習志野vs千葉商大付

写真拡大

習志野の打撃の柱・高橋雅が活躍!着実な試合運びでベスト8!

 今年の習志野は負けにくいチームだが、打てるチームではない。振り返ってもコールド勝ちが少ない。能力は低いわけではないが、まだコンタクト力が欠ける選手が多い。自慢の勝負強さその中で高く評価している選手がいる。それが高橋 雅也だ。昨秋の関東大会で活躍を見せ、レギュラーとなった高橋。

 決して体は大きくないのだが、今年の習志野打線で最も本塁打と打点を期待できる選手だ。重心を下げた構えをして、トップで打ちにいく時、グリップを下げてスイングに入る。ボールの軌道に合わせるのがうまく、さらに場合に応じて縦のスイング軌道、横のスイング軌道と打ち分けができるので、長打、単打の打ち分けができる。宮崎敏郎(横浜DeNA)のような柔軟さ、力強さ、そして独特の感性を持ったバットマンといっていいだろう。この試合は高橋雅の良さが出た試合だといえるだろう。

 まず2回表、高橋雅は三塁内野安打。千葉商大付の右下手投げの金本に対してしっかりと合わせて鋭い打球を飛ばした。その後、兼子の適時打で1点を先制する。

 さらに6回表には左腕・紺谷に対し、高めに入ったボールを逃さず、左中間を破る二塁打を放ち、3点目のホームを踏むと、7回表には二死一、二塁から右中間を破る適時二塁打を放ち、貴重な5点目を入れた。

 右下手、左腕投手とタイプが異なる投手相手に安打を重ねる高橋雅。淡々と試合が進む中でもしっかりと突き放す一打が打てる高橋雅の存在はとても貴重だ。

 隙の無い試合運びを見せる習志野。二季連続出場。そして8年ぶりの甲子園へあと3勝だ。

 

(文=河嶋 宗一)