『リュウソウジャー』は役者の第一歩。一ノ瀬 颯×綱 啓永は、戦友として互いを高める

2019年3月より放送中の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』。一ノ瀬 颯は芸能界デビューから2ヶ月でコウ/リュウソウレッド役に抜擢され、メルト/リュウソウブルーを演じる綱 啓永もメインキャラクターとしてTVドラマに出演するのは初めて。

1年続くTVシリーズの撮影に加えて、劇場版の撮影、イベントの出演など、初めてづくしの日々に追われるなか、彼らは悩み、相談し合い、ともに役者として一歩ずつ前に進んでいる。

ピンと背すじを伸ばし、少し緊張した様子で取材に臨んだふたり。次第に表情が和らいでいくなかでこぼれ落ちた、互いへの信頼の言葉が印象的だ。

撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/とみたまい 制作/iD inc.
▲左から一ノ瀬 颯、綱 啓永

ファンの歓声を直接聞き、「嬉しくて泣いちゃった」

3月から放送されている『騎士竜戦隊リュウソウジャー』ですが、「テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り SUMMER STATION」(7月開催)にて、ようやくファンのみなさんのお顔を直接見ることができましたね。
 応援してくださっているみなさんに直接お会いできる機会はなかなかないですから、初めてお会いできて、声援をいただけたことは本当に嬉しかったですし、改めて「頑張らないといけないな」と思いました。
一ノ瀬 僕たちの登壇前に、MCの方がお客様に呼びかけているのが舞台袖まで聞こえてきて。それに応えるように、みなさんが歓声をあげているのを聞いたら、何だかすごく感動してしまって、ちょっと……。
 泣いちゃってたね(笑)。
一ノ瀬 泣いちゃったんです(笑)。やっぱりそれだけ嬉しくて。普段からSNSでもたくさん応援していただいていますが、直にお会いする機会って本当になかったので…。
 うん、ようやく会えたね。
一ノ瀬 「これだけの人たちが観てくださっているんだ、応援してくださっているんだ」って、初めて実感できた瞬間だったと思います。それまでも随所でヒーローとしての自覚を感じていましたが、改めて「自分がヒーローをやらせてもらっているんだな」と実感しました。
緊張もありましたか?
一ノ瀬 キャスト発表と制作発表のときは記者さんたちを前にして、緊張でしどろもどろになったんですが(笑)、テレ朝夏祭りはファンのみなさんが温かく見守ってくださったので、すごく話しやすくなったというか……。

始まる前は不安でしたが、みなさんの表情を見て、緊張が少し和らいだと思います。それでもやっぱり緊張しちゃうんですけど(笑)。
 メッセージ入りのうちわを作ってきてくださった方々や、リュウソウジャーのぬいぐるみを僕らに向けて振ってくれるお子さんたちもいらっしゃって。緊張はしましたが、そういった方たちがいてくださるからこそ作品が成り立っていると思うので、「作品を通して恩返しをしていきたい」と強く感じました。

「赤のパンツをはいていきました」オーディション秘話

オーディションについて振り返っていただきたいのですが、特定の役で受けられたのでしょうか?
 「この役をやってください」というのはなくて、いろんな役をやりました。あらかじめ台本をいただいていて、何となく「これがレッドのセリフかな? ブルーかな?」ってマネージャーさんと予想していました。
一ノ瀬さんは、オーディションのときから「レッド役を射止めたい!」と思っていたのでしょうか?
一ノ瀬 僕はそういった思いはなかったんです。人生で2度目のオーディションでしたし、ただ無我夢中で……。いろんな役を演じさせていただくなかで、とにかくひとつひとつ、本気でやるしかないと思っていました。「とにかく精一杯演じよう!」と。
 僕はレッドを狙っていたんです。戦隊といえば、やっぱりレッドが主役なので。オーディションも赤のパンツをはいていきましたが、颯に取られちゃいましたね(笑)。
一ノ瀬 ふふふ。
綱さんは一ノ瀬さんのお芝居を見て、「レッドらしさ」を感じますか?
 すごく感じます。もう、颯はレッドそのものなんですよ。実際は違う部分もあると思いますが、撮影をしているときの颯は完全にコウなんです。

役に対して一直線に突き進む颯の姿勢を見て、「レッドは颯だな」と思うときは多々あります。コウは本当に颯のための役だと、とくに今回の映画を観て思いました。コウがガイソーグ(声/関 智一)と対峙するところとか、視聴者として観ても超カッコよかったし。レッドは颯でしかないですね。
一ノ瀬 本当にありがたいです。「これでいいのかな?」と常に不安になりながらお芝居しているところもあって……。もちろん、頑張って演じるんですが、それがみんなにはどう映っているのかな?ってすごく気になっているので、綱くんにそう言ってもらえるのは……お世辞だったとしても(笑)、嬉しいです。
 お世辞じゃないよ(笑)。
綱さんが演じるメルトについては、どう感じますか?
一ノ瀬 綱くんとメルトって、最近はお互いに歩み寄ってきたのかな?と思いますが、もともとは性格がまったく違うんですよね。そういった、自分とのギャップがあるキャラクターを演じることってかなり難しいと思いますし……とくにメルトは難しい役どころだと思うんです。
「難しい役どころ」とは?
一ノ瀬 メルトは“叡智の騎士”と言われるだけあって、普段はすごくクールに状況を分析するんですが、何かが起こったときに、ちょっと焦ったり動揺したりもするので。そういった部分をどこまで表現していいのか、どこまで表情に出していいのか、塩梅がすごく難しいと思います。

コウは振り切ったお芝居をすることで、何となく完成形が見えるので、そういう意味ではやりやすいんですが、メルトは加減がいちばん難しいんじゃないかな。
たしかに、最近のメルトは“イジられキャラ”のような一面も出てきて、そのさじ加減が難しそうですよね。
 そうですね。実際、すごく悩みながらお芝居しています(笑)。

6人で並んだとき、青髪だからこそ注目してもらえる

リュウソウ族(古代から騎士竜の神殿を守り続けてきたリュウソウジャーの先祖)の衣装も個性的ですが、おふたりはどのような印象を抱きましたか?
一ノ瀬 衣装は試行錯誤を重ねてできたものなので、細かいところにもこだわりがあるんです。たとえば、リュウソウ族は古代人類の生き残りなので、衣装の素材に金属を使わないようにするとか。そういった意味でも、想像以上でした。
 メルトはブルーの髪色が派手で目立つので、「おいしい役どころだな」と感じました。

(ウィッグの扱いに関して)大変なところはたくさんありますが、ひとりだけ青い髪色ということで、『リュウソウジャー』の6人が揃っているところを見たときに、パッと目について印象に残るのは僕だと思うので、それはすごく嬉しいですね。

あと、ウィッグをつけると自然とメルトになるというか……役に切り替わるスイッチのひとつにもなっています。
一ノ瀬 僕らはもう綱くんの水色の髪を見慣れているので、黒髪だと「誰?」ってイジっているよね(笑)。それだけ板についてきているんじゃないかなと思います。
おふたりのSNSを拝見していると、ほかのリュウソウジャーのみなさんとも仲が良い雰囲気が伝わってきます。
一ノ瀬 僕と綱くん、アスナ/リュウソウピンク役の(尾碕)真花は最初から登場しているので、安定した仲良し感がありますね。

トワ/リュウソウグリーン(演/小原唯和)とバンバ/リュウソウブラック(演/岸田タツヤ)の兄弟はラボにはあまり来ないので、必然的に3人で撮るシーンが多くて。一緒にお芝居をしていても幼なじみ感が自然に出るというか……体を預けやすい感じがあります。

兄弟は僕らとも仲が良いんですが、やっぱり兄弟同士はすごい仲良くて。カナロ/リュウソウゴールド(演/兵頭功海)は全員と仲が良い、みたいな(笑)。作中のままの関係性に近いです。
カナロ役の兵頭さんは“追加戦士”として後から加入しましたが、迎えるにあたって雰囲気づくりなどは気をつけましたか?
 僕たちも追加戦士については心配していました。5人がすごく仲が良かったので、「打ち解けられるかな?」と。そんななかカツ(兵頭さん)が来て、結果的にすっごいなじんでました(笑)。カツだから、6人でひとつになれたんだろうなって。
一ノ瀬 僕もすごく不安だったので、本当に助かりました。
 ……カツって天然だよね?(笑)
一ノ瀬 うん(笑)。天然なうえに、すごい努力家なんですよね。見えないところでも、見えるところでも頑張っているので、「自分もより頑張らなきゃ」って思えましたし、良い刺激をくれます。

一発OKのシーンも。成長した自分の姿を見せたい

7月26日から公開されている、映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』は6,500万年前にタイムスリップするお話ですが、台本を読まれた感想はいかがでしたか?
 「(30分の)尺におさまるかな!?」って思いましたが、試写を観させていただいたら、本当にキレイにまとまっていて。みなさんの感想が楽しみです。

上堀内(佳寿也)監督は『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のパイロット監督(※)で、1、2話からお世話になっているんですが、「本当にありがとうございます!」っていう気持ちです。
※パイロット監督…特撮番組の1〜2話を担当する監督のことを指す。作品の今後の方向性などを示していく、監督陣のなかでもとくに重要な役割。
一ノ瀬 本当にいろんなものが詰まった30分なんですが、僕としては「もうちょっと長かったらよかったなあ」と(笑)。コウとの再会のシーンを、綱くんがすごい時間をかけて演じてくれたんです。
 颯はそう言ってくれますが、自分としては反省が多いというか……。公開されたら劇場にも何回か観に行こうと思っているんですが、たぶん「ここはもっとこうすればよかったな」とか「あのお芝居は使われなかったんだな。もっと頑張らなきゃ」と、自分の実力不足を実感すると思うんです。それを糧に、これからももっと頑張っていきたいです。
一ノ瀬さんは映画でのお芝居についてどう感じましたか?
一ノ瀬 TVシリーズの1、2話のときに、上堀内監督に厳しく指導していただいたんです。感情の引き出し方など、何度もテイクを重ねてやらせていただいて。今回の映画でもそういった場面はあったんですが……一発で撮れたところもあったので、監督に成長した姿を少しでも見せられていたらいいなあって思いました。

すごくキレイに撮っていただいたので、コウの新たな表情を見ていただけると思いますし、僕もコウも成長したなって思っていただけるような作品になったんじゃないかなあと感じています。
本作で、とくに力を入れたところはどこですか?
 コウと再会するシーンですね。さっき颯がちらっと言いましたが、いちばん時間もかかったし、体力も使ったし、とにかく頑張ったシーンなんです。数秒のなかに、僕のいろんな思いが含まれているので……いまの時点での僕の実力を見ていただきたいと思います。
一ノ瀬 僕は、ガイソーグと対峙している場面ですかね。予告映像にもあるんですが、僕の顔にズームしていって、ガッと眼だけ映るところがあるんです。セリフはないんですが、いろんな複雑な思いがそこに詰まっているので、ぜひ見ていただきたいと思います。みなさんにどう伝わるか、自分としてもすごく楽しみです。

「すごく助かっています」互いに芝居の相談をし合うことも

先ほど綱さんは「反省が多い」とおっしゃいましたが、現場でも悩みながらお芝居されていることが多いですか?
 すごく悩んでいますね。お芝居を始めてからまだ日が浅いので、実力が全然なくて。日々、自分の実力のなさを痛感しています。
それをどうやって乗り越えようとしていらっしゃいますか?
 んー…僕はあんまり人に相談とかできないんですが、リュウソウジャーのメンバーのなかでは颯と一番キャリアが近いということもあって、一緒に頑張りたいなと思っている颯に相談することもありますね。
一ノ瀬 お芝居歴は僕のほうが短いので、そんなに偉そうなことは言えないなあと思いながらも……啓永ひとりで考えていると、どうしても主観的になってしまう部分があると思うんです。

「自分がメルトだったらこう考えるかな?」みたいな、第三者としての意見を言うことはあって。真剣に相談してくれるので、真剣に返すようにしています。
 すごく助かっています。
逆に、一ノ瀬さんから綱さんに相談することは?
一ノ瀬 あるよね?
 うん、あるね。
一ノ瀬 僕はいろんな人に「いまの芝居、どうだった?」って聞くんです。何となく不安なときは、みんなに手当たり次第聞いて。でも、啓永はとくに優しいから、「たぶん“いい”って言ってくれるんだろうなあ」って思いながら聞いています(笑)。すごくありがたいんですけど、もっと言ってくれてもいいんだよって……この場をお借りして言いたいです(笑)。
 わかりました(笑)。颯は初めての作品で、まだ半年ぐらいしかお芝居をやっていないのに、ここまでできるって本当にスゴいなって僕は思っているんです。本人が目指しているのがすごくレベルの高いもので……もちろん、最後に目指すのはそこなんですが、現時点で目指しているハードルがすごく高いんですね。

そういう颯を見ていて、僕も頑張らなきゃって思いますし、(一ノ瀬さんのほうを見ながら)本当にいいと思ってるんだよ。
一ノ瀬 ありがとう(笑)。
 嘘はついてないから。これからはちょっとでも「よくない」って思ったら言う(笑)。
一ノ瀬 わかりました(笑)。お願いします。
一ノ瀬 颯(いちのせ・はやて)
1997年4月8日生まれ。東京都出身。B型。大学の入学式でスカウトされ、2018年12月に芸能界デビュー。2019年、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(テレビ朝日系)にてコウ/リュウソウレッド役に抜擢され、俳優デビューを果たす。
綱 啓永(つな・けいと)
1998年12月24日生まれ。千葉県出身。O型。2017年「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」にてグランプリを受賞。2019年、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(テレビ朝日系)にてメルト/リュウソウブルー役に抜擢される。

映画情報

映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』
7月26日(金)よりロードショー中
http://zi-o-ryusoul.com/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、一ノ瀬 颯さん×綱 啓永さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2019年8月1日(木)18:00〜8月7日(水)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/8月8日(木)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月8日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月11日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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