吉川晃司「助けを乞えるあてもなく…」人生の岐路ですがったモノ

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歌手の吉川晃司さんが、特別展『三国志』取材会に登場! 海外初出品となる貴重な出土品の前で、歴史好きになったいきさつや展覧会の注目作品について語りました。

吉川晃司さんがガイド!

【女子的アートナビ】vol. 152

東京国立博物館 平成館でスタートした日中文化交流協定締結40周年記念 特別展『三国志』では、中国で百年あまり続いた「三国志の時代」の政治や軍事、文化などに関する文物や出土品などを展示。

海外初出品となる河南省の曹操高陵(そうそうこうりょう)や呉(ご)の皇族クラスの墓からの出土品など、多くの貴重な作品とともに、三国志の壮大な世界をリアルに体感できます。

開幕前に開かれたプレス内覧会には、展覧会の音声ガイドを務める吉川晃司さんが登場! 三国時代の武将、曹操の墓室の一部を再現した「曹操高陵」展示室にて、見どころなどを語りました。

人生最大の岐路で出会ったモノは…

――『三国志』にお詳しいとうかがっていますが、なぜ親しまれるようになったのですか?

吉川さん 人生では、いくつか躓くことがあると思うのですけど、自分にとって最大の岐路は30代のはじめにあり、そのとき何か指南書みたいなものを見つけたいと思いました。

それまでは己を物差しに生きてきたタイプで、困ったからといって助けを乞えるあてもなく、ただ史実や偉人などに何かヒントが見つかるのではないか、と思ったのが最初です。

まず日本の歴史をたどっていくと、ほぼ間違いなく中国の故事などが出てくるのです。そこを知らない限り前に進めなくなってしまい、読み始めたらハマっちゃいました。

人間社会への教訓も…

――『三国志』の魅力は、どういうところにあると思いますか?

吉川さん 史実的には、殷周時代や春秋戦国時代が一番文化に変化があり、おもしろい時期だと思います。その刺激的なことやドラマチックなことを盛り込み、史実も含めて「三国志演義」として脚色してあるのです。

また、『三国志』では結局「兵どもが夢のあと」ということで、誰も最後は成就できず、司馬(しば)氏に全部まるごと持っていかれてしまうのですが、その皮肉もこめられていると思いますね。人間社会の栄枯盛衰を表す教訓ではないかと思っています。

過去はファンタジー!

――展覧会で感銘を受けた作品はありますか?

吉川さん この展示室には「曹操高陵」が再現してありますが、自分はテレビの撮影で現地に行き、入口までは入れたのですが、当時その先まで行けなかった。

(展示品の《罐(かん)》を見て)こういうものが出てきたのだな、と。なるほど惜しかった、行きたかったな、と。(笑)

――最後にメッセージをお願いします。

吉川さん やはり過去というのは、ものすごく魅力的です。ぼくはファンタジーだと思います。ぜひ、みなさんもこの展覧会で史実を学びながら、夢の中に入っていって楽しんでもらえるといいかなと思います。

リアルな関羽やコラボも必見!

会場では、迫力の関羽像(かんうぞう)をはじめ、三国時代のリアルな戦乱を物語る兵器や文物がたくさん並んでいます。

また、横山光輝による漫画『三国志』の原画や、川本喜八郎のNHK『人形劇 三国志』で使用された人形の展示、さらにはコーエーテクモゲームスの『三國志』『真・三國無双』シリーズのキャラクターも展覧会とコラボ。世代を超えて楽しめる内容になっています。

会期は9月16日(月・祝)まで。ぜひ足を運んでみてくださいね!

Information

会期:〜9月16日(月・祝) 休館日:月曜 ※ただし8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)は開館時間:午前9時30分〜午後5時 ※金・土曜は午後9時まで ※入館は閉館30分前まで会場:東京国立博物館 平成館料金:一般 \1600/大学生 \1200/高校生 \900/中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。