茎を3節分付けて収穫したトウモロコシ(東京都農林総合研究センター提供)

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 トウモロコシに茎を付けて収穫すると、常温でも糖度が下がりにくいことを東京都農林総合研究センターが突き止めた。茎から糖分や水分が供給されるためで、冷蔵しなくても8時間ほど収穫時と同等の糖度が保持できる。朝取りしたトウモロコシが夕方まで甘い。直売所や庭先販売など、冷蔵が難しい売り場で有効な技術だ。

 トウモロコシは夏の直売所の人気商品だが、常温では糖分を分解し、甘味がなくなりやすい。これまでは冷蔵する以外は防ぐ方法がなかった。同研究センターによると、トウモロコシは3節分の茎を付けて収穫する。品種「ゴールドラッシュ」「ミエルコーンE」「グラビス」の試験では、朝収穫し8時間後の夕方に糖度を確認。糖度は収穫時とほとんど変わらず、5度の冷蔵保存と同等だった。一方、常温で保存したものは、糖度が最大で、約1下がっていた。

 茎付きは立てて保管すると、より糖度保持効果が高いという。冷蔵保存よりも糖度が高くなるものもあった。詳しいメカニズムは不明だが、光合成で作った糖分が茎から供給されるためとみられる。

 同研究センター園芸技術課は「半日程度なら常温でもほとんど糖度が落ちない。“茎付き”は客の目を引くことも期待でき、直売所などで有効」と説明する。