こんな食品があったなら、大ヒット間違いなし!

写真拡大

もしも、こんな食品があったなら、大ヒット間違いなし! 何だと思いますか?

平成のキャラ弁界では必要不可欠な存在

□常温で90日〜150日保存可能

□開封し、そのまま食べられる

□もちろん調理してもおいしい

□カルシウム含有量が高く、高タンパク、低脂肪

□保存料不使用

□1本100円以下の手軽な価格

□インスタ映えの要素あり

そんな理想的な食品とは……じつは「魚肉ソーセージ」なんです。

昭和のイメージがある魚肉ソーセージですが、平成のキャラ弁界では必要不可欠な存在となりました。最近はインスタ映え食材としても注目され、海外でもヘルシーなスナックし「フィッシュソーセージ」と呼ばれています。

令和の新時代、便利な優秀食材として、もっと賢く使いこなさないと損。と言いたいところだけれど、もしかして「そもそも魚肉ソーセージってなんだっけ?」と思っていませんか?

■ 魚肉ソーセージとは何なのか?

「公益社団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会 魚肉ソーセージ部会」に加入している7社の企業で、魚肉ソーセージの国内生産量のおよそ90%を生産しています。

スーパーやコンビニで簡単に手に入る、身近な存在でありながら、「売り場はどこ?」と聞かれるとイマイチわからない、という感じではないでしょうか? ソーセージ売り場なのか、鮮魚売り場? はたまた、練り物売り場なのか?

じつは、魚肉ソーセージも蒲鉾の原料である魚とほぼ同じすり身を使用。そこに、メーカーごとに違いはありますが、豚脂や植物性油脂などを加え、香辛料の風味でソーセージっぽい味わいに寄せています。

■ オレンジ色の包装フィルムの秘密

魚肉ソーセージといえば、このオレンジのフィルム。しかもパッツンパッツン。

フィルムに身を詰めて密封された包装フィルムごと、120℃で4分間加熱し、高圧高温殺菌。そのお陰で、殺菌剤や保存料の不使用でも常温で長期保存が可能に。パッツンパッツンは、密閉で加熱された魚肉のふっくらした状態で、安心とおいしさのサインなのです。

また、オレンジの理由は、紫外線をカットするため。透明のフィルムでは紫外線の影響でソーセージの色が悪くなることがあるため、フィルムの色はオレンジ色が主流でしたが、現在はフィルムの機能向上により透明のフィルムを使った製品もあります。

開け方のコツ。

切れ目が入っているものは、その切れ目を広げるようにクリップを持ち上げ、フィルムの合わせ目に沿って引き下げてください。切れ目のないものは、包丁や爪楊枝で切れ目をつくる必要があります。

■ ピンク色、だけじゃないフィッシュソーセージ時代

上からフードリエ「アンパンマンおやつソーセージ(緑黄色野菜)」、同「アンパンマンおやつソーセージ(プレーン)」、丸善「ホモソーセージ」、ニッスイ「おさかなのソーセージ」、東洋水産「マルちゃんソーセージ」

現在は、天然由来の色素を使ったり、もしくは素材の色をそのまま見せる商品もありますが、以前は魚肉ソーセージといえば、ピンク色と決まっていました。これは、加熱すると薄茶色になる魚が原料のタネに赤みをプラスして、視覚的にもおいしく食べてもらうためなのです。

なお、時々見え隠れする、黒いつぶつぶは原料の魚に由来するもの。異物ではありませんのでご安心を。

写真は、たら、たい、まぐろといった高級素材使用の丸善「魚河岸ソーセージ」、体にいいいわしを使ったマルハニチロ「銚子産いわしを使ったお魚ソーセージ」。合成着色料でもないし、オレンジ包装でもないんです。

■ 西高東低? 魚肉ソーセージ文化

日本缶詰びん詰レトルト食品協会によれば、1949年(昭和24年)に愛媛県の西南開発の前身となる団体が魚肉ソーセージを試作、1952年(昭和27年)には、日本で初めての魚肉ソーセージを本格的に生産開始したそうです。

そのせいか、各地のスーパーをめぐって思うのは、「西日本のスーパーのほうが、魚肉ソーセージの品揃えがいい」ということ。とくに中国九州地方には、マルハの「ベビーハム」というマグロのぶつ切り入りの魚肉ソーセージがあり、ソウルフードとなっています。

また、西のほうがより魚を感じる味わいと言われているので、旅先で魚肉ソーセージを買って食べ比べてみてください。

■ ホモソーセージのホモって???

さて以前から気になっていた、丸善の魚肉ソーセージの商品名「ホモソーセージ」。その意味を丸善営業部の関 修さんにうかがいました。

「当社はチーかまの元祖として知られていますが、ホモソーセージはさらに古く、昭和29年の誕生以来のロングセラー品。ホモの意味は英単語の"homogenized"(均一する)からとったものです。魚のすり身を全体が均一になるよう、よく混ぜ合わせた生地を使用しています」

なるほど、よく混ぜ合わされているからでしょうか。ホモソーセージはプルプル加減と風味が絶妙なうえ、食べ応え満点の太さ。

「当社製品は、原料名にとして、たら、ひめじ、まぐろ、その他と明記しており、一味違う美味しさです」

まぐろも使っているんですね? 他社製品には「魚肉」としか書かれていないものが多いようです。確かに、食べ飽きない味。この太さとほのかなピンク色が特徴で、調理もしやすく見栄えもいいので、今回のレシピではホモソーセージをつかっています。

■ #フィッシュソーセージ

インスタも#魚肉ソーセージではなく#フィッシュソーセージの投稿が断然多くなっている、現在。もしかすると、昭和の大ブームの次に令和の新ブームがやってくるのかも?

きゅうりやチーズ、パンやマヨネーズとの相性もいいので、ぜひトライしてみてください。

フィッシュソーセージのメーカーのHPにも、たくさんのレシピが掲載されています。

■ 〜ホモソーセージレシピ〜

「編み込み」

ホモソーセージときゅうりをスライサーで薄く切り取り、幅を包丁でととのえたものを6〜7本ずつ用意し、皿の上でカゴを編むように交互に繰り返し、マヨネーズを塗った食パンの上にのせたもの。

「ピンチョス」

筒切りにすれば、きゅうりやプチトマトとのピンチョスが一瞬で完成します。お子さんと型抜きして飾るもの楽しいでしょう。

「天ぷら」

とうもろこしとフィッシュソーセージ、チャービルでかき揚げにしました。チャービルの代わりに海苔にすると、和風なおかずに。フィッシュソーセージは火を通すとふんわりして柔らかくなり美味しさが倍増します。※コーンの油はねに十分注意してください。

魚肉ソーセージ改め「フィッシュソーセージ」の実力、いかがでしたか?

日本生まれの世界に誇る食品、「フィッシュソーセージ」。

保存性も高くそのまま食べられるため、災害に備えて備蓄をおすすめします。保存食は水分が少なめのものが多いので、年配者には食べにくいもの。栄養価が高いだけでなく、しっとりしてぷるぷるなフィッシュソーセージなら、食べ慣れた味で、心も体も癒されるはずです。

そして、賞味期限前にはおやつやおかずで消費。

実は、筆者が2週間、甘いおやつの代わりにフィッシュソーセージを食べたところ、2キロ弱ですが体重が減りました。そんな効果も期待できる、実力派なのです。

文・写真 スーパーマーケット研究家・菅原佳己(レタスクラブニュース)