蜂の巣をつついたように100人100色の反応を呼んだ記者会見で、すっかり親玉の社長と会社が悪者にされてしまい、大向こうから見ると吊し上げ見世物のようだった。だが、訥々とした語り口の社長が、元お笑い芸人中のスタータレントのマネジャーだったということは、彼は相当なタマだということである。朴訥だけではない。

筆者が知っている別の大手のタレント事務所でも、某氏は売れっ子俳優を担当していた功績で、子会社の社長の上に、本社の重役にも登りつめている。つまり、こういう業界では、普通のメーカーや商社のように、学歴や部下統率の人事考課だけでトップに昇進するものではない。それが証拠に、あるワイドショーを見ていたら面白いことに気が付いた。ゲストコメンテーターに登場した元吉本興業のプロデューサーだった中年女性が、社長を擁護しているのだ。

また、そこに同席していた女性弁護士もどちらかと言えば擁護派であった。「言った」「言わない」の揚げ足取りよりも、常日頃からボスの人間性を知っている元プロデューサーは、「それこそ、中学も禄に出ていないようなヤンチャな子供たちを育てるんですよ」と、暗に世間一般の常識で計ることはできないと言いたげであった。筆者も同感で、言わば、美空ひばりの時代から、その筋との関係はあるのが普通で、いきなり正論のコンプライアンスなどと持ち出すのはナンセンスの極みなのである。どっちもどっちなのだ。(放送2019年7月22日)

(黄蘭)