女の誘いに3回も乗ってきた男。なのに、彼女を″本命″には選ばない理由とは
私たちはこれまでに散々、LINEやデートのHow toを学んできた。
しかし、やっとの思いでLINEやデートに漕ぎ着けても、失敗の可能性は常につきまとうのだ。
あんなに盛り上がったはずなのに、突然の既読スルーに予期せぬ別れ。 恋人同士になれたかと思ったのに、いつまでたっても一進一退を繰り返す関係性。そんな経験、無いだろうか?
男女の関係を次に繋げる方法を学ぶため、あなたに宿題を出していこう。
裕太と出会い、私は恋に落ちた。
大人になればなるほど、誰かに対して“この人素敵だなぁ”と思う機会は減っていくのに、裕太と出会った瞬間に、本能的に“好き”だと思ったのだ。
そんな私の思いが通じたのか、裕太とデートする仲になった。そしてこのまま付き合えると思っていた。
しかし、3回目のデートで私はアッサリ玉砕してしまった。
男性は、デートの際の支払いも負担するし、時間もお金もかかる。だから好きでもない女性と、二人きりでの食事になんて何度も行かないと聞く。
そもそも、最初にデートに行けた時点で、見た目や第一印象云々の関門はクリアしていたはずだ。それなのに、どうして3度目で振られてしまったのだろうか。
◆
裕太と出会ったのは、知人が開催した食事会だ。3対3だったが、たまたま目の前に座った裕太と目が合った。
「由香里ちゃんは、幹事のミキちゃんとは何友達なの?」
「学生時代からの友人なんです。裕太さんは?」
「僕は男側の幹事のヒロと、前の会社が一緒で」
そんな会話から始まったのを覚えている。
鼻筋がスッと通っていて、良い体格。そして綺麗な歯並びが印象的だった。
この日は皆で二次会まで行って盛り上がったのだが、何故か裕太は、ずっと私の隣にいた。その行動が示すように、多分、この時から裕太は私のことを少なからず気に入っていたはずだ・・・。
最初はOKだったのに、結局ダメになったのはなぜ?女のミスは何だったのか・・・
宿題1:この初デートに辿り着くまでの、裕太の心情は?
盛り上がった食事会の翌日。
幹事の二人が作ってくれたグループLINEは、各々のお礼の言葉や、“楽しかった、また飲もう!!”というやりとりで溢れていた。
-裕太さん、素敵だったなぁ。また飲みたいなぁ。
盛り上がるグループLINEを見ながら、そんな感情を抱く。そして食事会から1週間経った頃に、思い切って自分から連絡をしてみたのだ。
-由香里:裕太さん、先日はありがとうございました(^^)良ければ、今度ご飯いきませんか?
実はこのLINEを送る前に、さりげなく幹事のミキに探りを入れていた。
ミキ曰く、裕太さんには現在彼女がおらず、むしろ彼女募集中。また好きなタイプは小柄で可愛らしい子で、家庭的な子も好きなようだ。一応、全部の項目が私に当てはまっている。
“いけるかも”という思いと共にLINEを送ってみると、すぐに返信はきた。
-裕太:この前は楽しかったね(^^)うん、もちろん!ご飯行こう!
乗り気な返信に、思わず笑顔になる。こうして私たちは、若い大将達が経営する新店『鮨 利粼』で初デートをすることになったのだ。
「由香里ちゃん、久しぶりだね〜。元気にしてた?」
裕太は、今日もかっこいい。2週間空いたのを“久しぶり”と言うのかどうか分からないけれど、私はニッコリ微笑んで答える。
「はい、お陰様で。裕太さんも、お元気そうで」
少し緊張しながら始まった初デートだったけれど、裕太のお陰で話はポンポンと進む。
「そっか、由香里ちゃんの会社は大手町なんだ。そしたらオフィス近いね。僕も大手町だからさ」
「そうなんですね!!」
「ランチとかどうしてるの?どこかオススメある?」
「そうですね〜たくさんあり過ぎて選べないかも・・・」
お互いの職場やランチのことなど、他愛もない会話だが、この時間が楽しかった。
「由香里ちゃんは何が好きなの?」
「ん〜なんだろう・・・裕太さんは?」
「僕は肉系が好きだよ。最近かなり気に入ってる店があるんだよね」
「いいですね〜」
彼と話していると、なんだか穏やかな気持ちになれる。和やかな雰囲気の中ディナーを楽しみ、後日、2回目のデートもすんなりと決まった。
すぐに次のデートが決まったくらいだから、初回のデートのときはまだ可能性があったのだろう。
けれども、どこかで歯車が狂っていたらしい。
二回目のデートがすぐに決まるのは、脈アリのサインのはず・・・!?
宿題2:デート中に裕太が感じたこととは?
初デートの後、思い切って“また飲みに行きましょう”と連絡をしてみると、裕太はすぐに返信をくれて、二週間後に再びデートをすることになった。
裕太が予約してくれたのは、彼のお気に入りの店だという『T3』だ。
「ここ、来たことあった?」
「ないです、初めてです!」
「美味しいから、多分由香里ちゃんも気にいるはず」
贅を尽くした前菜を食べながら、初回のデートでは拾いきれなかったお互いのことを話す。
「由香里ちゃんはどこ出身なの?」
「私は千葉です。裕太さんは?」
「僕は東京だよ。千葉かぁ〜・・・ゴルフでは、よく行くけどね」
「はは。まぁゴルフ場は沢山ありますからね」
私はゴルフをしないけれど、いつか裕太と周れるなら始めてみようかなとも思う。それに、共通の趣味がある方が話も弾むし、交際できるチャンスも高まるかもしれない。
そんなことを一人で考えていると、裕太が急に顔を覗き込んできた。
「どうしたの?急に黙りこくって」
「あ、いえなんでも!美味しいなぁと思って」
裕太と交際することを一人で考えて盛り上がっていたなんて、言えない。適当に笑顔でごまかしつつ、別の話を振ってみる。
「そういえば、裕太さんはどういう人がタイプなんですか?見た目とか」
「そうだなぁ〜見た目は小柄で、綺麗系というよりは、可愛らしい子かな。由香里ちゃんは?」
「私は優しい人ですかね。外見は裕太さんみたいな人、タイプです♡」
「え?俺?うっそ、めっちゃ嬉しいんだけど」
今一度、彼のタイプに自分がなんとなく一致していることを確認でき、この会話で互いのテンションも上がり、今回もとても楽しい食事となった。
「裕太さん、すみません。いつもご馳走になってしまって・・・」
気がつけばいつの間にか支払いを済ませてくれていた裕太。前回もそうだし、今回もサラリと払ってくれていた。
「あぁ、全然いいよ」
「でも・・・あ、2軒目私に払わせてください!」
こうして2軒目へ移動したのだが、宣言通り2軒目は私が支払い、あっという間に解散の時間になってしまった。
「いつもありがとうございます。またすぐに♡次はいつ会えますか?」
「いつだろう。来週なら金曜とか空いているけど・・・」
「そしたら、金曜日に!」
こうして私は笑顔でタクシーに乗り、手を振って別れた。
だが結果として、この後もう一回デートしたところで、“好きです”と言ってみたものの、“今は彼女とか欲しくないんだよね”とはぐらかされてしまった。
事前の情報では、“彼女が欲しい”と言っていたようだし、私の告白に対する断り文句だというのは明白だ。
けれども3回ともデートは盛り上がっていたし、しかも全く気がないならば、3回もデートはしないだろう。
脈ナシではなかったはず。
それなのに、どうして私とは付き合えないと思ったのだろうか・・・??
▶NEXT:7月28日 日曜更新予定
男と女でまったく違う。好きな人に対する行動の差とは