絶滅の危険性がより高まったと指摘されたロロウェイモンキー。レッドリスト最新版ではカテゴリーが引き上げられた(2012年8月2日撮影、資料写真)。(c)SEBASTIEN BOZON / AFP

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【AFP=時事】国際自然保護連合(IUCN)は18日、動植物7000種以上を評価対象種に追加したレッドリスト(Red List、絶滅の恐れのある野生生物種のリスト)最新版を公表した。公表にあたりIUCNは、人為的な自然破壊によって生物種が「かつてないほどの」ペースで絶滅の瀬戸際に追いやられていると警鐘を鳴らした。

 IUCNによると、霊長類、水生生物、樹木など、熱帯林の林冠から海底までの広い範囲にそれぞれ生息する象徴的な生物種が、絶滅一歩手前の「絶滅危惧IA類(Critically Endangered、CR)」に新たに分類されたという。

 IUCNが評価した世界の生物種10万5000種以上のうち、約2万8000種が絶滅の危機にある。生物群はそれぞれ特定の脅威に直面しているが、生物個体数急減の最大の要因となっているのは、乱獲や森林破壊といった人的活動だ。

 同連合のグレーテル・アギラル(Grethel Aguilar)事務局長代理は、「自然は人類史上かつてないほどのペースで衰退している」としながら、「われわれは、自然の多様性を保護することが自分たちのためになるという事実に気付く必要がある」と指摘している。

 レッドリスト最新版では多数の海水魚と淡水魚が、危機レベルの最も高い絶滅一歩手前のカテゴリーに分類された。

 頭部の先端が長くのびたエイの仲間であるサカタザメ科の一部は、今や絶滅の危険性が世界で最も高い海洋生物となっている。また、アフリカ北西部モーリタニア沖の海域での乱獲で絶滅の危機に陥っているフォルスシャークレイ(学名:Rhynchorhina mauritaniensis)は、この45年間で個体数が80%減少している。

 最新版ではまた、絶滅の危険性がより高まったとして、霊長類7種でカテゴリーの引き上げが行われた。このうちの1種、西アフリカのコートジボワールとガーナに生息するロロウェイモンキーは野生に残存する個体数が2000匹足らずとなっているという。

■日本の淡水魚も絶滅危惧種

 こうした問題の主な原因は、食用肉を求めて行われる野生動物の狩猟と、作物栽培のために行われる森林開発だ。後者では「生物生息地の深刻な減少」が起きる。

 IUCNによると、アフリカ西部と中部に生息する霊長類では現在、約40%が絶滅の危機にさらされているという。

 レッドリストを担当するクレイグ・ヒルトン・テイラー(Craig Hilton-Taylor)氏は、「人が食べ物を得るために捕獲対象としている生物種では、絶滅の危機に追いやられるペースが(他と比べて)はるかに速い傾向にある」「農業目的で森林伐採が活発に行われている環境では、そこに生息する生物種もその影響を受ける」とAFPの取材に対し述べた。

 最新版ではさらに、日本の淡水魚種の半数以上とメキシコの同3分の1以上が絶滅の危機に直面していることも指摘された。原因は河川の汚染や流水を制御する構造物の設置にあるという。

 また今回、深海に生息する硬骨魚類と軟体動物500種以上も初めてレッドリストに追加された。これらの生物に関しては、その生息環境が水深1000メートルの海底で、国の管轄が及ばない領域であることが多いため、保護活動における難題が提起されている。

【翻訳編集】AFPBB News