日大三vs都立立川
「前田に1本出たことが良かったと思います。本人も安心したと思います」
試合後、日大三の小倉全由監督は安堵の表情を浮かべた。チームの打者では唯一、前チームから試合に出場していた1番の前田 聖矢に、ここまで当たりが出ていなかったが、先制点がその前田のバットから生まれたことがチームにとって大きなプラスに働いたことを小倉監督は明かした。
3回裏、日大三は無死二塁のチャンスを作ると、1番・前田がショートへの強襲ヒットを放って、二塁ランナーは一気にホームへと生還する。切込み隊長の一打で先制点を挙げると、その後無死満塁から4番・宇津木帝凱がライトへの犠牲フライを放ち追加点。さらにその後、押し出し四球で1点を追加した日大三は、これで試合の主導権を握ることに成功した。
日大三の先発は、背番号5の2年生右腕・柳舘憲吾。まだ直球に威力は無いが、いかにも回転数が多そうなキレのあるボールを投げる。ランナーこそ出すが、落ち着いた投球で後続を打ち取り、都立立川打線にペースを渡さない。柳舘は打者としても3番に座っており、小倉監督も「身体能力が高く、内野も外野もやれる」と大きな期待を寄せる。
柳舘の好投も後押しし、試合の流れを盤石なものにする日大三。4回には柳舘が自らのタイムリーで追加点を挙げると、5回にも2本のタイムリーを浴びせて2得点。さらに6回にも5番・大濱快晴のタイムリーなどで3点を挙げて、その差を大きく引き離していく。試合は結局、9対0の7回コールドで勝利し、ベスト8進出を決めた。
これで日大三は7月24日の準々決勝で、桜美林と対戦することが決まった。この試合は、柳舘と児玉悠紀の2年生投手によるリレーで突破したが、小倉監督は準々決勝以降では井上 広輝、廣澤 優の3年生コンビの奮闘に大きな期待を口にする。
「ここからは廣澤と井上に頑張ってもらわないと。特に廣澤には頑張ってもらわないと困ります」
秋、春と思うような成績が残せていない今年の日大三だが、チームの状態は徐々に上がってきている。Wエースの奮闘を足掛かりに、2年連続の夏の甲子園に向けて日大三はラストスパートをかける。
2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会■開催期間：2019年7月7〜7月27日（予定）■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会】■展望コラム【東東京大会展望】二松学舎大附の夏三連覇を阻むチームは現るか？東東京大会を徹底解剖！
