「老後には2,000万円が必要」という報告書がきっかけでクローズアップされた日本の年金問題。2,000万円という数字がひとり歩きしているようにも思われますが、実際にこれだけの大金を私たちは貯められるものなのでしょうか?7月22日放送『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」では、「2,000万円を貯める方法は?」という単刀直入な質問に対し、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー・伊藤勝啓さんが回答しました。

預金額ゼロの世帯、40代でも2割超

この2,000万円という金額は、金融庁の金融審議会が公表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書で提示されたものですが、これはあくまでも1つのモデルケースであって、全員が当てはまるわけではありません。

モデルケースでは65歳から30年間生き続けるとして、毎月5万円ずつ赤字となった場合に、年間60万円で30年間と計算すると合計1,800万円かかるということで、およそ2,000万円かかると言っているわけです。

伊藤さんは「老後に収入が支出を上回れば不足は生じませんし、逆に支出が収入を上回って、収入以外の財源がないと破綻します。みなさん収入も支出も異なりますので、一概に2,000万円必要というわけではないんですね」と説明しました。

金融広報中央委員会が平成30年に調査した『家計の金融行動に関する世論調査』によりますと、「預貯金などの金融資産がゼロ」という割合が20代で32.2%、30代で17.5%、40代で22.6%、50代で17.4%、60代で22.0%、70代では28.6%にものぼります。

貯金があまりない方は、貯める機会がないままずっとないということにもなりかねません。

また、PGF生命がこの6月に公表した調査によりますと、今年60歳を迎えた方の貯蓄額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)が100万円未満という方が24.7%という一方で、1億円以上が8.1%と、格差のあることがわかります。
 

ここで伊藤さんは貯蓄を行うために必要な4つのポイントを挙げました。

「支出を知ること」と「支出を減らすこと」は比較的すぐにできることで、収入を増やすことは難しいですが、支出は自分でコントロールしやすいためです。

支出を知るために行う行動は、具体的には家計簿をつけることで、最近はスマホのアプリで簡単に家計簿がつけられるようにもなっています。

ただ、家計簿はハードルが高いという方は、まずは買い物でもらうレシートを集めて、1ヶ月ごとに何に使ったかカテゴリ別に分けて集計することで、自分のお金の使い方の傾向をつかむということを伊藤さんはおすすめしました。

また、支出を減らすとストレスがかかるという方には、娯楽費や食費などの変動費よりも、光熱水費や保険料、通信費などの固定費を優先して見直し、減らすことをおすすめするとのことです。

3つ目のポイント「働いて収入を増やす」のはなかなか難しいですが、支出を減らすことで浮いた分を資産運用に回すことで、4つ目のポイント「資産運用でお金に働いてもらう」ということにつながるとのことです。

支出を減らすことが貯蓄に最も有効なようですが、これに対し北野誠は「(自分が)フリーランスですけど、お金を使わんかったら税金で取られんのよね。何とかならんのかな」とボヤき、次回は「フリーランスと節税」をテーマにしてほしいと、パーソナリティー自らが相談しようとしていました。
(岡本)
 

北野誠のズバリ
2019年07月22日14時12分〜抜粋(Radikoタイムフリー)