは絵だ!絵なんだ!
甘ったるいソースの匂いやぬめぬめ感まで伝わってきそうなパンチのある絵である。
しかしなんでだろう。お好み焼きの具材しか使っていないのに
肝心のお好み焼きにあまり見えないのは・・・。
紙の上に薄いお好み焼きを作り、お好み焼きに見えないと嘆き、結局僕は何がしたかったんだろうか。
そんなことをおもいながら、

余った具材をおいしくいただきました!ごちそうさまです!