現存する生物ながらモンスターとして描かれる「サメ」。誰でも想像できる恐怖を与えてくれる圧倒的な存在感があります。近年は新しいサメ映画が急増。

舞台は海だけではなく、空から降って来たり、身近な場所から現れたり、様々な状況でサメの恐怖が描かれています。本日はFilmarks内レビューで「サメ」について多く触れられている、サメが登場する映画を15本紹介します。

MEG ザ・モンスター』(2018)

『ナショナル・トレジャー』などのジョン・タートルトーブ監督作品。ジェイソン・ステイサム、リー・ビンビン出演。

地球で最も深い海とされるマリアナ海溝で、200年前に絶滅したはずの超巨大サメ「メガロドン(通称「MEG」)」が目覚める。全長23メートル、体重20トンという想像を絶する巨大モンスターと深海レスキューとの戦いが繰り広げられる。

ハリウッドと中国の超大作合作。サメの恐怖だけではなく、巨大モンスター映画というジャンルも合い、興行収入では『ショーズ』をも超え新しいサメ映画の代表作となった。

『ロスト・バケーション』(2016)

監督は『フライト・ゲーム』などのジャウム・コレット=セラ。ブレイク・ライヴリー出演。

ナンシーは休暇で訪れたビーチで人喰いザメに襲われ、近くの岩場に追い込まれてしまう。海岸までは200メートルだが、サメが周囲を旋回しており岸まで行けない。しかし徐々に海面が上がり満潮の時間が近づいていた。

出てくるのは普通のサメ1体。しかし岩場が満潮時には沈んでしまうという絶体絶命の状態、舞台が岩場のみというサバイバル要素を含みながらヒロインとサメとの生き残りをかけた戦いが緊張感たっぷりに描かれる。

『JAWS/ジョーズ』(1975)

監督はこの作品で世に名前を浸透させたスティーブン・スピルバーグ。ロイ・シャイダー、ロバート・ショウ出演。

平和な海水浴場に突如出現した人喰いザメにより、観光客が次々と犠牲となっていった。これ以上の犠牲を止めるため、海洋学者や警察官、漁師の三人の男がサメの退治に乗り出す。

撮影中にサメのロボットが壊れてしまい撮影できなくなったため、カメラをサメの目線にし、前半はサメの姿を出さないことで恐怖を作り出したことが話題となった。

『海底47m』(2017)

『ストレージ24』などのヨハネス・ロバーツ監督作品。クレア・ホルト、マンディ・ムーア出演。

楽しいバカンスを過ごしていた姉妹は、野生のサメを目の前で見るシャークケージ・ダイビングに挑戦する。しかし突如ケージのワイヤーが切れてしまい、無線の圏外である水深47mに取り残されてしまう。巨大なサメに取り囲まれ、極限状態の中姉妹は地上への脱出を試みる。

いつ現れるかわからないホオジロザメが海底での緊張感と閉塞感の恐怖を演出する。

『ディープ・ブルー』(1999)

監督は『ダイ・ハード2』などでアクション映画に定評のあるレニー・ハーリン。トーマス・ジェーン、サフロン・バロウズ出演。

太平洋上に建造された海洋医学研究施設で、サメの脳細胞から新薬を作る実験の途中、行き過ぎた実験により人類と同じ知能を持つ巨大ザメを生み出してしまう。賢い巨大ザメは脱出し、人間の殺戮を始める。

知能を持ったサメの動きが迫力満点。誰が死ぬかわからない展開に最後の最後まで緊迫感が抜けない。

『ソウル・サーファー』(2011)

『トランボ ハリウッドで最も嫌われた男』で脚本を担当したのショーン・マクナマラの監督作品。アナソフィア・ロブ、ヘレン・ハント出演。

プロサーファーになることを夢見ていた13歳の少女・べサニーは、サーフィンの練習中、サメに襲われ左腕をなくしてしまう。しかし片腕になってもサーファーであることをやめず、家族や友人、世界中の人から応援され、再び海へと立ち向かっていく。

サメが身近な恐怖として描かれる。べサニーの強さと人間性に観ている者に勇気を与えてくれる実話。

『オープン・ウォーター』(2004)

クリス・ケンティスブランチャード・ライアン、ダニエル・トラヴィス出演。

スキューバーダイビングをしていた夫婦が、海の真ん中に取り残される。そこは無数のサメが泳ぐ海域だった。しかし二人に助けが来ることはない。

ストーリーは単純明快で79分という短い上映時間だが、CGなしで本物のサメを大量に使用、実話を元にしていることもあり、次々に二人を襲う恐怖がリアルに描かれる。

『JAWS/ジョーズ2』(1978)

監督は前回のスティーヴン・スピルバーグから変わり、『ある日どこかで』などのジュノー・シュウォーク。前作と同様にロイ・シャイダーとロレイン・ゲイリーが出演。

舞台は前回と同じアミティ島のビーチ。惨劇から3年たち、観光客も戻ってきたところだったが、ダイバーがビーチで行方不明になるなど不審な事件が続く。市長は観光産業のダメージを恐れサメの出現を認めなかったが、人喰いザメは再びビーチに現れていた。

前作の大ヒットを受けて4年後に作られた続編。前作よりサメのロボットが精密に作られ、恐怖描写がパワーアップしている。

『オーシャンズ』(2009)

監督は『シーズンズ』で2万年の野生生物の物語を描いたジャック・ペラン、ジャック・クルーゾ。

少年の「海ってなに?」という問いかけから始まる海の生物のドキュメンタリー大作。サメが生きたままヒレを切られ、もがき苦しむ様子が描かれる。恐怖としてのサメではなく、海洋生物として他の映画とは違う面を見ることができる。

『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』(2017)

監督は『マレフィセント2』の公開が控えているヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリ。ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム出演。

 「海の死神」サラザールが、ジャック・スパロウへ復讐を果たすため、魔の三角海域から目覚める。ジャックはサラザールの復讐を阻止するためには伝説の秘宝「ポセイドンの槍」を手に入れなければならない。ウィル・ターナーやエリザベス、バルボッサなどシリーズお馴染みのキャラクターがカムバックし、それぞれの運命が交差しながらジャックと海の死神の決戦が始まる。

サラザールがジャックを捕まえるためサメをとき放つが、このサメがゾンビのような姿、動きの“ゴーストシャーク”。まさにパイレーツの世界でしか見れない姿なのが面白い。

『シャーク・ナイト』(2011)

『セルラー』などのデヴィッド・R・エリス監督作品。サラ・パクストン、ダスティン・ミリガン出演。

若者たちがバカンスのため湖にやって来るが、突如湖にいるはずのないサメに襲われる。地元の男たちに助けを求めるが、この男たちこそサメを湖に放流した犯人だった。彼らの残虐な殺人ゲームにより、若者たちはサメの餌食になっていく。

他の映画と違うのは、人間が自らサメに人間を襲わせる状況を作っていること。何種類ものサメに若者たちを襲わせる残虐さが際立つパニックホラー。

『シャークネード』(2013)

「シャークネード」シリーズ6作品を手がけるアンソニー・C・フェランテ監督作品。アイアン・ジーリング、タラ・リード出演。

ハリケーンが迫るカリフォルニアのビーチに突如人喰いザメが現れ、観光客を襲う。サメは何と竜巻に飲み込まれ、そのままロサンゼルスまで飛ばされる。市民は竜巻だけではなく、飛んで来るサメからも襲われるのだった。

海の中ではなく、地上からサメに襲われるという新しい恐怖感を味わえる。

『シャークネード エクストリーム・ミッション』(2015)

監督は前作と同じアンソニー・C・フェランテ。アイアン・ジーリング、タラ・リード出演。

ロス、NYを壊滅させたシャークネードが再びワシントンを襲う。被害はアメリカ全土に及び、壊滅の危機に陥る。選ばれたシャークハンター達が祖国を守るため立ち上がる。

人気シリーズとなった第3弾。今度はNASAも巻き込み、宇宙規模での壮大な戦いが繰り広げられる。

『ゴースト・シャーク』(2013)

グリフ・ファースト監督作品。マッケンジー・ロスマン、デイヴ・デイヴィス出演。

人でにぎあうビーチに突如透き通ったサメが現れ人間を襲う。それは人間を恨み悪霊と化したサメだった。サメ達は水がある場所に神出鬼没に現れ、人間を襲っていく。物理的な攻撃では倒せないサメに、住民達は為す術をなくす。

水から離れようとしても逃れられずいつサメが襲って来るかわからない緊張感たっぷりの作品。

『シン・ジョーズ』(2016)

監督は『アナコンダvs.殺人クロコダイル』のA・B・ストーン。レイチェル・ブルック・スミス、ジェフ・フェイヒー出演。

核実験により最悪の進化を遂げたサメが人間を襲う。体内に核エネルギーを持つサメを倒そうにも倒すことができず、人々は絶望に襲われる。

難しい内容かと思いきや、意外に入り込まずとも楽しめる作品。放射能をまとい熱を帯びながら襲って来る斬新な姿のサメを見ることができる。

【文/タナカリオ】