ガラス張りになった外観はオープンな雰囲気で入りやすい/(C)KADOKAWA 撮影= 野口 彈

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鷺沼駅から徒歩3分、線路沿いに坂を下ると「PATISSERIE LUTÈCE(パティスリーリュテス)」がある。明るく広々とし、白とブラウンを基調にした店内は気取らず落ち着いた印象だ。

【写真を見る】美しいケーキは約13種類をそろえる/(C)KADOKAWA 撮影= 野口 彈

ショーケースを覗くと、ひとつひとつのケーキが華やかで存在感がある。ここで腕をふるうのは、オーナーの阿部雅子さんと女性スタッフ2名。菓子職人はいまだ男性が多いなか、女性ならではの感性が光るパティスリーだ。

阿部さんは、惜しまれながらも閉店したフランス菓子店「青山シャンドン」、東京・国立「レ・アントルメ」を経て、渡仏。フランス・パリの人気パティスリー「シュクレ・カカオ」、フランス・パリの老舗店「ラ・ロトンド・モンパルナス」で修業をした。約3年間のフランスでの経験によって技術や感性が磨かれた。

その後、2014年8月に満を持して「パティスリーリュテス」を開店。ローマ時代のパリのことを指す言葉“リュテス”――フランスのテレビ番組から流れてきたその言葉の響きがとても気に入って店名にしたという。

昨年から、フランスでの修業経験がある鈴木礼子さんが新たにスタッフに加わった。新進気鋭のパティシエールが新しい風を吹き込み、今まで以上に華のあるスイーツとの出合いが期待できるだろう。

この店でまず味わいたいのが、オープン当時から販売している通年人気の「モンブラン」(498円)。マロンペーストは、和栗とフランス産の栗をブレンドし、栗らしい個性を引き立てた。ダックワーズ生地を土台に、プラリネ、カスタードクリーム、生クリームを忍ばせる。栗のほっくりとした美味しさと香り良さ、両方を感じられるベストバランスだ。そのほか、オススメの3品を紹介しよう。

■ 第3位 ブルーベリーとクリームチーズが洗練された味わいの「オロール」

エディブルフラワーの砂糖漬けのトッピングが施され、上品な雰囲気をまとった「オロール」(486円)。表面を優しく包み込むホワイトチョコ入りのクリームチーズのムースにフォークを入れると、中心部からカシスとブルーベリーのコンポートがあふれてくる。一見シンプルだが、ブルーベリーとカシスの酸味によって洗練された印象に高められている。

■ 第2位 紅茶とチョコレートが口の中でゆっくりとける「アールグレイ」

アールグレイのクリーム、チョコクリーム、そしてチョコレート生地を重ねた「アールグレイ」(465円)。ゆっくりと口どけるチョコレートと、穏やかに広がる紅茶の香気でゆるゆると心がほどけ、午後のゆっくりとしたひとときや気分転換したい時にぴったりな味わいだ。

■ 第1位 ラム酒が香り立つ大人のスイーツ「ババ サバラン」

ラム酒のきいたシロップをたっぷりと生地にしみ込ませた「ババ サバラン」(476円)。中には生クリームとカスタードクリームを合わせたなめらかなクリームが詰まっている。フランスの伝統菓子であるババはアルコールをきかせたお菓子のため好みが分かれるが、「パティスリーリュテス」のババは表面に塗ったアプリコットジャムやオレンジの爽やかな酸味によって上品な味わい。「ババ サバラン」だけをリピートする根強いファンもいる人気商品だ。

■ レモン形が可愛い!夏季限定タルトの「レモン」

その他、9月下旬まで販売予定の「レモン」(498円)は夏のオススメ商品。フランボワーズジャムを塗ったクリームチーズタルトを土台にして、レモンの酸味を緩和。レモンの形をしたレモンクリームの中にパイナップルコンポートを詰めて夏らしさも演出した。見た目も味わいもキュンとしてしまうタルトだ。女性ならではの美的センスが光るスイーツの数々は、贅沢なひとときを約束してくれるはず!

【取材・文=磯崎 舞/撮影=野口 彈、奥⻄淳⼆】(横浜ウォーカー・横浜ウォーカー編集部)